- 2024.05.24
廃車の無料引き取りは怪しい?無料引き取りの仕組みやトラブル回避のコツを解説
廃車無料や廃車の無料引き取りという言葉を聞くと、本当に無料で廃車を行うことができるのか、またそれが本当ならばなぜ無料でサービスが提供されるのか、その背景には何があるのか気になることでしょう。廃車費用が無料になる理由を理解するためには、廃車買取業者がどのように収益を上げているかを知ることが重要です。「廃車無料」は怪しく感じる方も多いかと思いますが、仕組みやトラブルを回避するコツを知っていれば安心して買取業者に任せられます。
本記事では、廃車の無料引き取りの仕組みや、それに伴うトラブルを避けるためのコツについて詳しく解説します。
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乗らない車は維持費がかかるので積極的に廃車すべき
乗らなくなった車は、放置することで思わぬ維持費が発生し続けます。
例えば、自動車税は、車検の有無に関わらず、車両が登録されている限り毎年課税されます。車検が切れていても、この税金の支払い義務は消えません。
外部の駐車場を利用している場合は、その料金が直接的な維持費用となります。自宅に駐車スペースがある場合でも、そのスペースは他の用途に使用できるため、間接的なコストが発生しています。
廃車の手続きを早めに行うことは、不要になった車の維持費を削減する最も効果的な方法です。車検切れの車であっても、抹消手続きを行うことで自動車税の課税が停止されます。
抹消手続きは、必要書類とナンバープレートを運輸支局または軽自動車検査協会に提出することで行えます。無料で廃車を引き取ってくれる廃車引き取り業者も多いため、費用をかけずに不要車を処分することが可能です。
廃車にかかる費用とは
一般的な廃車手続きでは、いくつかの費用が発生し、それらは車の所有者が負担することが通常です。
廃車に関連する主な費用は以下の通りです。
- 廃車証明書の取得などの手続き費用
- リサイクル料金
- 解体・処分費用
リサイクル料金に関しては、2005年に自動車リサイクル法が施行され、義務化された関係上、新車購入時に「リサイクル預託金」として支払い済みとなっています。
車を廃車にするには大きく分けて下記の3つの方法があり、それぞれ引き取り費用の相場は以下の通りです。
- 廃車買取業者:0円
- ディーラー:1~8万円
- スクラップ業者:2~5万円
上記を見て分かる通り、廃車買取業者へ依頼した方が費用をかけずに廃車できます。それでは、なぜ廃車買取業者は費用かけずに廃車引き取りをしてくれるのでしょうか?
その仕組みに関して、次で解説していきます。
「廃車無料」は怪しい?無料引き取りの仕組み
「廃車無料」サービスが提供される背景には、収益化するためのメカニズムが存在します。ここでは、廃車買取業者が無料引き取りを実現している仕組みに関して解説していきます。
廃車無料引き取りができる理由①:海外輸出しているから
海外への車の輸出は、廃車買取業者にとって重要な収益源です。国内での需要が低下した車や、事故車などの価値が著しく低下した車は、国内で一度解体された後、有用な部品は海外市場に輸出されます。
海外の市場では、日本の中古車が「高品質」と評価されるため、比較的高価で販売でき、特に耐久性や燃費の良さが評価されるモデルは、高値で取引されます。
また、海外では、修理費用が日本に比べて格段に安い場合が多いため、廃車とされた車も修理して再利用されるのです。
廃車無料サービスが怪しいと感じることがあるかもしれませんが、「無料引き取り」の廃車買取業者の多くが海外での販路を持っており、価値のないものを価値がある場所へと移動させて利益を得ているのです。
廃車無料引き取りができる理由②:中古部品として価値があるから
廃車になる車は、外見や機能的には使用不可能な状態かもしれませんが、多くの部品はまだ使用可能です。廃車として引き取った車は初めに評価され、再利用可能な部品とそうでない部品に分けられます。
再利用が可能な部品は車から取り外され、必要に応じて清掃や小修理が行われ、主に自動車修理工場やDIYユーザー向けに市場に供給されます。
特に古いモデルや生産終了した車種の部品は新品市場では手に入らないことが多く、中古市場の需要が高いです。
インターネット上のECサイトを通じて販売されることも多く、新品の部品を購入するよりも、中古部品の方が通常は価格が低いため、幅広い顧客層からアクセスされています。
廃車無料引き取りができる理由③:鉄くずなどの資源としての活用
廃車にされる車は、その大部分が金属で構成されており、特に鉄は大量に含まれています。
日本から輸出される鉄くずは、主にアジアの発展途上国で高い需要があり、大型のコンテナに詰められ、船便で輸出されます。取り出された金属は、さらに分解され、鉄くずとして分類され、新たな価値として生み出されるのです。
回収された鉄くずは、専門のリサイクル施設で処理され、再び利用可能な鉄として精錬され、建築材料や新たな自動車の部品、さらには家庭用品など、多岐にわたる製品の製造に再利用されます。
無料での廃車サービスは、単に廃棄物を処理する以上の価値を生み出し、循環型社会の実現に一役買っているのです。
廃車無料引き取りでよくあるトラブルとは?回避するためのコツ
廃車買取は、無料取引を行っているところも多いですがたまにトラブルが発生します。よくあるトラブルやトラブルを回避するコツに関して理解を深めていきましょう。
思わぬ処分費用がかかってしまう可能性
廃車無料引き取りサービスを提供している業者は多いですが、そのサービス内容や条件は業者ごとに大きく異なります。
引き取りから手続き、解体まで全て無料で行う業者もいますが、実際には一部のサービスのみ無料で、他は有料という場合もあります。
廃車を考えている場合、広告や宣伝だけを信じて契約する前に、どの部分が本当に無料なのか、どのような費用が発生する可能性があるのかサービス詳細まで確認しましょう。
不明点がある場合には、必ずスタッフに質問してみてください。
また、廃車にするクルマの状態を業者に伝える際、隠れたダメージや故障が後から判明すると、見積もり時と実際の費用に差異が出る原因になります。状態を伝える際には、偽りなく伝えることが大切です。
査定後に減額されるケースに注意
廃車無料引き取りサービスを利用する際、多くの人が経験するトラブルのひとつが、査定後の金額が引き取り時に減額されるケースです。
廃車買取業者の中には、初期の電話査定で高額を提示しておきながら、実際に車を引き取りに来た際に様々な理由をつけて金額を下げる業者も存在します。
もちろん、電話やオンラインでの初期査定では、車の状態を所有者が報告しますが、実際に車を見たときに、報告された状態と異なる場合もあります。特に隠れたダメージや故障が見つかった場合、それによって査定額が下がることが一般的です。
減額トラブルを未然に防ぐためには、査定を依頼する際は、車の状態を正直かつ詳細に伝えることです。
また、査定金額がどのような条件で決定されるのか、どのような場合に減額される可能性があるのかを業者に確認しておくと良いでしょう。可能であれば、査定条件を書面にしてもらうと安心です。
もし納得いかない場合には、キャンセルを申し出るのもひとつの手段です。
高額なキャンセル料・違約金を請求されるケース
廃車無料引き取りサービスを利用する際、一部の業者が高額なキャンセル料や違約金を請求するトラブルが報告されています。
業者が提供する契約書が不明瞭で、キャンセルに関する条項が曖昧に記載されている場合、消費者が不利な状況に置かれる場合もあるでしょう。
契約を結ぶ前に、契約書の内容をしっかりと読み、特にキャンセルに関する条項を理解してトラブルを防ぐことが大切です。
不安な方は、スタッフに直接確認し、書面上のどの部分に書かれているか契約前に確認してみてください。業者の説明に疑問がある場合は、消費者センターや専門家に相談するのも有効です。
廃車すると3つの還付金が受け取れる
廃車を考える際、多くの人が費用面に注目しますが、廃車にすることで受け取れる還付金が存在する点も重要です。
具体的には、自動車税、自動車重量税、保険料の3つが還付対象となります。ここでは、還付金について詳しく解説します。
還付金を受け取り、なるべくお得に廃車を進めていきましょう。
廃車すると受け取れる還付金①:自動車税
自動車税は、その年の4月1日時点で車を所有している人に対して課税される税金です。
税金は年間を通じて支払われますが、もし車を廃車にすると、廃車した翌月から翌年3月までの期間に対する税金が還付されます。
自動車税の還付額は以下の式で計算されます。
還付額=(年間自動車税額÷12)×未使用月数
ここで、「未使用月数」とは、廃車を行った翌月から翌年の3月までの月数です。
例えば、1,501cc〜2,000ccの自動車を所有しており、年間の税額が39,500円で、10月に廃車手続きを行った場合「還付額=(39,500円÷12ヶ月)×5ヶ月=16,458円」となります。5ヶ月は11月から翌年3月までの月数です。
自動車税の還付手続きには特別な申請は必要ありません。自動車を廃車にすると、その情報が自動的に税務署に通知され、還付対象となります。
自動車税の還付は、自動車を廃車にした翌月から計算されるため、初めに廃車手続きを行っても、その月は全額課税の対象となる点に注意しましょう。
できるだけ月初めを避け、月末近くに手続きを行うことが望ましいです。
廃車すると受け取れる還付金②:自動車重量税
自動車重量税は、車の重量に応じた税金で、新車購入時や車検の際に車検の有効期間に応じて前払いで納めます。自動車重量税は、道路の維持費用などに充てられることが目的です。
通常、車検は2年ごとに必要とされるため、自動車重量税も同じスパンで支払われます。
自動車重量税の還付は、廃車を行った際に車検の有効期間が1カ月以上残っている場合に限られ、廃車手続きを行った翌月から車検有効期限の終わりまでの期間に対して、支払い済みの税金が還付されます。
自動車重量税の還付額の計算式は以下の通りです。
還付額=(1年の自動車重量税額÷12ヵ月)×登録抹消した翌月から車検期限までの残存月数
廃車の手続きを行う際、同時に陸運局へ自動車重量税の還付申請書を提出する必要があります。
廃車手続きの際に還付申請を忘れると、後から還付を受けることができなくなる可能性があるので、廃車手続きと同時に申請を忘れずに行いましょう。
廃車すると受け取れる還付金③:自賠責保険
自賠責保険は、日本で自動車を運転する際に法律で加入が義務付けられている保険です。
人身事故が発生した際の被害者保護を目的としており、車両ではなく、車両を運転する権利に紐づいています。保険は通常、車検時に新たにまたは更新して支払われ、車検の有効期間と同期間有効です。
自賠責保険の還付金を受け取るには、保険会社に対して解約申請を行い、還付手続きを自ら進める必要があります。
自賠責保険の還付金は、保険の未使用期間に基づいて計算されます。具体的な計算式は以下の通りです。
還付金額=(支払った保険料総額÷保険期間の総月数)×未使用月数
還付金を多く受け取るためには、月初めに廃車手続きを行うのではなく、月末に近づけることが有効です。
まとめ
本記事では、廃車の無料引き取りの仕組みや、それに伴うトラブルを避けるためのコツについて解説していきました。
廃車買取業者が無料引き取りできるのは、料金化できる仕組みがあるからであり、怪しいものではありません。
廃車買取業者に依頼すれば、廃車にかかる費用を節約し、場合によっては買取価格を受け取ることができるためおすすめです。
契約する際には提供されるサービスの内容をしっかりと確認し、自身の状況に合った最適な業者を選びましょう。
車買取「ソコカラ」では、独自の海外の販路があり、廃車や事故車も高額買取しています。廃車の煩雑な手続きも無料で代行いたします。まずはぜひ、ご相談からお待ちしております。
この記事の監修者
浅野 悠
「株式会社はなまる」小売事業部 事業部長。1987年東京都生まれ。小学生から大学生までの間レーシングドライバーを目指し数多くの大会に出場。20代で飲食店経営に携わったのち、野菜配達の仕事に就くも、幼少期からの車への魅力を忘れられず自動車業界へ。中古車査定士の資格を取得し、自動車に関する豊富な知識をもとに、おもに車に起きるトラブルの対処法や車の豆知識に関するコラムを執筆。
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