- 2026.11.05
旦那名義の車に離婚後も妻が乗る|車も保険も自分名義にする方法

「私(妻)が乗っている車なのに、車検証も保険も夫の名前。離婚したらこの車は、夫に返さなければいけないの?」
名義が夫の車でも、妻は財産分与(夫婦の財産を分けること)の話し合いで、車を取ることができます。
ただし、保険は車とは別に考える必要があります。
夫の名前の保険のままだと、離婚した日から、妻が運転したときの事故が補償されない場合があるためです。
離婚したあとも同じ車に乗るなら、車の話し合いと一緒に、自分の名前の保険の手配も忘れずに進めておきましょう。
記事のポイント
- 旦那名義の車に乗り続けるなら、保険は妻の名前に替える
- 夫の割引(等級)を移せるのは、離婚の前だけ
- 新しく入る保険は、離婚の日の前日から始める
▶ 離婚後の保険について東京海上日動の代理店(ソコカラ)に相談する
旦那名義の車は、夫婦で分ける財産

車検証に夫の名前があっても、それだけで夫の車と決まるわけではありません。
結婚してから買った車は、原則として夫婦2人の財産です。
離婚するときは、財産分与の話し合いで、夫と妻のどちらが車を取るかを決めます。
ただし、夫が結婚前に買った車や、夫の親がお金を出した車は、夫婦の財産に入らないことがあります。
ローンが残っている車は、売った値段から残金を引いた額を分ける
財産分与で分けるのは、車の今の値段(今売ったらいくらになるか)から、ローンの残金を引いた額です。
例:ローンが残っている車
- 今売ると:120万円
- ローンの残金:40万円
- 夫婦で分ける額:80万円
ローン中の車は、払い終えるまで名義を変えられないことがある
まず車検証の「所有者」の欄を見てください。
ローン会社やディーラーの名前が書いてあれば、ローンを払い終えるまで、妻の名前には変えられないことがあります。
その場合は、次の2つを話し合いで決めておきましょう。
ローンが残っている車で決めておくこと
- 残りのローンを、夫と妻のどちらが払うか
- 払い終えたら、車の名義を妻に移すこと
車の名義が夫やローン会社のままでも、妻が自分の名前で保険に入れる場合があります。
詳しくは、記事の後半「元夫名義の車のままでも、自分の名前で保険に入れる」で解説しています▼
※2023年1月からの小さいサイズの車検証(電子車検証)には、所有者の名前が書いてありません。
一緒に渡された「自動車検査証記録事項」という紙か、国土交通省の「車検証閲覧アプリ」で確かめましょう。
保険が夫名義のまま!補償なしで車を運転しないために

車が妻のものになると決まったら、離婚の日を待たずに、保険の手続きを進めましょう。
保険は自動で、妻名義には変更されません。
保険が夫名義のままだと、離婚した日から、妻の運転が補償されないことがあるため注意してください。
妻の運転が補償されないケース
夫婦の車の保険は、「本人・配偶者限定」のように、運転できる人を決めていることが多いです。
離婚すると、もう「妻」ではないので、この範囲から外れてしまいます。
運転できる人を限定していない保険なら補償は続きますが、それでも夫が解約した時点で補償は終わります。
次に、保険証券で詳細を確かめましょう。見るところは、「記名被保険者」と「契約者」の2つです。
【等級の確認】保険証券で「記名被保険者」を見る

保険証券(契約の中身が書いてある書類)を出して、「記名被保険者」の欄を見てください。
その車を主に使う人の名前が書いてあり、ここが夫なら保険料の割引の段階(等級)は夫のものです。
離婚の前にこの欄を妻に変えてもらえば、夫の割引(等級)を妻が引き継げる場合があります。
妻の名前なら、割引はもともと妻のもので、移す手続きはいりません。
【解約できる人の確認】保険証券で「契約者」を見る
次に、「契約者」の欄を見ましょう。
契約者は保険会社と契約した人で、保険を解約できるのもこの人です。
記名被保険者とは別の欄ですが、どちらも夫になっていることがよくあります。
契約者が夫なら、離婚したあとも夫がいつでも解約できます。
妻の名前の保険にするには、離婚の前に契約者も妻に変えてもらうか、自分で新しく入るかのどちらかです。
保険証券で見るところ
- 記名被保険者:車を主に使う人(割引が付いている人)
- 契約者:保険料を払い、解約できる人
- 運転できる人の範囲:本人だけ/夫婦だけ/家族 など
- 年齢の条件
- 夫の勤め先を通した契約か(離婚後は続けられないことが多い)
- 満期日
保険証券のコピーは、夫からもらっておく
契約者が夫なら、解約するのも更新するのも夫です。妻には止められません。
離婚の話し合いの最中に、夫が「離婚するから」と保険を解約してしまう可能性もあります。
離婚の話し合いが始まったら、まず保険証券のコピーを夫からもらっておきましょう。
証券番号を控えておくと、代理店に相談するときに話が早く進みます。
ただ、契約者でない妻が今の保険会社に問い合わせても、詳しく教えてもらえないことがあります。
証券のコピーを持って、保険の代理店に妻本人の相談として聞くのも一つの方法です。
▶ 今の保険証券の見方を、東京海上日動の代理店(ソコカラ)に相談する
離婚の前に、夫にやってもらう4つのこと

離婚したあとは、夫の割引(等級)を妻に移せません。
夫に書類を頼むのも、離婚後のほうがずっと気が重くなります。
車・割引・書類の3つは、離婚の前の話し合いでまとめて決めてしまいましょう。
【やってもらうこと①】離婚協議書に、車の条件をまとめて書いてもらう
妻が車を取ると決まったら、離婚協議書(離婚の条件を書いた書面)に書いておきましょう。
口約束だけでは、あとで元夫に「そんな話はしていない」と言われたときに困ります。
離婚協議書に書いておくこと
- 車は妻が取る
- 夫は、名義変更の書類を妻に渡す
- 自動車税を誰が払うか(通知は毎年4月1日の時点の持ち主に届く。所有者がローン会社の車は使う人に届く)
- ローンが残っていれば、誰が払うか。払い終えたら名義を妻に移すこと
【やってもらうこと②】夫の割引(等級)を妻に移してもらう。保険料は約2倍違うことも
等級は1〜20の段階で、新しく入る人は6等級から始まり、無事故なら1年に1つずつ上がります。
夫が10年ほど無事故で乗ってきたなら、16等級前後の大きな割引が付いているでしょう。
この割引は、離婚の前なら妻に移せる場合があります。
もらえるかどうかで、保険料はここまで変わります(割引前が年10万円の例)。
| 年間 | 月にすると | |
|---|---|---|
| 夫の割引をもらう(16等級) | 4万6,000円 | 約3,800円 |
| 新しく入る(6等級) | 10万3,000円 | 約8,600円 |
※16等級は54%引き、新しく入る6等級は3%増しで計算(東京海上日動の割増引率・2026年1月現在)。
実際の保険料は、保険会社・車・年齢の条件などで変わります。
割引は1人分しかありません。妻がもらえば、夫は次の車で、多くの場合6等級からやり直しです。
夫が手放したがらないなら、ここが話し合いの山場になるでしょう。
夫が割引を残すなら、妻は新しい保険に入る必要があります。
夫の割引は、車を手放したあとに「中断証明書」を出してもらえば、最長10年とっておけます(7等級以上などの条件があります)。
【やってもらうこと③】保険の契約者も、妻に変えてもらう
割引を移す手続きは、夫から今の保険会社に申し出てもらいます。夫が同意しないとできません。
手続きの書類を送ってもらう依頼は、妻からでも可能で、届いた書類には夫と妻の両方がサインします。
注意:「契約者」を夫のままにしない
割引(記名被保険者)だけを妻に移しても契約者が夫のままだと、離婚したあと、夫が保険を解約できてしまいます。
夫に頼むときは、契約者も一緒に妻に変えてもらいましょう。
別居中でも手続きできることが多いので、夫の保険会社に確かめてください。
保険料の払い方(引き落としの口座など)は、契約者になった妻が自分で変えられます。
もらった割引は、満期のときにほかの保険会社へ持っていける場合があります。
夫と話す前に、もらうか新しく入るかを決めておくと、話し合いで迷いません。
▶ 割引の引き継ぎを、東京海上日動の代理店(ソコカラ)に相談する
【やってもらうこと④】車の名義変更の書類を渡してもらう
車の名義変更は離婚のあとにします。
必要な書類は、離婚の前にもらっておきましょう。離婚後に元夫へ連絡せずに済みます。
夫からもらう書類
- 普通車:譲渡証明書と委任状(どちらも夫の実印を押したもの)、夫の印鑑証明書。夫が引っ越していれば住民票など
- 軽自動車:夫の書類が要るかは、軽自動車検査協会で確かめる(妻本人が行くなら要らないこともある)
- 保険証券のコピー
印鑑証明書は、発行から3か月で使えなくなります。離婚の日が決まってからもらいましょう。
調停で離婚するなら、調停調書(調停で決まったことを書いた書面)に「夫は、車の名義を妻に移す手続きをする」と入れてもらう方法もあります。
この一文があれば、夫の書類なしで、妻1人で名義変更できる場合があります。
書き方は調停の場で確かめてください。
離婚の前日までに、妻名義の保険に入っておく

離婚が成立したら、自分の名前の保険に入ります。
新しく保険に入る人は、保険が始まる日を「離婚の日の前日」にしておきましょう。
理由は、保険が始まる時刻です。
保険の多くは、始まる日の午後4時にならないと補償されません。
離婚届を午前中に出して、その日から保険を始めると、午後4時までは夫の保険からも外れ、自分の保険もまだ始まっていない時間ができてしまいます。
前日から始めておけば、夫の保険と少し重なるだけで、補償のない時間はできません。
離婚の日がずれそうなら、始まる日をあとから変えられるかも聞いておきましょう。
離婚の日が決まる前に相談しておくと、慌てずに済みます。
元夫名義の車のままでも、自分の名前で保険に入れる場合がある
ローンが残っていて、離婚の日にはまだ名義を変えられない人もいるでしょう。
車検証上の所有者が元夫やローン会社のままでも、自分の名前で保険に入れる場合があります。
入れるかどうかや、車両保険(自分の車の修理代を出す補償)を付けられるかは、保険会社によって違うので確かめてください。
実家で親と暮らすなら、6等級ではなく7等級から始められるかもしれません。
親の車の保険が11等級以上で、車の名義が自分か同居の家族になっていることなどが条件です。
名義変更が済むまでは使えないので、その数日間どう乗るかも、相談のときに確かめましょう。
▶ 離婚の日から乗れる保険を、東京海上日動の代理店(ソコカラ)に相談する
割引をもらった人は、運転できる人と年齢の条件を自分に合わせて直す
夫の割引をもらった人は、契約の中身が夫に合わせたままになっていないかを見ておきましょう。
- 運転できる人の範囲に、元夫が入ったままになっていないか
- 年齢の条件が、元夫の年齢に合わせたままになっていないか
直すのは、今の保険会社のままでもできます。
【離婚後15日以内】車の名義変更を1回で終える

保険が自分の名義になったら、残るのは車の名義だけです。
元夫の名義のままだと、税金の通知も、車を売るときも元夫を通すことになる
名義が元夫のままだと、離婚したあとも、次のような場面で元夫が関わってきます。
名義が元夫のままだと起きること
- 自動車税の通知が、毎年元夫に届く
- 車を売るときや廃車にするときに、元夫の書類が要る
- 事故で車両保険のお金が出るとき、元夫に支払われる場合がある
離婚後に変えれば、名字・住所の変更と1回で済む
名義変更は、離婚のあとにしましょう。
離婚で名字や住所が変わると、車検証の名字・住所も変えなければなりません。
離婚のあとなら、名義の変更と一緒に1回で済みます。
どれも、変わった日から15日以内に届け出てください。
税金にも気をつけましょう。
離婚の前に夫から妻へ名義を移すと、夫婦でも贈与(ただで物をあげること)になり、その年にもらったほかの財産と合わせて110万円を超えると贈与税がかかる場合があります。
離婚のあとの財産分与なら、原則として贈与税はかかりません。
名義変更に要る書類と費用(普通車・軽自動車)
| 普通車 | 軽自動車 | |
|---|---|---|
| 行くところ | 住所を受け持つ運輸支局 | 住所を受け持つ軽自動車検査協会 |
| 夫からもらうもの | 譲渡証明書・委任状・印鑑証明書など | 要るかは窓口で確かめる |
| 妻が用意するもの | 車検証、自分の印鑑証明書、実印、車庫証明(車を置く場所の証明。警察署で取る) | 車検証、自分の住民票 |
| 費用 | 登録手数料600~700円程度、車庫証明の手数料、ナンバーが変わればナンバー代 | 手数料はなし。ナンバーが変わればナンバー代 |
要る書類は地域や車で変わることがあるので、行く前に窓口のホームページで確かめてください。
名義を変えたら、保険会社にも車検証上の所有者が変わったことを伝えましょう。
まとめ:離婚した日から自分の名前で乗るためのチェックリスト
離婚の話し合いが始まったら
- 保険証券のコピーを夫からもらう
- 証券で「記名被保険者」と「契約者」を確かめる
離婚の前
- 離婚協議書に、車の条件(妻が取る・書類・自動車税・ローン)を書いてもらう
- 夫の割引(等級)を移してもらうか決める。移すなら契約者も妻に
- 離婚の日が決まったら、名義変更の書類(印鑑証明書など)をもらう
離婚の前日まで
- 新しく入る人は、妻名義の保険を始めておく
離婚後15日以内
- 車の名義変更(名字・住所の変更も一緒に)
- 保険会社に、車検証上の所有者が変わったことを伝える






