- 2024.04.22
事故車は買取できる?買取査定額や売却する流れを現役の中古車査定士が解説!
生活の中で欠かせない車。
しかし、「事故車」を売却・買取に出せるのか疑問に思う方も多いでしょう。
事故車であっても注意点をしっかりと押さえておけば買取は可能で、場合によっては想定よりも高値で査定額が提示される可能性もあります。
では、どうすれば事故車の買取査定額が上がるのでしょうか。
売却時に確認すべきポイントや流れを紹介しますので、早速見ていきましょう。

事故車とは!?買取査定で重視される定義や違いも!
そもそも、「事故車」の定義とはどういったものなのでしょうか。
実は、ただ単に事故を起こした車=事故車なのではなく、中古車買取の業界内では『車の骨格(フレーム)部位に損傷あるいは修復歴がある車』を事故車と定義します。
車の骨格とされる重要部位に修復歴があると安全面で不具合が起こる可能性が高いため、交通事故の有無にかかわらず「事故車」と判断されるのです。
つまり、長期間の運転によって骨格部分に損傷が出ていた場合も、買取査定に出した際に「事故車」として扱われる可能性もあるということです。
事故車とは?事故歴車(修復歴車)との違いも!
事故車とは文字通り、事故により損傷している状態の車両のことを指します。
この事故には飛来物の衝突など、交通事故以外の事故も含まれるのが一般的です。
一方でよく事故車と混同されやすいのが、事故の後に損傷を修復した車両すなわち「事故歴車(修復歴車)」です。
「事故歴車(修復歴車)」とは「事故の後に、自動車の骨格部分の交換や修正をした車両」を指します。
つまり、ドアをコツンとぶつけてしまって、ちょっと凹んだだけの車両は、修理をしても「事故歴車(修復歴車)」にはあたりません。
具体的には、骨格部分とされる以下の9部位を交換または修復した場合に、「事故歴車(修復歴車)」として判断されます。
- フレーム
- フロントクロスメンバー
- フロントインサイドパネル
- ダッシュパネル
- ルーフパネル
- ルームフロアパネル
- トランクフロアパネル
- ピラー
- ラジエーターコアサポート
この基準は日本自動車査定協会・自動車公正取引協議会の統一基準として定められており、骨格部分の事故歴や修復歴があるかないかで、買取時の査定額にも大きな差が出ます。
事故車は買取してもらえる?
結論から言うと、事故車であっても買取してもらうことは可能です。
というのも、日本製の車は性能が良いことが海外でも広く知られているため価値が下がりにくく、損傷があったとしても問題なく走行可能であったり、解体し部品にして輸出したりと言うことが可能なためです。
ただし、事故車で高値の査定額が出るかどうかは、前述した骨格部分の損傷具合によるでしょう。
とはいえ骨格部分が損傷しているかどうかは、なかなか専門的知識が無いとわかりづらいものです。
逆に言えば「交通事故を起こしてしまったので買取してもらえないかも…」と思っていた車が、実は想定よりも高値で買取してもらえる可能性もあるため、まずは車の査定士や専門家に問い合わせする事をおすすめします。
事故車を買取に出すか判断するポイント4選!
では、事故車を買取に出すかどうかを判断する基準はどのようなものになるのでしょうか。
愛着のある車であれば手放しがたいのはもちろん、買い替えのことも考えると判断に迷うときもあるでしょう。
ここでは4つのポイントに絞って解説していきます。
①安全性のリスクが問題ないか
事故車を所持する以上切っても切り離せないのが、安全面のリスクです。
事故車は、故障や不具合によってどうしても安全面での問題を抱える恐れがあります。
骨格部分を修理したとしても、見た目ではわからない欠陥が潜んでいたり、時間の経過とともに他の部位に影響したりする可能性もあり、故障に繋がる可能性も高いのです。
②修理費用のコスト面
事故車は故障を起こしやすいため、維持するのにかえって費用がかかってしまうケースもあります。
エンジンなど駆動系パーツに大きな修復が必要な場合には、修理費用だけで数十万~それ以上もの金額がかかることもあり、故障するたびに修理を依頼するのはコストパフォーマンスが悪いと言えます。
また、保険適用外となってしまう修理があったり、修理後の保険料の値上がり等も考えると、事故車を持ち続けることは結果的に普通乗用車よりもコストがかかってしまうことは否定できません。
③車への思い出
とはいえ事故車であっても乗り続けたいと思うのは、希少価値がある車であったり、車との思い出があり愛着が深いからかもしれませんね。
しかし車は永遠に乗り続けられるものでは無く、いつかは寿命が来ます。
修理して乗り続けられる場合であれば問題は無いのですが、元通りに修復できず安全面に懸念が出た場合には車を手放す決断をするのも必要と言えるでしょう。
④フレームがダメージを受けていないか
事故歴車について説明した通り、車のフレームは骨格部位となる重要パーツの1つです。
フレームは衝突事故だけではなく、縁石にぶつけたり長年の衝撃の蓄積、サビによる腐食などによっても歪みが起きます。
フレームの歪みをそのままで走行すると、ハンドル操作が狂ったり、真っすぐに走行できなかったりと、安定した走行ができず交通事故につながる恐れもあります。
またフレームの修理には安い場合で10万円~数十万円、場合によっては100万円近くかかることもあり、コスト面から見ても買い替えを考えたほうが良いかもしれません。
事故車を買取してもらう際のコツ4選!
事故車を手放す決断が出来たとして、買取してもらうときのコツなどはあるのでしょうか。
大事な愛車だからこそ、出来る限り良い条件で手放したいものですよね。
実は買取に持ち込む店舗によっても査定額に大きく違いが出てくるため、詳しく紹介していきます。
事故車買取のコツ①相見積もりを出す
事故車の売却といえど大きなお金が動くため、1つのお店で決めないことが鉄則といえます。
車の査定持ち込み先はいわゆる“車屋さん”と呼ばれる業者になりますが、“車屋さん”とひと口に言っても
- ディーラー(新車店舗)
- ディーラー(中古車店舗)
- 中古車販売店(業販店)
- 中古車買取専門店
- 事故車買取専門業者
- 廃車買取業者
- 修理工場
など多岐にわたり、そのほか解体業者、レッカー業者、レンタカー業者、車検工場、パーツ業者、損害保険会社なども加わります。
業種や店舗によって査定額が大きく変わるため、相見積もりを出し相場感を知ることが重要と言えるでしょう。
事故車買取のコツ②事故車買取専門業者や廃車専門業者に依頼を出す
そもそも新車を主に扱うディーラーでは、事故車の買取自体を断られることもあります。
厳密に言うと事故車買取を全く行っていないわけではなく、新車を取り扱うディーラー(社名または店舗名に○○トヨタや日産□□などのようにメーカー名が入っているお店)は自動車メーカーと特約店契約を結んだ販売店であり、乗り替えの新車をその店舗で購入する場合のみ、“下取り”という形で事故車買取を行うケースもあります。
とはいえ損傷のひどい場合や水害車は下取りさえ行ってもらえない場合もあったり、他社メーカーの場合はかなり安い査定額を出されたりすることもあります。
そして下取り価格は新車購入費用に充てられるため、手元にお金は入りません。
そのため、初めから事故や災害などにより損傷した車両をメインに買取を行っている業者に頼むのが手っ取り早い手段の1つです。
専門業者では事故車、故障車や放置車両、廃車と言われる低年式車や過走行車などをメインで買取しており、すべての状態の車両買取ができるのが特徴です。
なお、多くの事故車専門の買取業者は、買取した車両をそのままオークション会場に持ち込み売却を行いますが、ごくわずかな大手業者は自社でオークションを運営し国内外に独自の売却網を構築しているため、小規模業者と比べて圧倒的に査定金額が高いケースもあります。
そのほか、「廃車」とされる走行不可状態の事故車の場合は、廃車専門の買取業者に依頼するのもありでしょう。
廃車専門業者は、解体業の許認可を持つ解体業者と、廃車専門の買取業者の2つに分類されます。
国内では需要のない車両についても思わぬ高額査定が付くこともがあったり、引き取りや書類手続きを代行してもらえることもあります。
事故車買取のコツ③事故車の買取事例で相場感を掴む
事故車と言っても、メーカーや車種はもちろん、年式や走行距離、事故の状態によって査定額が異なります。
とはいえ一部ではおおよその相場金額を公開しているWebサイトや、買取実績を公表している買取業者もあるため、自身の事故車を当てはめておおよその相場感を知ることは可能です。
相場さえ知っておけば、安すぎる場合に別業者に査定を依頼するなど選択肢も増えるでしょう。
事故車買取のコツ④無料のオンライン査定や一括査定を利用する
様々な業者に相見積もりを頼むことがおすすめとはいえ、なかなか何軒もの店舗に依頼することは容易ではありません。
そもそも事故車となると既に走行に問題が出ている可能性もあるため、早く買い替えしないと生活に支障が出る事もあるでしょう。
そういった場合に、無料オンライン査定であれば来店不要で迅速かつ簡単に査定を行えるため、忙しい方にとっても大変便利です。
無料オンライン査定「ソコカラ」は日本国内および海外への自社販路が豊富なため、輸送費をカットすることで高価買取が実現するほか、事故車を手放す際に発生する面倒な手続きも全て丸投げすることが可能です。
こちらの記事も参考に|愛車を少しでも高く買い取ってもらうには?
事故車買取の際の注意点4選!大きなトラブルに発生する可能性も?
事故車買取においてトラブルに発展するケースも珍しくありません。
自分自身の注意不足や過失によりあわや損害賠償請求に…という事態や、良かれと思ってしたことが査定額にマイナスに影響することもあります。
あらかじめ、売却時に気を付けておくべき4つのポイントを押さえておきましょう。
注意点①車の修復歴を調べる
事故車の修復歴を隠して買取に出した場合、民法上「契約不適合責任」を負うこととなります。
以前は「瑕疵担保責任」として損害賠償請求権と解除権のみ負う必要がありましたが、2020年より「追完請求権」と「代金減額請求権」が追加され、売却側の責任がますます重くなったのです。
実際の修復歴と異なる情報を提供し、その車に故障や不具合など何か起きた場合、多額の賠償金を請求される恐れがあるということです。
売却する際は必ず事故車の修復歴を確認し、正しく申告するようにしましょう。
注意点②ローンが残っている際は計画を組み立てる
事故車のローンが残っている場合も、買取時に気を付けたいポイントの1つです。
車の所有権が自分であればローンが残っていても売却が可能ですが、実はそもそもローンで車を購入した場合、所有権がローン会社やディーラーとなっていることが多いのはご存じでしょうか。
そのため事故車を売却する際は、あらかじめ所有者の名義変更が必要となります。
所有権を変更後にローンを一括返済できるケースもあれば、多くの方が乗り換えで新たな車を購入するため、再度新たにローンを組むケースのほうが多いでしょう。
さらにローンを組む場合は、既存のローンに加えて新たなローンの支払いが発生するため、返済の負担が増えることを考慮して返済計画を立てることが重要です。
注意点③還付金の金額を確認する
事故車を買取に出す場合、実は下記3つの税金や保険料が還付される場合があります。
- 自動車税
軽自動車、廃車(登録抹消)の場合は無し
解体された日の翌月から月割りで還付 - 自動車重量税
車検残存期間が1か月以上あることが必須条件
永久抹消または一時抹消登録をした翌月から月割りで還付 - 自賠責保険
保険の残存期間が1か月以上あることが必須条件
永久抹消または一時抹消登録をした翌月から月割りで還付
これらの還付金が対象になるのかどうか、事故車を買取に出す際は事前に確認しておきましょう。
注意点④査定前は修理を出さない
多少のへこみや傷などの損傷は、査定前にわざわざ修理に出す必要はありません。
もちろん見た目的にもキレイな方が査定額が上がることはありますが、査定前に修理に出し自身で修理代を払った場合、残念ながら修理代金の方が買取額を上回ることの方が多いのです。
査定前は修理代のかからない、洗車や車内の清掃に留めておく程度で良いでしょう。
ただし損傷が大きい箇所に関しては、今後の所有者に迷惑がかかる恐れがあるため査定前に修理に出すことを推奨します。
参考情報:『ハイエース買取専門店ボロボロエースカウカウ』 ハイエース買取専門店なら事故車であっても適切な値段で買ってもらえる可能性があります。
事故車の買取でよくある質問3選!
とはいえ、事故車の買取自体が初めてだという方も多いでしょう。
査定時にいわゆる「ぼったくり」に遭わないか不安に思う方もいるかもしれませんね。
そこで、事故車の買取でよく聞かれる質問を3つピックアップしましたので、是非売却時の参考にしてみてください。
事故車買取でよくある質問①事故車を売却する際の流れは?
事故車の売却ってそもそも何からすればいいんだろう?と思う方も少なくないはず。
まずは査定先・売却先を見つけることが先決となります。
- オンライン査定
- 近所にある買取が可能な車屋
- 出張査定や買取を行う業者
など、いくつかの業種と店舗での査定を並行して行うのが良いでしょう。
相見積もりを取りながら、価格に納得のいく業者に頼む流れとなります。
手放す際の手続きも代行してもらえる業者であれば、売却後の書類等で煩わされることもなく便利です。
なお、手元に代金が振り込まれるのはおおよそ売却後1~2週間後となる事が一般的なようです。
事故車買取でよくある質問②事故車を買取に出した際の相場は?
業者から査定金額を出されても、果たして相場よりも安いのか高いのかわからないといった方も多いでしょう。
事故車の買取相場については一概に決まった価格は無いものの、インターネットで車種や年式、走行距離等をもとに買取事例を見ることで大体の相場感を掴むことは誰でも可能です。
ちなみに調査したところ、相場としては、同じ車種で同じ条件の無事故車と比較した際に、「おおよそ20万円~50万円程度下がる」「50%程度の相場になる」ケースが多いようです。
事故車買取でよくある質問③修復歴ありの査定額はどのくらい?
修復歴がある事故車であっても、損傷部位が完全に修復されていれば査定額への大きな影響はありません。
ただし、初めに説明したように、車の骨格となる部位に損傷がある場合に「事故車」として認定され、査定額は大きく下がります。
傷やへこみといった見た目だけの損傷・修復歴だけでは査定額への変動は測れないため、専門業者に判断してもらうほかありません。
また、メーカーや車種ごとに分けられた車のクラスによっても査定額が変化しますが、高級車であればあるほど減額度合いも大きくなります。
事故車買取の際はソコカラの無料オンライン査定をご利用ください!
事故車買取は、売却時のポイントや注意点を知っておけば査定額が予想よりも高くなる可能性が大いにあります。
まずは全国どこでも来店不要で無料査定が可能な、「ソコカラ」のオンライン査定に出してみてはいかがでしょうか。
引き取りの手間や手続きも不要かつ無料であるほか、26年の買取実績をもとに適切な査定額を提示してもらえます。
事故車であっても、高値での売却が夢ではないかもしれません。

この記事の監修者
浅野 悠
「株式会社はなまる」小売事業部 事業部長。1987年東京都生まれ。小学生から大学生までの間レーシングドライバーを目指し数多くの大会に出場。20代で飲食店経営に携わったのち、野菜配達の仕事に就くも、幼少期からの車への魅力を忘れられず自動車業界へ。中古車査定士の資格を取得し、自動車に関する豊富な知識をもとに、おもに車に起きるトラブルの対処法や車の豆知識に関するコラムを執筆。
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