水没車にも価値がある?水没車を売る方法とは

水没車を買取できない業者と、買取できる業者の違いを紹介します。水没車は致命的な故障が起こりやすいため、廃車にされることが一般的です。しかし、業者の違いさえ知っていれば水没車でも買取してもらえます。
水没車はどこなら売れるのか
水没車を売るためには、「売れない業者」と「売れる業者」があると知っておくことが必要です。これを知らずに適当に持ち込んでしまうと廃車になってしまい、良くても無料、場合によっては手数料を取られてしまうこともあります。
なぜ買取できる業者と売れない業者があるのか、その理由と見分け方を紹介します。水没車をなるべく高く売るために、水没で起こるトラブルと水没の目安も確認していきましょう。
水没車とはどのような状態か
まずは水没車とはどのような状態なのか、何が問題なのかを確認していきましょう。車を適正な価格で売るためには、正しい知識を持っていることが重要です。次の自動車を購入したときに同じように水没させてしまわないためにも、しっかり理解しておきましょう。
なぜ水没が問題なのか
車は上からの水には強くても、下からの水には弱いことが特徴です。もちろんある程度までの高さなら問題ありませんが、台風などで冠水してしまった場合、車にはさまざまな悪影響がでてしまいます。一見すると問題なさそうに見える場合も、水没車では下記のようなトラブルが発生していることがあります。それぞれのトラブルケースを確認しましょう。
水没トラブルケース
トラブル1 電気系統がショートしてしまっている
水没でもっともよく起きるトラブルです。エンジンルーム内にある電気部品がショートすることで、エンジン全体の電気系統に影響がでます。その結果エンジンがかからなくなってしまうのです。一か所だけの浸水であってもケーブルを通して浸水してしまうため、結果的にすべて水没してしまうことがよくあります。また水没直後は問題が起きなくても、徐々に浸水が進行する可能性もあるため注意しましょう。
トラブル2 吸気口に水が入り込んでしまっている
その次に致命的なケースが、エンジンに空気を送り込んでいるエアクリーナーに水が浸入してしまうことです。エンジンピストンにより水が圧縮されることで大きな圧力がかかり、破損が発生してしまいます。一度こうなってしまうと、もうそのエンジンは使い物にはなりません。そのため、エンジン全体を交換しなければならず、大抵は費用が見合わないため処分を検討することになります。
トラブル3 マフラーから水が入り込んでしまっている
吸気口以外に排気口も危険な部位です。排気ガスの勢いが水の入り込む勢いに負けてしまうと、エンジンまで水が入り込んでしまいます。当然エンジンがストップして交通事故の原因にもなるため、冠水の際は注意が必要です。またエンジン内部まで浸水していない場合も、長時間浸かっていた場合はマフラー内部が腐食している可能性もあります。
トラブル4 シートやカーペットにカビが生える
水没してしまうと車内にカビが発生してしまうことも問題です。一度車内で繁殖したカビは完全に取り除くことが困難で、しっかり掃除したつもりでも嫌な臭いがこもりがちになります。そのため、水没が発生したら水没した内装を外し、乾燥と消臭を行わなければなりません。
トラブル5 サビが浮きやすくなる
自動車は外装部分ではサビに強くなっていますが、エンジンルームや車体内部はサビが浮きやすくなっています。特に海水に長時間浸かってしまった場合は、サビを取ることは難しくなるでしょう。サビを放っておくと腐食が起こり重大な故障につながるため、こちらも放置することはできません。
どの程度まで水につかると水没車になるの?
水没が起きる目安
水没になってしまう範囲を紹介します。車高にもよりますが、一般的に普通自動車では「水深30センチ以上は危険」だといわれています。その理由はエンジンコントロールユニットなどが、助手席のダッシュボードの下やフロアの真下に設置されていることが多いからです。
目安としては、「タイヤが半分ほど水に浸かっている」ならアウトだと考えて良いでしょう。
故障だけではなく命の危険もある
エンジンの電気系統がショートして、発火や感電などが起きる可能性あります。エンジンをかけていた場合は当然として、エンジンをかけずに止めていた状態でも危険です。自分では動かさずに、ロードサービスなど呼んで移動してもらいましょう。
また、ドアの半分の高さまで水没してしまうと車から出られなくなります。冠水が起きた際は、なるべく車には乗らずに避難しましょう。
買取不可の業者・買取可能な業者
それでは、いよいよ水没車を買取してもらうために、「買取不可な業者」と「買取可能な業者」の違いを紹介します。
買取してくれない業者
残念ながら、一般的な中古車買い取り業者では、水没した車はほとんどが買取不可とされています。特にエンジンに問題が発生した場合、廃車にすることがほとんどなのです。またエンジンに問題がない場合でも、車内に臭いが染みついてとれないこともよくあります。
こうした例では、内装をすべて取り外して清掃・消臭を行うため、5万~10万円ほどの費用がかかり、水没車の買取は割に合わないのです。そのため、こうした業者で査定に出しても、ほとんどが廃車にするように勧められてしまいます。
買取してくれる業者
業者の中には水没した車でも、問題なく買い取ってくれるところもあります。それは一般的な中古車買い取り業者ではなく、事故車など「トラブルのある車も買取」している業者です。
こうした買取業者では、一般的な中古車業者とは違い、損害車に適した修理方法や販売ルートを確立しています。そのため、水没車であっても買取してもらえるのです。さらに動かなくなってしまった水没車であっても、買取してもらえることもあります。
普段の生活では意識することはないかもしれませんが、実は思っている以上に買取業者には大きな違いがあるのです。しかし、なぜこうした業者は事故車でも買取ってくれるのでしょうか?それは海外での日本車需要が関係しています。
海外では水没車も人気がある
日本では乗れない車でも売れる
海外では日本車の人気が高く、手ごろな価格で買える中古車には高い需要があります。水没車や事故車を買取してくれる専門業者は、こうした海外との取引に積極的です。
国外では自動車に求められる品質基準や法律が異なっています。そのため日本では乗れなかったり、整備の手間や費用がかかりすぎたりする車でも売ることができるのです。ある程度修理して使える車であれば、かなりの高額で取引されることもあります。
水没車であってもエンジンに問題がないなら、日本では買い手がいないような状態でも買取ってもらえるのです。
修理ができなくても使い道はある
エンジンに問題があり修理が難しい場合でも、車にはまだまだ使い道があります。パーツごとに分解され、問題ない部品を取り外して中古部品として販売されるのです。
事故車や水没車を扱う買取業者では、国内や海外への販売用として、あるいは自社での修理用としても使用します。そのため、他の業者なら扱いに手間がかかって引き取ってくれない水没車のパーツでも高値で買取ってくれるのです。
水没車を売るなら専門業者へ
動かせない状態になり自分では持ち込めない水没車でも、業者によっては無料で出張査定にきてもらうことができます。引き取り料などの費用もかからない場合が多いため、他の業者で廃車を勧められた方も、あきらめずに買取査定をしてもらいましょう!
この記事を書いた人
この記事が気に入ったらいいねしよう!最新記事をお届けします。