車の安全装置の種類を解説

自動車は便利な道具である一方、注意していないと危険な道具にもなります。どれだけ安全運転を心がけていても、自分の不注意や整備不良などにより事故を起こす可能性はゼロではありません。そのため、車にはいろいろな安全装置が取り付けられています。
車の安全装置は大きく「パッシブセーフティ」と「アクティブセーフティ」という2種類に分けられます。今回は、パッシブセーフティとアクティブセーフティに分けて、車に取り付けられている安全装置をご紹介していきましょう。
目次
事故が起こった時の被害を最小限に防ぐパッシブセーフティ
車に搭載されている安全装置のひとつにパッシブセーフティと呼ばれるものがあります。これは実際に事故が起こってしまったときに、ドライバーや同乗者の被害を最小限に抑えるための装置のことです。
パッシブセーフティがあると、事故にあっても軽傷で済んだり、死亡事故を防げたりするのです。では一つひとつの安全装置にはどんな役割があるのでしょうか。
3点シートベルト
もっとも代表的な安全装置といえば3点シートベルトです。車に乗るときには誰しもが使用する安全装置のひとつです。
運転手は、すべての同乗者シートベルトを着用させる義務があります。後部座席であっても、高速道路においてはシートベルトを着用していないと違反点数が1点となります。
なお、シートベルトを着用すると事故時の死亡率が大きく下がることはデータからもわかっています。運転席ではシートベルト非着用者の致死率は着用者の56.5倍、助手席では15.2倍となっており、いかにシートベルトが効果的な安全装置かがわかります。[注1]
[注1]国土交通省:シートベルト非着用者の致死率は着用者の14倍
http://www.mlit.go.jp/common/001118302.pdf
SRSエアバッグ
こちらも非常に有名な安全装置です。事故時に運転手や助手席の同乗者が頭部や胸部をぶつけることがないように設置されています。実験映像などでエアバッグが膨らむ様子を見たことがある方も多いでしょう。
ただし、このSRSエアバッグは「Supplemental Resraint System」、つまり補助拘束装置です。SRSエアバッグはシートベルトを補助する安全装置であるため、非着用の状態では十分な性能を発揮できません。必ず運転するときにはシートベルトを着用するようにしましょう。
衝突安全ボディ・歩行者障害低減ボディ
パッシブセーフティには、ボディそのものの機能性も含まれています。衝突時の衝撃を吸収し、運転手や同乗者への影響を抑えるつくりになった衝突安全ボディや歩行者に衝突してしまった場合に歩行者への被害を最小限に抑えるよう設計された歩行者障害低減ボディがその一つです。
事故が起こらないように安全性を高めるアクティブセーフティ
パッシブセーフティに対して、事故が起きないように安全性を高めるアクティブセーフティという安全性能もあります。安全運転を心がけている運転手をアシストします。
ABS(アンチロックドブレーキングシステム)
ABS(アンチロックドブレーキングシステム)は、急ブレーキを踏んだときに、タイヤをロックするのではなく自動的に少しずつブレーキを利かせるシステムのことです。路面滑走を防ぐ効果があります。
ESC(横滑り防止装置)
ESCは横滑り防止装置のことです。滑りやすい路面やカーブを走行中、横滑りすると対向車線にはみ出して対向車と衝突してしまう恐れがあります。そこで、ESCが横滑りを感知すると自動的に車の運転をコントロールしてくれるのです。
安全装置を知ることでより安全運転を
安全装置はただ付いているだけでは、その機能を十分に発揮できません。ドライバーが安全装置について知ることで、初めてその性能を最大限発揮できるものです。どのような状況でどの安全装置が使えるのかをしっかり確認して、より一層安全運転を心がけるようにしましょう。
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