- 2020.11.19
パドルシフトで気軽にレーサー気分!その使い方や使用ケースをご紹介
これから自動車を購入しようとしている方であれば、「パドルシフト」に興味がある方もいらっしゃるかもしれません。一般的にはそれほど認知度の高いシステムではありませんが、さまざまなメリットがあります。
パドルシフトの概要や使い方、メリット・デメリットについて解説します。

パドルシフトは足でのペダル操作なくシフトチェンジできる装置
パドルシフトとは、ハンドルについているパドルを使ってシフトチェンジができる装置のことです。ハンドルの3時と9時のところに設置されていることが多く、ハンドルを握りながら人差し指や中指でシフトチェンジが行えます。
オートマチック車の場合、シフトチェンジはコンピュータ制御によってほぼ自動的に行われます。しかし、パドルシフトがあれば、オートマチック車でありながらシフト操作が行えるのです。
もともとはF1から生まれた技術ですが、徐々に一般車両にも浸透してきています。パドルシフトを後付けできる車種もあり、オートマチック車に乗りながらマニュアル車のような操作がしたいという方に人気です。
パドルシフトのメリット
パドルシフトにはいくつかのメリットがあります。
これから車を選ぶ方のために、パドルシフトのメリットを3つ紹介します。
1. マニュアル車のような操作ができる
パドルシフトはオートマチック車に搭載されているにもかかわらず、マニュアル車のような操作が行えます。ある程度電子制御されているため急激なシフトチェンジは行えませんが、エンジンブレーキをかけたり、上り坂でより力強く走ったりする際に便利です。
マニュアル車のように頻繁にシフトチェンジする必要はないため、オートマ限定の免許しか持っていない方でも運転できます。
2. エンジンブレーキが使いやすくなる
パドルシフトの別のメリットは、エンジンブレーキが使いやすくなることです。
長い下り坂でずっとフットブレーキを踏み続けていると、ブレーキパッドが熱を帯びて効かなくなってしまうことがあります。(フェード現象)
さらに、ずっとフットブレーキをかけ続けることでブレーキ液に気泡が発生し、ブレーキペダルの動きがブレーキ液に伝わらなくなります。(ベーパーロック現象)
この2つの現象を回避するために、パドルシフトは役立つでしょう。シフトレバーでは誤操作のリスクがありますが、パドルシフトの場合はより安全にシフトチェンジしてエンジンブレーキを頻繁に使えるようになります。
3. 燃費がよくなる
エンジンブレーキを頻繁に使えるということは、燃料を節約できるということでもあります。
エンジンブレーキを使っている間は、燃料の消費が最小限に抑えられているので、燃費がよくなります。ブレーキパッドの減りも遅くなるため、パーツの交換頻度も下がるでしょう。
パドルシフトのデメリット
パドルシフトにはたくさんのメリットがあるように思えますが、デメリットもあります。パドルシフトのデメリットを2つ紹介します。
1. パドルシフトを使いにくく感じる人もいる
個人的な好みもありますが、パドルシフトを使いにくいと感じる人もいます。
とくにパドルシフトはハンドルを握りながら指で操作しなければならないため、手が小さかったり指が短かったりすると不便さを感じるでしょう。
車の購入の際には、実際に試乗してみてパドルシフトが使いやすいのか、シフトチェンジが必要なのかよく検討しましょう。
2. 直線ではスピードが出にくいこともある
パドルシフトを使えば、カーブから抜けたときに一気に加速する、高速道路の合流地点でスムーズな進入が行えるなどのスポーティーな走りができます。
しかし、直線ではスピードが出にくくなることも。オートマチック車では効率よくエンジンの回転数を上げるようなプログラムがすでに組まれています。
それにもかかわらずドライバーがパドルシフトを使ってギアチェンジすると、効率のよい加速ができなくなる恐れがあるのです。
パドルシフトを使用したために加速が遅れるということもあり得るでしょう。
パドルシフトは使いどころを見極めて使うべき
パドルシフトは「車を操作している」という感覚を得られる魅力的なシステムですが、使いどころはしっかりと見極めなければなりません。エンジンの回転数とギアのバランスがあまりにも不自然な場合には電子制御が優先されることも覚えておきましょう。
長距離ドライブであれば自動変速を利用すれば効率よくギアチェンジできますし、山道や峠道では自分のパドルシフトを使って思いのままスポーティーな走りができるでしょう。
パドルシフトのメリットと使い方をよく理解して車選びをしよう
パドルシフトはオートマチック車とマニュアル車の両方のよい点を取り入れることができる便利なシステムです。
使い方によってはメリットを最大限生かして、快適な走りができるでしょう。
パドルシフトの利点をよく理解して、ぜひ自分に合った車を見つけてください。

この記事の監修者
浅野 悠
「株式会社はなまる」小売事業部 事業部長。1987年東京都生まれ。小学生から大学生までの間レーシングドライバーを目指し数多くの大会に出場。20代で飲食店経営に携わったのち、野菜配達の仕事に就くも、幼少期からの車への魅力を忘れられず自動車業界へ。中古車査定士の資格を取得し、自動車に関する豊富な知識をもとに、おもに車に起きるトラブルの対処法や車の豆知識に関するコラムを執筆。
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