- 2021.01.18
車が冠水・浸水した際の注意点!
近年、ゲリラ豪雨や台風といった水に関するトラブルが増えてきています。
いつ起こるか分からない災害に備えて、生活する上で様々な対策を考えておく必要があるのではないでしょうか?
今回は車が冠水・浸水した際に、どのような事に注意しておくべきかをまとめてみました。

冠水した車、乗っても大丈夫?
冠水・浸水した車の移動は専門業者に依頼しましょう。
電気系統が浸水している状態で車を動かそうとエンジンをかけてしまうと、ショートによる出火・感電の恐れがあります。
また、吸気系などからエンジン内部に水が入ってしまった場合には、エンジンをかけることでシリンダー内に侵入した水によってピストンが圧縮しきれずに、コンロッドが曲がり破壊してしまう「ウォーターハンマー現象」を起こしてしまい、エンジンの故障につながってしまいます。最悪エンジンを交換しないといけない可能性も…。
移動時の危険や後々の修理の事を考えると、冠水した車の移動は専門業者に依頼するのが安心ですが、通行の妨げになるなど、やむを得ず移動が必要な場合はシフトレバーをニュートラルにして、手で押して移動させましょう。レッカーなどは加入している任意保険で対応できる場合がありますので、加入条件を見直してみてください。
どれくらいの水位までなら冠水しても大丈夫?
大前提として、冠水した道路には侵入しないでください。車が冠水・浸水すると、前述の様なトラブルの原因となりますので、冠水した道路に遭遇した場合は迂回するようにしましょう。
車はある程度の冠水・浸水を想定して設計されていますが、ドア部分の隙間やエアコンの吹き出し口などは、もともと気密性が高くありません。一般的にはマフラー口が一番低い位置(30cm程度)にあるため、それ以下の水位であれば走行に問題はないと言われています。
道路の縁石の高さは15cmのところが多いですので、冠水した道路を走行しなければならない場合、目安にするといいかもしれません。
車内に閉じ込められてしまったら?
冠水した道路を走行し、思ったよりも水深が深く途中で止まってしまった場合や、川や池に転落してしまった場合、水位が足が付く深さでドアが開けられる状況であれば、足元をしっかり確認しながら避難してください。路上ではマンホールが外れている場合もありますし、川や池であれば急に深くなっている場合もありますので、足先には細心の注意が必要です。
車が60cmほど水没してしまうと、ドアを開けるのが困難になります。スライドドアでも水圧が強くかかると開けられないこともあります。水面より高い位置に窓がある場合は、窓を開けて脱出しましょう。仰向けの状態になると脱出しやすくなります。
電気系統がショートして、パワーウィンドウが作動しない場合は、脱出用ハンマーで窓を割って脱出しましょう。窓ガラスが割れないときは、車内にある程度水が入るまで待ちます。不安に感じると思いますが、外の水圧と車内の水圧の差が小さくなると、ドアが開けやすくなります。それでも通常より重いですので、手ではなく足で蹴り開けた方が良いでしょう。
フロントガラスとサイドガラスの違い
フロントガラスは合わせガラスとなっており、間に中間膜というものが挟み込まれているため割れにくいです。しかし、サイドガラスは強化ガラスのため、フロントガラスに比べて割れやすく、細かく砕けるので脱出するにも安全です。ガラスを割って脱出する時は必ずサイドガラスを割るようにしましょう。
冠水した車、修理できるの?
修理できるかどうかは、車の形状・水の種類・浸水の深さによって判断されます。最近メジャーとなっているハイブリット車の多くは、トランクルームの下やフロアの下にハイブリットシステムやバッテリーが配置されているため、浅い浸水であったとしても修理が高額になるケースがあります。
また、海水が浸水した場合は、部品を交換してもその周りに付着した塩分によって徐々に腐食が進み、何年も経ってからトラブルを引き起こすなんて事もあります。フロアマットやシートの様なファブリック製品などは雑菌の温床となり、しっかり洗浄・乾燥させないとカビ・異臭の原因となります。冠水した車は、洗浄・乾燥させる個所が多いため、修理費用も期間も通常より掛かってしまいます。修理するかどうかの判断は自分だけでせず、必ず修理業者と相談して判断しましょう。
冠水した車でも売れるの?
冠水した車でも、売ることは可能です。
もちろん車種や年式や走行距離などが関係しますが、中古車としての流通は難しくても、パーツとしての流通価値があったり、海外で需要があったりする車もあります。解体する前に一度、廃車や事故車の買取業者に連絡し、見積もりをしてもらうのがいいでしょう。
まとめ
車が冠水・浸水した場合の注意点を紹介しました。
自分の車が冠水・浸水するというケースは、頻繁に起こる事ではないと思います。
また、周囲にもそんな経験をされた方も少ないため、いざその場面に直面した時に、誰に聞いたらいいか、どうしたらいいか分からない…なんて事になるのではないでしょうか?
冠水・浸水に直面した時のトラブル回避や被害を最小限に抑えられるよう、この記事を参考にしてみてください。

この記事の監修者
澤井 勝樹
「株式会社はなまる」監査役。1975年生まれ。10年近く会計事務所で経理総務全般の経験を積みながら、税理士、行政書士登録。その後、IT系ベンチャー企業のIPOの準備に携わるなど活動。現在はインターネットとクルマの可能性を世の中に伝えたいとソコカラコラムを執筆中。家族・食べること・愛車のセレナが大好き。おもに廃車の手続きや税金に関するコラムを執筆している。
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