- 2022.08.19
車の持ち主が死亡した場合の廃車手続きについて
所有者が死亡した時点で、車は相続人全員の共有財産となります。相続人のうちの1名(未成年を除く)が代表して永久抹消登録(廃車)の手続きをすることができます。
本記事では、車の持ち主が死亡した場合の廃車手続きを紹介します。

相続人の中から代表者一人が永久抹消登録(廃車)申請する
自動車の所有者が死亡した場合、死亡した時点で、車の状態にかかわらず、家族などの相続人全員の共有の財産となります。廃車することができるのは原則的には所有者本人のみのため、廃車にするには相続人の誰かがいったん相続しなければなりません。
相続した車を永久抹消(廃車)にする場合は財産の処分行為ではないため、相続人の代表者一人(未成年を除く)が申請を行うことができます。
廃車申請をする時の注意点
車の持ち主が死亡し、相続人の代表者が廃車申請をする際は、いくつか気をつけておかなければならないことがあります。
ここでは、廃車申請時の注意点を4つ紹介します。
相続人の範囲
廃車にするには相続人のうちの代表者一人(未成年を除く)が申請者となり、廃車の手続きをします。この場合の相続人とは第一順位が直系卑属「子・孫」、第二順位は直系尊属「父母・祖父母」、第三順位は兄弟姉妹です。
使用していた人の名義
車が死亡した所有者の名義であるかどうかを必ず確認してください。所有者名義でないと廃車手続きはできません。ローンが残っている場合など所有者名義が第三者になっていることがあります。その場合は「相続人」がローンを支払わなければいけません。ローンの清算が済まないと所有権が解除できず廃車手続きはできません。売却する場合についてもいったん相続人のうちの誰かに相続をし、名義変更をしなければ売却はできません。
廃車手続きは年度末まで
年度末までに移転登録(名義変更)や抹消登録(廃車手続き)をすると翌年度分の自動車税はかかりません。
廃車手続き前に解体業者へ
廃車とは「永久抹消登録」を指します。これは自動車を処分し自動車登録を完全に抹消する手続きです。車自体の審査などを行うことはありませんので処分する車は解体業者などに解体処理を頼みナンバープレート(前後2枚)と記録をもらいます。その後に必要書類をそろえて所有者の住所の管轄の陸運支局に手続きに行きます。
廃車に必要な情報と書類
ここでは、廃車手続きに必要となる情報と書類を紹介します。
「移動報告番号」と「解体報告記録がなされた日」
先に解体業者などに頼み、車の解体処理を行い「移動報告番号」と「解体報告記録がなされた日」を業者から取得しておきます。メモ書きで構いません。
自動車車検証
車の車検証を準備しましょう。保管場所は人によりますが、車の中で保管しているケースなども多いようです。
ナンバープレート前後2枚
解体の際に取り外したナンバープレートを解体業者から受け取っておきます。しっかり保管しておいてください。
戸籍謄本(除籍謄本)・戸籍の全部事項証明書
所有者の死亡の事実が確認できる書類です。死亡の確認が取れない場合は「除籍謄本」が必要です。その場合、相続人全員が確認できるもの(戸籍の全部事項記載証明書)を用意しておきましょう。
申請者の印鑑証明書(発効後3ヵ月以内のもの)
申請者の居住地の役所で発行します。発行後3ヵ月以内である必要があるため、手続きを行うタイミングに合わせて発行しておきましょう。
申請者の実印または委任状(申請者本人が来られない場合、申請者の実印を押したもの)
申請者本人が来られる場合は実印、申請者本人が手続きに来られない場合は申請者の実印を押した委任状が必要になります。[注1]
[注1]
申請者の銀行等の預金口座内容
車検が1ヵ月以上残っている場合は自動車重量税の還付金を受け取ることができるので、申請者の銀行等の預金口座内容が必要です。車検の残りが1ヵ月未満の場合は不要です。
抹消登録証明書が交付され手続き完了
抹消登録申請書(第3号様式の3)[注2]や手数料納付書などは陸運事務所の販売所にて取得します。
必要書類とナンバープレートを管轄の運輸支局陸運事務所[注3]に提出し、永久抹消登録(廃車)を行います。
抹消登録証明書が交付されたら、抹消登録手続きは完了です。
[注2]国土交通省:自動車重量税還付申請書(第3号様式の3)
軽自動車の廃車手続き
軽自動車の場合は相続の必要がありません。車検証・新しい所有者の住民票・印鑑のみで廃車手続きができます。
車の名義を廃車手続きを行う方に変更して、通常通り廃車手続きを進めましょう。
【まとめ】
車の持ち主が死亡したら、所定の手続きで廃車手続きを進めよう
普通自動車の所有者が死亡した場合、所有者の名義である事を確認し、相続人の中から代表者一人(未成年を除く)が廃車の申請手続きをすることが可能です。
手続きの開始前に解体業者に依頼し、引き取ってもらい、ナンバープレートと必要書類を用意し、陸運支局に届け出ると抹消登録証明書が交付されます。

この記事の監修者
浅野 悠
「株式会社はなまる」小売事業部 事業部長。1987年東京都生まれ。小学生から大学生までの間レーシングドライバーを目指し数多くの大会に出場。20代で飲食店経営に携わったのち、野菜配達の仕事に就くも、幼少期からの車への魅力を忘れられず自動車業界へ。中古車査定士の資格を取得し、自動車に関する豊富な知識をもとに、おもに車に起きるトラブルの対処法や車の豆知識に関するコラムを執筆。
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