- 2024.11.01
自損事故の修理代で車両保険を使うことはできる?相場についても紹介
車を運転している際に、自分の不注意や一瞬の判断ミスで起こる自損事故は誰にでも起こりうるものです。自損事故は、相手がいないため直接的なトラブルは少ないものの、車に生じた損傷に対する修理代が大きな負担となることが少なくありません。
自損事故に遭ったとき、真っ先に考えるのは「車両保険が適用されるのか?」ということです。自損事故は他人を巻き込まないため、保険の適用や修理費用の負担について悩むことが多く、特に保険を使うべきかどうかの判断が難しいかもしれません。
本記事では、自損事故における修理代に関するさまざまな観点から、車両保険の使用について詳しく解説します。自損事故の修理代や保険を使用する際の注意点、さらには修理先の選び方まで詳しく解説しますので、是非参考にしてください。

自損事故とは
自損事故とは、自分の車が他の車や人に接触することなく、自分の操作ミスや不注意によって車が損傷する事故のことを指します。たとえば、運転中に車をガードレールや縁石にぶつけてしまう、駐車場で壁や柱に接触してしまう、または滑りやすい路面で制御を失い、結果として車が損傷するなどの事故が典型的な例です。
自損事故は他者への損害を伴わないため、法的な問題やトラブルになることは少ないものの、運転者自身が修理費用を全額負担しなければならないという経済的な負担があります。また、事故後に車両保険を使用するかどうかを検討する際には、今後の保険料の上昇や等級の低下などのリスクも考慮しなければなりません。
こうした自損事故は、運転者のミスに起因することが多い一方で、悪天候や道路の状況も事故の原因となることがあります。例えば、大雨や雪の日には視界が悪くなり、ブレーキの効きが悪くなることで、予期せぬ衝突が発生する可能性が高まります。したがって、自損事故は誰にでも起こりうるリスクがあるものであり、日常的に運転する中で備えておくことが大切です。
自損事故の修理代で車両保険は使える?
自損事故が発生した際に、まず考えるべきは修理費用がどれくらいかかるのか、そしてその費用をカバーするために車両保険を使うべきかどうかということです。結論から言えば、自損事故でも車両保険を使って修理代をカバーすることは可能です。ただし、車両保険の種類や契約内容によって、補償範囲や適用条件が異なるため、しっかりと確認しておく必要があります。
状況に応じて補償される
車両保険には「一般型」と「エコノミー型」など、複数のタイプがありますが、それぞれ補償範囲が異なります。一般型の車両保険は、自損事故に対しても幅広く補償が行われるため、基本的にどのような事故でも修理代がカバーされます。しかし、エコノミー型の場合は、補償範囲が限られており、主に第三者との事故を対象としているため、自損事故では保険が適用されないケースが多いです。
自損事故が発生した場合、自分の保険契約の内容を確認し、事故の状況に応じて保険が適用されるかどうかを判断する必要があります。特に、自損事故でも物損事故が絡んでいる場合や、道路の付属設備を破損した場合には、別途対物賠償保険が適用されることもあるため、保険会社に相談することが大切です。
エコノミーの場合
エコノミー型の車両保険は、保険料が比較的安価である代わりに、補償範囲が限定されています。通常、このタイプの保険は、相手がいる事故に対してのみ適用されるため、自損事故は保険の対象外となる場合がほとんどです。例えば、自分の運転ミスでガードレールに衝突したり、駐車場で柱に接触してしまった場合、修理費用は自己負担となる可能性が高いです。
エコノミー型保険に加入している場合、自損事故に対する補償がほとんどないため、修理費用が高額になると負担が大きくなります。このため、エコノミー型保険を選ぶ際には、自損事故時にどのように対応するか、修理代をどのように工面するかを考えておくことが大切です。
関連記事:自損事故の修理代はどのくらい?車両保険を使うことはできる?
物損事故の場合
自損事故が物損事故を伴う場合、例えば、自分の車がガードレールや電柱、他者の財物に損害を与えた場合には、対物賠償保険が適用されます。この場合、自分の車の修理費用については車両保険の補償対象となりますが、対物賠償保険で他者の財物への損害賠償が行われます。
物損事故は、他者の財産を破壊するため、事故状況を正確に伝えることが大切です。特に、物損事故に該当する場合、警察への報告が必要な場合もあるため、迅速に対応することが求められます。
自損事故の修理代で車両保険を使う場合の注意点
自損事故で車両保険を使うことができる場合でも、いくつかの注意点があります。保険を利用することで発生するデメリットやリスクも考慮した上で、慎重に判断することが重要です。
等級が下がる
自損事故で車両保険を使用した場合、等級制度の影響により翌年以降の保険料が上がる可能性があります。等級制度とは、無事故の期間が長いほど保険料が安くなる仕組みで、事故を起こして保険を利用すると、その等級が下がり、保険料が上昇します。
このため、自損事故による修理費用が比較的少額であれば、等級の低下による将来的な保険料の負担を考慮し、保険を使わずに自己負担で修理する方が得策な場合もあります。
特に、軽微な損傷の場合、保険を使うことで等級が下がり、結果として数年間にわたって保険料が高額になることを避けたい場合があります。保険を利用するかどうかの判断は、修理費用と保険料の将来的な増額を比較して決定することが大切です。
修理費用は業者によって異なる
修理費用は、依頼する修理業者によって大きく異なります。同じ事故や損傷でも、ディーラーでの修理と街の整備工場での修理は、価格にかなりの差が出ることがあります。ディーラーはメーカー純正部品を使い、メーカー指定の技術基準で修理を行うため、費用が高額になることが多いですが、信頼性や品質が保証されています。
一方、街の整備工場は、ディーラーと同等の技術を持っている場合もありながら、コストが抑えられることが多いです。特に、車両保険を使わずに修理を行いたい場合には、整備工場の方が経済的に有利な場合があります。ただし、整備工場の選定には、評判や技術力を十分に調査することが大切です。
また、保険を使う場合でも、保険会社が提携している修理業者で修理を行うことで、修理費用の一部を抑えることができる場合があります。保険会社が指定する修理業者は、保険適用範囲内で効率的な修理を行うことが一般的です。
自損事故の修理代相場
自損事故による損傷の程度は、事故の種類や場所によって異なり、その結果、修理費用もさまざまです。以下では、典型的な自損事故における修理費用の相場について、損傷の程度ごとに解説します。
軽度な傷
軽度な擦り傷や小さなへこみ、塗装の剥がれなどの損傷の場合、修理費用は比較的低額で済むことが多いです。小さな傷や塗装の補修であれば、数千円〜1万円程度で修理できる場合があります。このような軽微な損傷の場合、保険を使わずに自己負担で修理する方が、長期的には経済的な選択となることが多いです。
凹んでいる場合
車のボディがへこんでしまった場合、修理費用は凹みの大きさや場所によって異なります。軽度のへこみであれば1万〜5万円程度で修理可能ですが、大きなへこみや複数箇所にわたるへこみの場合、10万円以上かかることもあります。特にドアやボンネットなど、外見的に目立つ部分のへこみは、修理に手間がかかるため、費用が高額になることがあります。
エンジンの損傷
エンジンに損傷がある場合、修理費用は非常に高額になる傾向があります。エンジンの修理や交換には数十万円〜100万円以上の費用がかかることもあり、特にエンジンが機械的に故障した場合や、事故によってエンジン内部に深刻な損傷が生じた場合には、修理費用が車の時価額を超えることもあります。こうしたケースは、車両保険を利用するか、車自体を買い替える判断が必要です。
フレームの損傷
車のフレームが損傷している場合、その修理費用はさらに高額です。フレームは車の骨格となる部分であり、その修理には専門的な技術と機材が必要です。修理費用は100万円を超えることもあり、フレームが損傷している場合は、修理ではなく車の買い替えを検討するケースも多く見られます。特に、事故による衝撃が大きい場合には、フレーム修理が必要になることが一般的です。
自損事故で修理代が変動する要因
自損事故による修理代は、いくつかの要因によって変動します。損傷箇所、損傷の深刻さ、車種、修理に必要な作業工程などが修理費用に大きな影響を与えます。
故障の箇所
修理費用に最も大きく影響するのは、車のどの部分が損傷したかです。例えば、外部の軽微な擦り傷やへこみであれば修理費用は比較的少額に抑えられますが、エンジンやトランスミッション、ブレーキシステムなど、車の機能に関わる重要な部品が損傷した場合は、修理費用が高額になることがあります。損傷箇所がどこかによって、修理費用の目安は大きく異なります。
損傷の程度
損傷が軽度であれば修理費用は少額で済みますが、損傷が深刻である場合や複数箇所にわたる場合には修理費用が急激に増加します。例えば、小さな凹みや擦り傷ならば数万円程度で修理可能ですが、大規模な衝突によるボディ全体の損傷や、内部の電子機器にまで影響が及ぶ場合には、修理費用は10万円を超えることが一般的です。
車種
車の修理費用は、車種によっても大きく異なります。一般的に、輸入車や高級車の修理は、国産の大衆車に比べて費用が高くなる傾向にあります。輸入車の場合、部品の調達に時間がかかるだけでなく、部品自体が高価なため、修理費用が大幅に増加する要因です。また、高級車の修理には特殊な技術が必要なことが多く、その点でも修理費用がかさむ要因となります。
修理の工程
修理に必要な工程や作業の複雑さも、修理費用に影響します。例えば、単純な部品交換や塗装の修復で済む場合と、フレーム修正やエンジン分解が必要な場合は、修理にかかる時間やコストが大きく異なります。特に、高度な修理技術が求められる作業は、費用が高額になりがちです。
自損事故の修理先は?
自損事故による修理をどこで行うかも、修理費用や修理の品質に大きな影響を与えます。修理先には主にディーラー、街の整備工場などがありますが、それぞれにメリットとデメリットがあります。
ディーラー
ディーラーでの修理は、車のメーカー純正部品を使い、専門的な技術で修理を行うため、修理の品質や信頼性が高いというメリットがあります。特に、新車や高級車の場合、ディーラーでの修理が望ましいでしょう。しかしその分、修理費用が高額になることが一般的です。保険を使わない場合、ディーラーでの修理費用は大きな負担となる可能性があるため、保険を使わない修理を検討する際は慎重に選ぶ必要があります。
整備工場
街の整備工場での修理は、ディーラーに比べて修理費用が安く抑えられることが多いです。整備工場でも高い技術を持つ業者が多く、ディーラーと同等の修理品質を提供している場合も少なくありません。特に、保険を使わずに自己負担で修理を行う場合には、コストパフォーマンスが高い整備工場を選ぶことが有効な選択肢となるでしょう。
修理をしないのも一つの手
自損事故は、必ず修理が必要ではありません。修理費用が高額になる場合や車両保険が適用にならない場合は、買換を検討するのも一つの手でしょう。また、損傷が大きい場合は廃車買取業者に査定してもらうことで、高額査定になるケースも珍しくありません。そのため、自損事故で修理代が高額な場合や車両保険が使用できない場合は、買換も検討すると良いでしょう。
まとめ
自損事故は、予測不可能な状況で発生することが多く、運転者にとって大きな負担となることがあります。自損事故後の修理費用や車両保険の利用については、慎重な判断が求められます。修理代は、損傷箇所や車種、修理工程によって大きく異なり、保険を使うことで等級が下がるリスクもあるため、費用と保険料のバランスを考慮して決定することが大切です。
また、修理先の選択も大切なポイントです。ディーラーや整備工場、それぞれの特徴を理解した上で、最適な修理先を選ぶことが求められます。最終的には、車両保険の適用範囲や自己負担の金額をしっかりと確認し、自損事故に対する適切な対応を取ることが大切です。
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この記事の監修者
浅野 悠
「株式会社はなまる」小売事業部 事業部長。1987年東京都生まれ。小学生から大学生までの間レーシングドライバーを目指し数多くの大会に出場。20代で飲食店経営に携わったのち、野菜配達の仕事に就くも、幼少期からの車への魅力を忘れられず自動車業界へ。中古車査定士の資格を取得し、自動車に関する豊富な知識をもとに、おもに車に起きるトラブルの対処法や車の豆知識に関するコラムを執筆。
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