- 2022.06.27
廃車の自動車保険の手続き方法は?
事故や故障で廃車にせざるを得なくなったときは、加入していた自動車保険の解約や車両入替の手続きを行う必要があります。
しかし、自動車保険の手続きを行う機会はなかなかないため、どのように手続きをすればいいかわかりにくいと感じる人もいるでしょう。
この記事では、廃車にするときの自動車保険の手続き方法を紹介します。
保険の種類や乗り換えの有無で手続き方法は変わるので、それぞれのポイントをしっかりと見ていきましょう。

廃車にするときの自賠責保険の手続き方法
自賠責保険(正式名称:自動車損害賠償責任保険)とは、すべてのドライバーに加入を義務付けられている対人賠償をカバーする保険です。
廃車の際は、基本的に必ず自賠責保険の手続きを行わなければいけません。
まずは、自賠責保険の手続き方法を紹介します。
1.解約手続きを行う
自賠責保険は、契約している保険会社で解約手続きを行います。
解約の手続きは、保険会社の窓口に直接出向くか郵送で行うことが可能です。
まずは電話で保険会社に問い合わせて、手続きしやすい方を選びましょう。
自賠責保険の解約で必要になる書類は以下のとおりです。[注1]
- 本人確認書類
- 自賠責保険証明書
- 自動車損害賠償責任保険承認請求書
- 廃車したことが確認できる書類
廃車が確認できる書類は、運輸支局などで手に入る登録事項等証明書、解除事由証明書、一時抹消登録証明書などのことを指します。
なお、ケースによっては自賠責保険の車両入替手続きもできます。
しかし、廃車がすでに完了していることや同一名義であること、車検の有効期限よりも自賠責保険の期間が長いことなど条件が多いため、一度解約してから加入し直すのが一般的です。
(参照 2021-01-28)
2.保険料の還付を受ける
自賠責保険の残り期間が1カ月以上ある場合は、解約時に保険料の還付を受けることができます。
自賠責保険は車検のときに一括で支払うことが一般的なので、先払いした保険料のうち残っている期間は還付を受けられます。
解約時に振込先の口座を知らせるケースがほとんどなので、口座番号がわかる書類を必ず用意しておきましょう。
手続きをすれば、数日で保険料が還付されます。
廃車にするときの任意保険の手続き方法
任意保険とは、自賠責保険では対応できない賠償金をカバーするための自動車保険です。
対人だけではなく、運転手や同乗者、車両、対物などあらゆる補償に対応しています。
任意保険の手続き内容は乗り換えの有無によって異なりますが、基本的には契約者の申し出があれば簡単に解約可能です。
ここでは、3つのケースに分けて手続きの方法を紹介します。
1.すぐにほかの車に乗り換える場合
今の車を廃車にしてすぐにほかの車へ乗り換える場合は、車両入替の手続きを行います。
契約内容や等級を引き継ぐことが可能なので、納車日までに必ず手続きをしておきましょう。
ただし、乗り換える車によっては保険料が変わる可能性があります。
保険会社ごとに保険料や車両入替の条件が異なるため、一度問い合わせて確認しておきましょう。
2.すぐには乗り換えない場合
すぐに乗り換えるわけではないが、いつか車に乗る予定がある場合は中断の手続きが必要です。
中断とは等級を最長10年間保存しておき、将来乗り換えをするときにそのまま引き継ぐ手続きのことです。
この場合は、保険会社に問い合わせて中断証明書を発行してもらいましょう。
中断証明書がないと、次回自動車保険に加入するときに保険料が高い6等級から契約を開始しなくてはいけなくなります。
なお中断証明書の発行には、保険会社ごとに一定の条件が設けられています。
また、別の保険会社でも等級を引き継いで契約することは可能なので、必ずしも同じ保険会社を利用する必要はありません。
中断証明書は配偶者や同居する親族が使用することも可能です。
今後家族が車を運転する可能性がある場合も、中断証明書を取得しておくとお得に自動車保険を利用できるでしょう。
3.今後車に乗らない場合
廃車を機に車の運転をやめるときは、解約手続きを行いましょう。
廃車日が決まっている場合は、その日に合わせて契約を解除する先付け解約という仕組みを利用すると便利です。
車を廃車にしても、手続きをしない限りは保険料がかかり続けるので、早めに保険会社に電話して解約希望日を伝えてください。
特に自動更新の手続きを行っている場合は、廃車後も契約が更新され続けてしまうおそれがあるため、注意が必要です。
保険料を一括払いしている場合は、保険会社の判断により返金を受けられるケースもあります。
廃車に伴う自動車保険の手続きをするときの注意点
廃車に伴って自動車保険の手続きをするときは、必ず早めの行動を心がけましょう。
自動車保険は日割り計算が適用されないため、解約が遅れてしまえば、余分に1カ月分の保険料がかかります。
また乗り換えの場合に手続きが間に合わなければ、無保険で新しい車を運転しなければなりません。
万が一、無保険の車で事故を起こすと、莫大な損害賠償金を自分で支払う可能性があり、非常にリスクが高いです。
いつまでに解約したいのか、いつまでに新しい車に保険を適用させればいいのか、しっかりとスケジュールを確認して計画的に手続きを行うようにしてください。
【まとめ】
車を廃車するときは自動車保険の手続きも必要
車を廃車にするときは、必ず自動車保険の手続きを行わなくてはいけません。
自賠責保険は解約を、任意保険は車両入替または中断、解約を行い、残りの保険期間に応じた保険料の還付を受けましょう。
少し手間ですが、自動車保険の手続きは自分で行う必要があります。
廃車にしたからといって自動的に切り替わることはないので、解約時期や新しい車の納車時期に合わせてしっかりと手続きを済ませてください。

この記事の監修者
浅野 悠
「株式会社はなまる」小売事業部 事業部長。1987年東京都生まれ。小学生から大学生までの間レーシングドライバーを目指し数多くの大会に出場。20代で飲食店経営に携わったのち、野菜配達の仕事に就くも、幼少期からの車への魅力を忘れられず自動車業界へ。中古車査定士の資格を取得し、自動車に関する豊富な知識をもとに、おもに車に起きるトラブルの対処法や車の豆知識に関するコラムを執筆。
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