- 2024.10.23
【2024年10月最新】OBD検査とは?OBD車検との違いや手順を図解入りで解説
2024年10月より、新たな車検制度としてOBD検査が導入されます。この記事では、OBD検査の概要、対象車両、検査内容、そしてスムーズな車検対応に必要な情報を分かりやすく図解入りで解説します。OBD検査とは何か、ユーザー車検への影響、故障診断コード(DTC)の意味、便利なアプリやツールまで、疑問を解消し、安心して車検に臨めるようサポートします。
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2024年10月からのOBD検査とは?概要と影響
OBD検査の概要
OBD検査とは、On-Board Diagnosticsの略で、運転支援技術の電子制御装置の動作をチェックする検査のことです。このシステムは、排気ガス排出量に影響を与える可能性のある様々なセンサーからデータを取得し、異常を検知すると故障診断コード(DTC)を記録します。検査官は専用の機器を使って車両のコンピューターにアクセスし、このDTCを読み取ることで、車両の状態を判断します。従来の目視検査に加え、この客観的なデータに基づいた検査を行うことで、より精度の高い検査を実現します。
OBD検査の導入背景
近年、自動ブレーキや車間距離制御システムといった運転支援システムの誤作動による深刻な交通事故が後を絶ちません。従来の車両検査では、これらのシステムに搭載された電子制御装置の機能検査が十分に実施されていませんでしたが、OBD検査の導入により、電子的な検査が可能となり、装置の不具合を早期に発見できるようになりました。
OBD検査の影響
OBD検査の導入により、ユーザーにとって最も大きな影響は、車検の合格基準が厳格化される点です。早期に不具合を発見できることで、深刻な故障や事故を未然に防ぐ効果も期待できます。適切なメンテナンスを心がければ、OBD検査は決して脅威ではなく、安全で安心なカーライフを維持するための有効な手段となるでしょう。
OBD検査のスケジュール
2023年(令和5年)10月より1年間、「OBD検査」のプレ運用期間となり、2024年(令和6年)10月より「OBD検査」の本格的に運用が始まります。
OBD点検との違い
OBD点検は2021年10月1日より、自動車の故障やトラブルの未然防止、性能の維持を目的として行う定期点検の項目として追加された「車載式故障診断装置の診断の結果」の点検のことを言います。自動車の年式等に関わらず、車載式故障診断装置が搭載されている自動車は、すべてOBD点検の対象となります。
出典:「車載式故障診断装置の診断の結果」の点検(OBD 点検)に関するよくある質問 – 国土交通省
対象車両と検査項目
それでは、対象となる車両と検査項目について解説していきます。
対象車両
OBD検査の対象車両は、国産車と輸入車で基準が異なります。国産車の場合は、2021年10月1日以降に発売された新型車で、フルモデルチェンジされた乗用車、バス、トラックが対象です。一方、輸入車の場合は、2022年10月1日以降に発売される新型車のフルモデルチェンジ車(乗用車、バス、トラック)が対象となります。ただし、車検証に「OBD検査対象車」と記載されていても、法律や条例に基づく例外規定により、検査が免除される場合がありますのでご注意ください。
検査項目
OBD検査では、車両に搭載されているOBDシステムから取得したデータを基に、様々な項目がチェックされます。主な検査項目として、排気ガスの排出量に関する項目が挙げられます。具体的には、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)などの排出量などが測定され、基準値を超えている場合は不合格となります。その他、酸素センサーや触媒コンバーターなどの排気ガス浄化システムの機能も検査対象となるため、これらの部品の劣化や故障もチェックされます。これらの検査項目は、環境規制の強化に伴い、今後さらに厳しくなる可能性もあります。
さらに、検査項目は車両の種類や年式によっても異なる場合があります。ガソリン車とディーゼル車、ハイブリッド車など、それぞれの車両特性に合わせた検査項目が設定されています。そのため、ご自身の車両がどの程度の検査を受けるのかを事前に確認しておくことが重要です。車検前に整備工場などで点検してもらうことで、検査項目への対応をスムーズに行うことができます。
検査項目の詳細
- 排気ガスの排出量(CO、HC、NOx)
- 酸素センサーの機能
- 触媒コンバーターの機能
- その他の排気ガス浄化システムの機能
これらの項目は、車両の環境性能と安全性を確保するために非常に重要です。OBD検査では、これらの項目を厳格にチェックすることで、環境問題への対応と安全な自動車社会の実現に貢献します。日頃から車両のメンテナンスを怠らず、万全の状態で車検に臨むことが大切です。
OBD検査とユーザー車検の関係性
OBD検査がユーザー車検に及ぼす影響
2024年10月からのOBD検査導入は、自分で車検を行うユーザー車検にも大きな影響を及ぼします。従来のユーザー車検では、検査官による目視検査が中心でしたが、OBD検査の導入により、車両のコンピューター診断データに基づいた検査が必須となります。そのため、ユーザー自身による検査の難易度が上昇し、専門知識や専用機器が必要となるケースが増加することが予想されます。今まで通りにユーザー車検を行うには、新たな知識と技術の習得が不可欠です。
ユーザー車検におけるOBD検査の実際
ユーザー車検でOBD検査を受ける場合、検査官は車両のOBDポートに専用の診断機を接続し、故障診断コード(DTC)の有無や排出ガス関連データなどを確認します。検査に合格するためには、事前に車両のメンテナンスを行い、DTCが表示されていない状態にする必要があります。そのため、ユーザーは、故障診断コードの確認方法や対処方法についての知識を習得する必要があるでしょう。また、検査機器の扱い方についても理解する必要があります。整備工場で点検を受けるなど、事前に準備をしっかり行うことが重要です。
OBD検査とユーザー車検の今後の展望
OBD検査の導入により、ユーザー車検のハードルが上がる一方、検査の客観性と公平性が向上すると期待されています。環境問題への意識の高まりから、より厳格な検査体制が求められていることを踏まえると、この流れは今後ますます加速していくでしょう。ユーザーは、OBD検査に対応できるよう知識・技術を習得するか、整備工場に依頼するなど、適切な対応を検討する必要があります。ユーザー車検の継続を希望する方は、時代の流れに合わせた準備を怠らないようにしましょう。
関連記事:【初心者必見】ユーザー車検のやり方は?ユーザー車検を行うメリット・デメリット
OBD検査をの必須準備とシステムの登録方法
OBD検査をスムーズに進めるためには、事前の準備が不可欠です。万全の準備で検査に臨みましょう。以下に、準備すべきポイントを分かりやすくまとめました。
OBD検査システムとOBD検査ポータルの準備
自社でOBD検査を実施するには、まず「OBD検査システム」への登録が必須です。認証工場でOBD検査と同等の確認(OBD確認)を行う場合も、同様の手続きが必要です。 「OBD検査システム」の利用開始に向けた申請や登録、そして登録後の検査実施手順については、「OBD検査ポータル」ウェブサイトでご確認ください。詳細な情報が掲載されていますので、ご活用ください。OBD検査対象車両を検査場に持ち込む際に、「OBD検査システム」の利用申請を省略したい場合は、検査場にて直接OBD検査を実施いたしますので、申請は不要です。
検査用スキャンツールの準備をする
自動車の健康診断ともいえるOBD検査には、国家基準をクリアした専用の検査機器、「検査用スキャンツール」が欠かせません。このツールは、日本自動車機械工具協会のウェブサイトで確認できる機種が適合しますので、検査前にご確認ください。
■参考:一般社団法人日本自動車機械工具協会 https://www.jasea.org/
特定DTC照会アプリの準備をする
OBD検査には、Windows対応の「特定DTC照会アプリ」を使用します。そのため、Windows搭載のPCまたはタブレットが必要です。アプリの利用には、インターネット接続(有線・無線どちらでも可)が必須です。なお、具体的な準備手順は検査用スキャンツールのメーカーによって異なるため、詳細は販売店にお問い合わせください。
OBD検査の手順
画像出展元:自動車:車載式故障診断装置を活用した自動車検査手法のあり方検討会 – 国土交通省 (mlit.go.jp)
国土交通省の情報を元に、OBD検査の流れについてまとめたので参考にしてください。
- 法定スキャンツールを車のOBDコネクタに接続し、「特定DTC照会アプリ」を起動する
- 車検証QRコードや電子車検証の読み取りから、車両の情報を入力します
- 検査する車両の情報を、機構サーバーに通信します
- 機構サーバーが提出するECUに基づいて、DTCがないかチェックします
- 車両からDTC情報を読み出して、機構サーバーに送信します
- 機構サーバーが「特定DTC」リストと照合します
- 「特定DTC」が見つかったかどうかの判断を、法定スキャンツールに送信します
もし「特定DTC」が検出された場合、それは自動運転システムの故障を示唆します。システムの故障は、走行中の予期せぬ動作不良や暴走といった危険な事態を招き、重大な事故につながる可能性が非常に高いため、決して軽視できません。そのため、直ちにディーラーや整備工場に連絡し、点検と修理を依頼することが不可欠です。
OBD検査に関するよくある質問
OBD検査は義務ですか?
2024年10月から開始されたOBD検査は、現時点では義務ではありません。しかし、将来的には、ユーザー車検など、様々な場面で必要となる可能性があります。定期的なメンテナンスの一環として、OBD検査を実施することをおすすめします。
OBD検査はどこで受けられますか?
OBD検査は、指定整備工場や、ユーザー車検を行う場所など、OBDスキャナーを備えている場所で受けることができます。アプリや診断機を利用して自身で検査することも可能です。ただし、専門的な知識が必要となる場合もあるため、不安な場合は整備工場などに相談することをおすすめします。
OBD検査にかかる費用は?
OBD検査にかかる費用は、検査場所や内容によって異なります。アプリや診断機を使用する場合は、ツールの購入費用と、通信費用などが発生する可能性があります。指定整備工場などに依頼する場合は、検査費用が発生します。費用については、事前に確認することをおすすめします。
OBD検査で問題が見つかった場合、どうすればいいですか?
OBD検査で問題が見つかった場合は、原因を特定し、修理を行う必要があります。アプリや診断機で表示されるDTC(故障診断コード)を参考に、問題点を特定することができます。しかし、専門的な知識が必要な場合もあるため、整備工場などに相談することをおすすめします。早期発見、早期修理が、安全な運転につながります。
OBD検査の頻度は?
OBD検査の頻度は、車両の状態や使用状況によって異なります。定期的なメンテナンスの一環として、年に一度程度の検査をおすすめします。異常が見つかった場合は、より頻繁な検査が必要となる場合があります。日頃から車両の状態に気を配り、必要に応じて検査を行うことが重要です。
OBD検査で確認できる項目は?
OBD検査では、排気ガス関連の故障だけでなく、エンジン、トランスミッション、ブレーキなど、車両の様々なシステムの状態を確認できます。具体的には、酸素センサ、触媒コンバータ、点火システムなどの状態を調べることが可能です。これらのシステムに異常があれば、DTCとして表示されます。詳細な内容は、使用しているアプリや診断機によって異なる場合があります。
OBD検査とユーザー車検の関係は?
ユーザー車検においても、将来的にはOBD検査が必須となる可能性があります。現時点では必須ではありませんが、OBD検査で問題が見つかった場合、ユーザー車検に影響する可能性があるため、事前に検査を行うことをおすすめします。万が一、検査に不合格となった場合でも、早急な修理で対応できます。
OBDアプリや診断機は安全ですか?
OBDアプリや診断機を使用する際には、信頼できるメーカーの製品を選び、安全な使用方法を心がけることが重要です。運転中は操作を避けるなど、安全に配慮した利用が必要です。また、アプリや診断機の使用によって発生する可能性のある車両トラブルについては、自己責任となります。不明な点があれば、整備工場などに相談してください。
まとめ
OBD検査に関する疑問を解消できたでしょうか?OBD検査は、車の状態を把握し、安全な運転を維持するために役立つツールです。疑問点があれば、整備工場などに相談して、安全なカーライフを送りましょう。
2024年10月から始まるOBD検査。適合車両でない場合、車検に通らなくなる可能性も出てきます。車を安心して乗り続けたいなら、今のうちに車の状態をチェックしておくことが大切です。
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この記事の監修者
浅野 悠
「株式会社はなまる」小売事業部 事業部長。1987年東京都生まれ。小学生から大学生までの間レーシングドライバーを目指し数多くの大会に出場。20代で飲食店経営に携わったのち、野菜配達の仕事に就くも、幼少期からの車への魅力を忘れられず自動車業界へ。中古車査定士の資格を取得し、自動車に関する豊富な知識をもとに、おもに車に起きるトラブルの対処法や車の豆知識に関するコラムを執筆。
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