- 2022.05.24
ディーラーの廃車費用は高い!ディーラーでの廃車手続きの流れや廃車費用を安く抑えるコツについて解説
車を廃車にする際にディーラーに依頼しようと考えている人も多いことでしょう。しかし、ディーラーに依頼すると廃車費用が高額になってしまう場合があります。
本記事では、ディーラーで廃車を行う費用や具体的な流れについて、またディーラー以外の廃車の選択肢についても解説します。

ディーラーで廃車手続きを依頼するメリット
ディーラーに廃車手続きを依頼することで主に5つのメリットがあります。
・正規販売店ならではの安心感がある
・窓口が一つなので手続きが簡単
・廃車手続きを代行してもらえる
・価値が残っている場合、車を下取りに出せる
・旧車の引き下げと新車の納車を同時に行える
下記では、それぞれのメリットについて詳しく解説します。
正規販売店ならではの安心感がある
各自動車メーカーと特約契約を結ぶディーラーには正規販売店ならではの安心感があります。メーカーのブランドを背負うことから全てのサービスに品格があり、その信頼性の高さは大きな魅力です。また、修理や車検などで普段から付き合いのあるディーラーであれば、良好な関係を継続するため好条件で廃車を引き受けてもらえることも考えられます。
窓口が一つなので手続きが簡単
新車を購入する前提での話ですが、ディーラーで手続きを行えば、廃車の引き取り依頼から新車の購入までを、ひとつの窓口で一気に済ませられます。
ディーラーなら同じ場所で手続きを済ませられるため、非常に簡単で楽です。
廃車手続きを代行してもらえる
ディーラーへ廃車を依頼した場合、書類作成や陸運局への手続きなど必要な作業は担当者への一任が可能です。特に陸運局での廃車手続きは平日しか行えないため、スケジュール調整が難しい方にとっては大きなメリットと言えます。
価値が残っている場合、車を下取りに出せる
ディーラーならではのメリットが旧車の下取りです。下取りに出せば旧車処分と新車購入それぞれの手続きを同時に行えることに加え、旧車の下取り価格が新車の購入価格から割り引かれます。
旧車の引き下げと新車の納車を同時に行える
ディーラーで車を買い替えた場合、新車が納車されるタイミングで旧車の引き渡しができるため、車の入れ替えにタイムラグが発生しません。仕事や生活の都合で毎日車を使用される方であれば、車がないことで不便な思いをせずに済みます。
ディーラーで廃車手続きを依頼するデメリット
ディーラーで廃車手続きを依頼する際には主に3つのデメリットを受ける可能性があります。
・廃車の場合には実費負担が発生する
・査定額が付かなければ現金化できない
・廃車時の還付金を受け取れない場合がある
これらは主に金銭面の問題です。少しでもお得に廃車手続きを済ませたい方であれば他の方法を検討した方が良いかもしれません。下記では、それぞれのデメリットについて詳しく解説します。
廃車の場合は実費負担が発生する
ディーラーに廃車を依頼した場合、原則として実費負担が発生します。これはディーラーが廃車の解体やリサイクルを他社に外注するケースが多いためです。ディーラーへの廃車依頼はあくまで手続きの代行という意味合いが強く、車の処分に掛かる費用や作業の手数料は依頼者に請求されます。
廃車依頼で発生する費用はディーラーにより異なりますが、相場は20,000円〜60,000円です。主な内訳は以下をご覧ください。
・廃車手続き代行手数料(10,000円~30,000円)
・車の解体費用(10,000円~30,000円) ※車種、車の大きさにより変動
・レッカー移動費用(5,000円~30,000円) ※距離によって変動
査定額が付かなければ現金化できない
車の年式や状態によっては下取り査定で価格が付けられず、廃車と判断されるケースもあります。その際は当然ながら新車購入時の割引が発生しません。そのままディーラーで廃車するのであれば、逆に廃車費用を請求される可能性もあります。この場合は依頼者に金銭的なメリットがないため、他の処分方法を検討しましょう。
廃車時の還付金を受け取れない場合がある
ディーラーで廃車手続きを行う場合、廃車に伴い発生する税金の還付金が受け取れない場合があります。これはディーラーが廃車費用を割り引く代わりに依頼者が受け取るべき還付金を徴収するためです。ディーラーで廃車手続きを依頼する際は還付金の扱いを必ず確認しましょう。
なお、廃車時に還付金が発生する税金は以下のとおりです。
・自動車税
・自動車重量税(※永久抹消登録の場合)
・自賠責保険
ディーラーで廃車手続きする際の流れ
ディーラーで廃車手続きをする際には4つステップを踏むことになります。
・ディーラーと日程調整をする
・必要書類を準備する
・ディーラーに車を持ち込む、もしくは引き取ってもらう
・自動車税、自賠責、重量税の還付金を受け取る
下記では、それぞれのステップについて詳しく解説します。
ディーラーと日程調整をする
まずはディーラーに廃車する旨を伝え、引き取り日の日程を決定します。車を買い替える場合には、新車の納車日と引き取り日を一緒にすることをおすすめします。
新車は在庫がある場合でも、契約が成立してから納車されるまで1~3週間ほどです。人気の車種で生産が間に合っていない場合は、2カ月以上要することもあります。早めに乗り換えたい場合には、なるべく早くディーラーに連絡しましょう。
必要書類を準備する
引き取り日が決まれば、必要書類を準備しましょう。
ディーラーで廃車する場合の必要書類は下記の4つです。
・車検証
・自賠責保険の証明書
・リサイクル券
・印鑑証明書(普通自動車の場合)
・譲渡証明書(押印が必要):ディーラーに引き取ってもらう場合に必要
・委任状(押印が必要):ディーラーに引き取ってもらう場合に必要
ディーラーに車を持ち込む、もしくは引き取ってもらう
引き取り日が来たら、廃車する車と必要書類を持って、ディーラーへ出向きましょう。車が走れる場合には費用節約のためにも自走して持ち込むことをお勧めしますが、故障など理由で自走できない場合には、レッカーを依頼する必要があります。
車を持ち込むことが難しい場合は、ディーラーに車を引き取ってもらいましょう。
自動車税、自賠責、重量税の還付金を受け取る
車の引き取りが終わり、無事に車が廃車されると、廃車した車の自動車税、自賠責、重量税の還付金を受け取ることができます。
自動車税は廃車の手続きが完了した約2カ月半後に、都道府県税事務所から還付の通知書が来るので、その書類を指定された金融機関の窓口に持参することで、還付金の受け取りが可能です。(軽自動車の自動車税還付はありません。)
自賠責の還付金を受け取るには、まず保険会社に連絡して必要書類を送ってもらいましょう。書類が届いたら返送し、不備がなければ1週間〜2週間ほどで還付金を受け取ることができます。
重量税は廃車の手続きが完了してから約2ヶ月半で受け取りが可能です。税務署から指定の口座に振り込まれます。
ディーラーの廃車費用の相場
ディーラーの廃車費用の相場はどのくらいでしょうか。廃車費用は、廃車にする手続きの種類によって異なります。手続きの種類は2つあります。
・永久登録抹消
・一時登録抹消
下記では、それぞれの廃車手続きの廃車相場について詳しく解説します。
永久抹消登録の場合
車を解体して処分する永久抹消登録の場合、解体費用が約5万円程度必要です。
事故車や自走できない車の場合は、レッカーでの引き取りが必要となり、運搬費がさらに1万円程度プラスされます。
廃車手続きの代行手数料として1万円程度が加算され、最終的には約7万円程度費用が必要となります。
一時抹消登録の場合
一時抹消登録の場合、車の名義を抹消するだけですので、解体の必要はありません。解体と運搬がないことで5万円程度マイナスになり、約2万円程度で廃車できます。
自分で手続きをおこなう場合は、登録手数料の350円だけで廃車できます。
ディーラーの廃車費用が高い理由
ディーラーの廃車費用はなぜ高いのでしょうか。ディーラーの廃車費用が高い理由は主に2つ挙げられます。
・廃車はメイン事業ではない
・中間マージンが発生する
下記では、それぞれの理由について詳しく解説します。
廃車はメイン事業ではない
そもそもディーラーは廃車で儲けを得ておらず、基本的には費用をかけて処分しているだけです。ディーラーの強みは新車の販売にあり、もっとも大きな利益率は車の販売です。
廃車の処理の場合、リサイクルの技術を持たないため価値の創出ができず、人件費を損するだけで終わります。配車専用業者とは、ビジネスモデル自体が違うため、費用がかかるのです。
中間マージンが発生する
廃車する車は、解体して処分することが多いですが、車の解体には国からの認可が必要です。
車は大きな資源であるため、リサイクルが義務付けられており、環境への配慮として国から認可を受けた指定工場を持つ業者しか、解体できないよう法律で定められています。
ディーラーが廃車を引き取ったとしても、解体作業は他の業者に委託しているため、中間マージンが発生します。
廃車の処理に必要な中間マージンを含めて、費用が請求されているため、通常の廃車よりも金額が上乗せされているのです。
ディーラーの廃車費用を抑えるコツ
廃車費用はできるだけ安く抑えたいものですよね。ディーラーで廃車手続きをする際の費用を抑えるコツは3つあります。
・車を自分で持ち込みレッカー代を削減する
・下取りに出して新車費用を抑える
・ディーラーと価格交渉をする
下記では、それぞれのコツについて詳しく解説します。
車を自分で持ち込みレッカー代を削減する
車を自分でディーラーまで持ち込んでレッカー代を浮かしましょう。レッカー代は走行距離によって異なりますが、1万円前後かかってしまう場合が多いです。
事故車などで走行不可能な場合は致し方ないですが、走行可能な場合は自分で運転してディーラーまで持ち込みましょう。
下取りに出して新車費用を抑える
ディーラーで新車を購入しようと考えている人にとっては、下取りしてもらう方法が良いでしょう。新車をそのままの価格で購入するのではなく、古い車を下取りに出すことで新車が値引きされることが一般的です。新車の費用の一部としてもらい、新車を安く購入しましょう。
ディーラーと価格交渉をする
お得意様であったり、前回の購入時に営業担当者と親しいつながりがあれば、交渉がうまくいきやすいです。価格交渉の際に最も大事なコツは、「値引きの目標額を明確にし、営業担当者に伝える」ことです。
ディーラー以外で廃車手続きをする方法には何がある?
ディーラー以外で廃車手続きをする方法も存在します。主に3つ挙げられます。
・自分で廃車手続きをする。
・中古車買取サービスを利用する。
・廃車専門業者に買い取ってもらう。
下記では、それぞれの廃車手続きの方法について詳しく解説します。
自分で廃車手続きを行う
廃車費用は、依頼する業者によっては高額な費用を請求される場合もあるため、自分で廃車を行なって費用を安く抑えたいと考えるかもしれません。たしかに、廃車手続きは、自分で行うことも可能です。
しかし、はじめて廃車をする人や手続きが不慣れな人にとっては、手続きの流れがわからず労力を費やしたり、想像以上に手間がかかってしまうこともあるので注意が必要です。
また、自分で廃車手続きをした場合、解体業者に依頼する費用やレッカー代なども全て自分で負担することになるため、結局業者と同じかそれ以上の費用がかかることもあります。
中古車買取サービスを利用する
中古車買取サービスで廃車手続きをする方法もあります。車の状態や使用年数によりますが、ディーラーの下取りよりもお得に買取してもらえることもあります。
ディーラーと中古車市場では、車の価値査定が異なるため、ディーラーでは下取り額が低くても、中古車市場では高めに買ってもらえるケースもあります。
中古車市場でのお得な買取をしたいのであれば、複数の中古車買取業社から見積もりを出してもらいましょう。全体的に労力はかかりますが、結果的に最適な業者を選定できます。
廃車専門業者に買い取ってもらう
廃車買取業者とは、廃車になる車を専門で買い取っている業者のことを指します。損傷が大きい事故車で、中古車市場で買取できない場合は、廃車専門業者に買い取ってもらうことをおすすめします。
廃車専門業者は、その名の通り、廃車の買い取りに特化しているため、廃車手続きをスムーズかつスピーディに進められます。ディーラーに依頼した場合に発生する費用も、廃車専門業者に依頼すると無料で取り扱ってくれるところもあります。廃車専門業者の中には買取最低価格を保証している業者もあります。
なぜスクラップ同然の車を買い取ってくれるのかというと、日本国内では流通させられない車でも海外へ売却できる販路があるためです。その他、自社で車を解体し、パーツ単位で販売するケースもあります。
査定が付かない廃車は専門業者に依頼しよう
本記事では、ディーラーで廃車を行う費用や具体的な流れについて、またディーラー以外の廃車の選択肢についても解説しました。
ディーラーで廃車手続きを依頼した場合、依頼者の作業負担が少なくなる一方で金銭面のメリットはほぼありません。下取りで新車購入額が割り引かれる点は魅力ですが、査定額が付かない旧車はそのまま廃車となる可能性もあります。廃車手続きをお得に済ませたいのであれば、ディーラーではなく中古車・廃車専門の買取業者への依頼も検討しましょう。

この記事の監修者
浅野 悠
「株式会社はなまる」小売事業部 事業部長。1987年東京都生まれ。小学生から大学生までの間レーシングドライバーを目指し数多くの大会に出場。20代で飲食店経営に携わったのち、野菜配達の仕事に就くも、幼少期からの車への魅力を忘れられず自動車業界へ。中古車査定士の資格を取得し、自動車に関する豊富な知識をもとに、おもに車に起きるトラブルの対処法や車の豆知識に関するコラムを執筆。
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