2020.07.07

ハンドルが重くなる原因と対処法

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車のハンドルが重くなってしまうと、急な場面でハンドルが切れず、事故に繋がる可能性もあります。そのため、できるだけ早く原因を追求し対策を取り入れることが大切です。
症状に合わせて、ハンドルが重くなる原因と対策をご紹介します。

ハンドルが重いときはまずは重さのレベルを確認

車の運転をしていると、ちょっと普段よりもハンドルが重いかも…と感じることがあるかもしれません。車のハンドルが重いと一言でいっても、なんとなくいつもより重いかも?というレベルの重さから、両手いっぱいにハンドルを握らなければ動かない!というレベルの重さまで、分けることができます。

このハンドルの重さのレベルによって、原因や対策が異なるため、ハンドルが重いと感じたら、まずはどの程度重いのかを判断しましょう。

「車のハンドルがちょっと重いかも」というときの原因と対策

ハンドルがいつもより重いけれど、ハンドルを切ることに大した問題はないという程度であれば、まず考えたい原因はタイヤです。

タイヤの空気圧とパンクしていないかどうかをチェックしましょう。タイヤの空気圧が足りていないと、タイヤが転がるときの抵抗が増すため、ハンドルを切るときにズシッと重さを感じるようになってしまいます。

そして、完全にタイヤがパンクしている、特に前輪のタイヤがパンクしている場合には、いつもより重たく感じます。走行しているときに、ハンドルの重さだけではなく、ガタガタと手元に違和感がある場合には、前輪のタイヤのパンクを疑いましょう。

タイヤの空気圧が少ない

タイヤの空気圧が少ないことが原因であれば、タイヤの空気圧を適正値に戻すことで、ハンドルの重さもすっきりと解消します。空気圧をチェックするときには、1本だけではなく、すべての対応をチェックするのがおすすめです。

1本だけタイヤの圧が少なくなっている場合には、ジワジワと空気が抜けるタイプのパンクが考えられます。タイヤがパンクしている場合は、タイヤに異物が刺さっている場所に合わせて、修理にするかタイヤそのものを交換するかも考えておきましょう。タイヤを交換する場合、種類にもよりますが、1本1万円程度かかります。

「両手でハンドルを回さないと動かせない」ときの原因と対策

両手でハンドルをしっかり握って回さないと車が動かせないほどの場合は、パワーステアリングの故障が原因となっていることが考えられます。パワーステアリングとは、車のハンドル操作をサポートしてくれるパーツのことです。パワーステアリングが故障してしまった場合、ハンドルがグンと重くなる症状が現れます。このパワーステアリングには、油圧式と電動式の2種類があります。

油圧式パワーステアリング

油圧式のパワーステアリングは、名前のとおり、油圧を利用して働く仕組みになっています。パワステフルードといわれる専用のオイルを使って、油圧をコントロールし、パワステポンプといわれるパーツで油圧を作り出していきます。このパワステポンプが故障したり、オイルが不足したりしていると、ハンドルを切る際に非常に重く感じます。特に、パワステフルードのオイルが不足している場合には、ハンドルを切るたびに異音が鳴ることがあります。


また、パワステベルトが劣化・壊れていると、油圧の力がスムーズにタイヤに伝わらなくなるため、パワーステアリングの動作に影響が出て、ハンドルが重くなってしまいます。

電動式パワーステアリング

油圧式とは異なり、電動式のパワーステアリングは名前のとおり、電気のモーターを使って、ハンドル操作をサポートするパーツです。2000年以降に購入した車であれば、この電動式パワーステアリングが使われていることがあるでしょう。
電動式パワーステアリングは、電子制御装置を使ってモーターを制御するため、多くの車種で部品を共有できるのが特徴です。


ハンドルの戻りが悪い、ハンドル操作が難しいという場合には、パワーステアリングのギアボックスの故障や、センサーの故障が考えられます。コントローラーが故障すると、電気制御がスムーズにいかないため、ハンドルが重くなる原因となります。ハンドルの重さは、電気系統の故障が原因であることが多いため、ハンドル操作に影響が出始めたという場合には、修理工場などに相談するのがおすすめです。

ハンドルが重くなったときの対策

運転しているときに急にハンドルが重くなったという場合には、適切な対処が必要です。

運転を続けず停車しよう

急にハンドルが重くなった場合には、車の故障が考えられます。事故の原因となることもあるので、そのまま乗れると感じても乗り続けるのではなく、ハザードランプをつけて、安全なところに停車しましょう。


無理して修理工場まで運転し続けた場合、急なシーンでハンドルを上手く切ることができず、大きな事故につながってしまう危険もあります。

ディーラーや修理業者に相談

ほとんどハンドル操作ができないほど重い場合には、すぐに修理業者やディーラーへ持ち込みましょう。既に壊れている部品があるにもかかわらず、運転を続けていれば、危険なだけではなく、ほかの部品にも影響が出ることもあります。

ハンドルの重さに合わせて対策を

ハンドルが重いという症状にも、タイヤが原因のものもあれば、パワーステアリングが原因のものもあります。やや重いという程度であれば、タイヤの空気圧やパンクが考えられますが、すごく重いという症状が出ている場合には、パワーステアリングの故障が考えられるため、素早くディーラーや修理業者に相談するのがおすすめです。

無理して運転をすると危険なので、症状が出た場合は、安全な場所にすぐ停車しましょう。

定期点検を行っておくことで、急にハンドルが重くなるという症状は予防できますので、万が一に備えて定期点検を欠かさないようにしましょう。

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この記事の監修者

浅野 悠

「株式会社はなまる」小売事業部 事業部長。1987年東京都生まれ。小学生から大学生までの間レーシングドライバーを目指し数多くの大会に出場。20代で飲食店経営に携わったのち、野菜配達の仕事に就くも、幼少期からの車への魅力を忘れられず自動車業界へ。中古車査定士の資格を取得し、自動車に関する豊富な知識をもとに、おもに車に起きるトラブルの対処法や車の豆知識に関するコラムを執筆。

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