- 2025.02.06
ボンネットの開け方・閉め方 | 種類や車種による開け方の違いを解説
車のボンネットは、二段階のロックを外し、手で持ち上げて開け閉めします。ただ、ボンネットオープナーの位置やデザインは車種によって違いますし、種類によっては閉め方ひとつでボンネットが凹んでしまうため、「なんとなく」で操作するのはおすすめできません。ボンネットは、車のエンジンを飛び石等から保護しつつ、空気抵抗を抑えたり空気を取り込んでエンジンを冷やしたりするための重要なパーツです。傷ついたり凹んだりすると見た目の印象も悪くなり、修理費用もかかってしまうので、この記事ではボンネットの正しい開け方と閉め方、車種による違いについてご紹介します。

まずはボンネットオープナーの操作から!ボンネットの正しい開閉方法
ボンネットの正しい開け方は、以下の通りです。
転席の周りにあるボンネットオープナーを使って一段回目のロックを解除する
- 半開きになったボンネットの縁に手を入れ、レバー操作で二段階目のロックを解除する
- ボンネットを持ち上げたらステーを使って落ちてこないよう固定する 車のボンネットは、バネを使ったロック機構で勝手に開かないよう固定されています。ただ、ロックがひとつだけだと走行中の振動やバネの劣化によって勝手に開いてしまう危険性があるため、二段階式のロックになっている車種が多いです。二段階目のロックがあることを知らないと、半開きになったボンネットを無理やりこじ開けようと力を入れてしまい、ボンネットを歪ませてしまうといったトラブルにつながります。細かい部分は車種によっても変わってきますが、まずはほとんどの車に共通するボンネットの「正しい開け方」を押さえていきましょう。
運転席周りにあるボンネットオープナーを操作する
ボンネットを開ける最初の手順は、運転席の周りにあるボンネットオープナーの操作です。
ボンネットオープナーは、多くの場合足元にあります。ボンネットが開いた車アイコン等が付いているため、まずはボンネットオープナーを見つけて引いたり動かしたりし、一段回目のロックを外しましょう。もし、ボンネットオープナーが動作しない場合、バネが劣化している可能性があります。潤滑剤を吹き付けて何度か動かしたり、他の人の手を借りてボンネットを軽く浮かせたりすると、対処できるケースが多いです。
半開きになったボンネットのロックを解除して持ち上げる
ボンネットオープナーでロックを外すと、ボンネットオープナーが半開きになって隙間ができます。二段階目のロックを解除するレバーはボンネットの縁にあるため、浮いたボンネットの縁に手を入れてレバーを探し、上下または左右に動かしましょう。
ロックを解除したら、後はボンネットそのものを持ち上げるだけです。車種によってはボンネットにもかなりの重量があるため、途中で手を外さないよう慎重に持ち上げましょう。
ボンネットを固定するためのステーを探して固定する
持ち上げたボンネットは、手で支え続けていないと落下してしまいます。ロックがあるため手などは挟まないようになっていますが、エンジンルームの中を覗き込んでいる状態でボンネットが勢い良く落ちると危険なので、ボンネットの周辺を見てつっかえ棒を設置しましょう。
多くの場合、ボンネットやエンジンルームに「ステー」と呼ばれるつっかえ棒と、つっかえ棒を差し込んで固定するための穴があります。ステーを固定すれば、安全な状態でエンジンの点検が可能です。なお、車種によっては、ステーなしでもボンネットが落ちてこないようになっているものもあります。
ボンネットの閉め方は開けるときの逆手順
ボンネットの閉め方は、ここまでにご紹介した正しい開け方を逆の手順で進めるだけです。ボンネットステーを外してボンネットを下ろして閉じれば、自然と2段階のロックがかかります。
ただし、ここで注意しておきたいのが、ボンネットの下ろし方です。基本的には、ボンネットを20~30センチほど開けた状態から手を離し、自然に落として閉めるのが適切とされています。これは、ボンネットの自重のみで閉めることで、余計な負荷をかけずに済むためです。
例えば、車のドアやトランクを勢いよく閉めるように、ボンネットを強く押し込むと、衝撃で歪んでしまうことがあります。また、ボンネットをロック部分まで下ろした後、体重をかけて押し込むと、力が一点に集中し、凹みの原因になることも。特に、アルミ製のボディや軽量設計のスポーツカーなどは、押し込むことでダメージを受けやすいため注意が必要です。
愛車を長く大切に使うためにも、ボンネットはロック部分までそっと下ろし、最後は20~30センチの高さから自然に落として閉めるようにしましょう。
ボンネットを開ける前はワイパーの位置をチェック!
よくある失敗として、ワイパーを上げたままボンネットを開けてしまい、ボディに傷をつけてしまうケースがあります。例えば、洗車後、エンジンルームを確認しようとボンネットを開ける時などに、うっかりやってしまいがちです。せっかくピカピカになったボディに傷が付いたらショックですよね。そこで、ボンネットを開ける前に必ずワイパーがしっかり下がっているかを確認しましょう。
外車のボンネットの開け方
国産車と違い、外車はボンネットの開閉方法が独特な場合があります。レバーの位置はもちろん、開ける手順も異なるケースがあるので注意が必要です。そこで、代表的なボンネットの開け方をいくつかご紹介します。
①外車のボンネットが開かないとき
BMWやミニ
BMWやMINIの一部車種では、ボンネットの開閉に独特の操作が求められます。一般的な車両のようにボンネット側にレバーがないケースがあり、その場合は運転席にあるレバーを2回操作することでボンネットが解除されます。多くの車は、レバーを1回引くとボンネットが少し開き、その後ボンネット側のレバーで完全に開ける仕組みですが、BMWやMINIの一部車種では、レバーの2回操作でボンネットが開くよう設計されているのです。ボンネットを開けるレバーが見当たらない場合は、運転席のレバーを2回試してみてください。
②運転席にレバーが見当たらないとき
ボンネットを開けるレバーが運転席の下側に見当たらない場合は、助手席側を探してみてください。車種によっては、助手席側にレバーが設置されている場合があり、例えばメルセデス・ベンツのVクラスなどでは、助手席の収納ボックス内にレバーが隠されています。運転席周辺をくまなくチェックしてもレバーが見つからない場合は、助手席側にもう一度注意深く確認することをお勧めします。
メルセデス・ベンツ
メルセデス・ベンツのボンネットを開けるには、運転席側のレバーを操作します。レバーを引くと、ボンネット内部からつまみが出てきます。このつまみは、ベンツのエンブレムの左側、ちょうどそのあたりから現れます。つまみを引き上げながらボンネットを持ち上げると、固定フックが外れ、ボンネットが開きます。半開き状態になったら、つまみをしっかり持ち続けながらボンネットを開けることを忘れないでください。
よくあるトラブルと対処法
車のボンネット、突然のトラブルで困った経験はありませんか?実はボンネットに関するトラブルは、意外と多くの方が経験しているんです。代表的な例をいくつか見ていきましょう。
ボンネットが開かない
ボンネットが開かない場合、正しい手順で操作しても改善されないときは、ボンネットオープナーや、ボンネット内部のフック、レバーなどに故障が生じている可能性があります。さらに、日頃からのメンテナンスが不足し、ボンネットの開閉回数が少ないと、パッキンの劣化によるボンネットの固着も考えられます。無理に開けようとすると、より深刻な損傷につながるため、販売店や整備工場に点検と修理を依頼することをお勧めします。
ボンネットが閉まらない
ボンネットが閉まらない時は、まずボンネットを支えるステーの収納状態を確認しましょう。ステーが適切に収納されていないと、ボンネットは完全に閉じません。さらに、ボンネットを中途半端に閉めたり、無理やり押し込んだりした場合は、ボンネットのフック部分の劣化が考えられます。専用の防錆潤滑剤で改善できる場合もありますが、それでもダメなら、修理のプロに相談することをお勧めします。
エンジンルーム内に野良猫が入り込む
エンジンルームは、雨風をしのげる上に、エンジンが冷めるまで暖かさも残っているため、猫にとって魅力的な空間なのです。しかし、そこに猫が入り込んだままエンジンを始動させると、大変危険です。猫が巻き込まれ、事故につながる可能性も考えられます。そこで、特に寒い冬場は、車を運転する前にボンネットを軽く叩く習慣をつけましょう。ボンネットを叩く音で猫が驚き、逃げ出す、またはドライバーが猫の存在に気づき、事故や故障を防ぐことができるのです。
関連記事:動物を轢いて逃げたらどうなる?飼い主がいた場合の対応も徹底解説
ボンネットのキズ・へこみ
車のボンネットに傷がつく原因は様々です。路上を走る際に避けられない飛び石による損傷や、思わぬ野良猫の爪痕、洗車方法のミス、そしていたずらなど、様々な要因が考えられます。さらに、ガレージシャッターとの接触や積雪などによる負荷で、ボンネットにへこみが生じる可能性も考えられます。ボンネットは、傷やへこみが付きやすく、ボディの中でも特に目立つ場所であるため、小さな損傷も見逃せません。もし、傷やへこみを見つけたら、早急な修理を検討することをお勧めします。
関連記事:車買取でへこみがある場合の査定額は?減額の実態と対策
トラブルが生じたボンネットの修理・交換費用について
車のボンネットにトラブルが発生したら、放置せずに早めに修理することを強くお勧めします。放置すると、深刻な事態に発展する可能性が高いからです。今回は、ボンネットの修理や交換にかかる費用について詳しく解説いたします。具体的な費用は後ほどご説明しますが、まずはボンネットのトラブルへの対処法を理解することが大切です。
関連記事:エンジンブローの原因と対策!修理費用と保険適用についても解説
ボンネットの修理費用は?
ボンネットの修理費用の目安は、以下の表の通りです。
ボンネットの開閉トラブルは、原因となるパーツの不具合によって修理費用が大きく変動します。例えば、小さな傷であれば比較的安価で済みますが、深くて大きなへこみや、複雑な機構を持つパーツの故障などは、修理費用が高額になる可能性があります。さらに、塗装の種類によっても費用は変わってくるため、事前に修理工場に確認することが大切です。
ボンネットの交換費用は?
車のボンネットが大きく損傷している場合、修理ではなく交換が必要になることがあります。交換費用は、部品代、取り付け・取り外しにかかる工賃、そして塗装費用を含め、およそ60,000円~100,000円が目安です。ただし、ボンネットの種類や修理工場によって費用は変動しますので、ご注意ください。
ボンネットのトラブルを放置するリスク
ボンネットの些細な故障や損傷も、放置すると深刻な事態を招く可能性があります。車を長く安全に乗るためにも、早期の修理が不可欠です。それでは、ボンネットのトラブル放置によるリスクについて詳しく解説します。
走行に悪影響が出る可能性がある
走行中にボンネットが開閉不良を起こすと、風圧によってボンネットが不意に開き、最悪の場合、視界を遮ったり、フロントガラスを破損させたりする危険性があります。高速道路など、速度が出ている状況では、そのリスクは飛躍的に高まり、重大な事故に繋がる可能性も否定できません。そのため、ボンネットの開閉に少しでも違和感を感じたら、早急に専門業者による点検・修理を受けることを強くお勧めします。
キズ・へこみの部分から腐食が生じる
自動車の塗装は、単なる見た目の装飾だけでなく、大切なボディを雨や汚れなどから守る、重要な防護壁の役割を担っています。しかし、ちょっとした衝撃でキズやへこみが生じると、その部分の塗装が剥がれ、内部に水分や汚れが侵入するリスクが生まれます。すると、金属部分がサビて腐食が進み、放置すれば大きな修理費が必要になる事態にも発展しかねません。
まとめ
車のボンネット。開閉は簡単ですが、その手軽さゆえに、思わぬ事故につながる危険性も潜んでいます。重量のあるボンネットの開閉で、手を挟む危険性も無視できません。また、国産車とは異なる開閉方法を持つ外車もありますので、注意が必要です。ボディに傷をつけたり、ボンネットを破損させたりしないよう、丁寧な作業を心がけましょう。
エンジンルームの定期的なチェックは、愛車の健康状態を知る上で不可欠です。ボンネットの開閉をマスターし、安心してエンジンルームをチェックできるようになりましょう。故障を未然に防ぎ、愛車の寿命を長く保つためにも、適切なメンテナンスは欠かせません。
ボンネットの些細な故障や損傷も、放置すると深刻な事態を招く可能性があります。車を長く安全に楽しむためにも、早期の修理が不可欠です。古い車や修理費用が高額になる場合は、買い替えも検討しましょう。
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この記事の監修者
浅野 悠
「株式会社はなまる」小売事業部 事業部長。1987年東京都生まれ。小学生から大学生までの間レーシングドライバーを目指し数多くの大会に出場。20代で飲食店経営に携わったのち、野菜配達の仕事に就くも、幼少期からの車への魅力を忘れられず自動車業界へ。中古車査定士の資格を取得し、自動車に関する豊富な知識をもとに、おもに車に起きるトラブルの対処法や車の豆知識に関するコラムを執筆。
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