- 2025.04.22
車台番号って何?車両番号との違いや3つの調べ方を徹底解説!
車の購入から管理まで、車台番号と車両番号(ナンバープレート)は、様々な場面で必要不可欠な存在です。しかし、この2つの番号、一見似ていますが、実は役割も構成も全く違います。そこで、それぞれの番号が持つ意味と違いを分かりやすく解説します。

車台番号とは何か
自動車の車台番号は、人間社会における戸籍番号やマイナンバーのように、その車両の固有の識別番号です。「車体番号」と書かれることもありますが、「車台番号」が正式な名称となります。国土交通省が、製造メーカーからの届け出に基づいて、一台ずつ割り当てています。車台番号は、車両ごとに一意に決定され、他の車両と重複することはありません。
車台番号は、車の所有者や住所が変わっても、生涯変わらない、車の「指紋」のようなものです。車台番号は、個人の希望で決まるものではなく、自動的に決定されます。
ちなみに、車台番号は自動車だけでなく、バイクや原付スクーター、さらには自転車にも付けられています。車台番号は、車両の識別、盗難防止、事故時の車両特定など、様々な場面で役立っています。
車台番号の構成について
自動車の心臓部ともいえる車台番号は、アルファベットと数字の組み合わせで構成され、その桁数は数桁から十数桁と様々です。一見、ランダムな数字の羅列に見える車台番号ですが、実は車種、グレード、製造場所など、車両に関する重要な情報がわかるようになっています。しかし、その規則性や意味は一般公開されていません。
車両番号との違い
特に、車台番号と車両番号は混同されがちです。車両番号とは、私たちがよく目にするナンバープレートに記載されている番号のことです。これは、運輸支局(陸運局)が車両を登録する際に付与されるもので、公道を走行する際に必要となります。ナンバープレートなしでの走行は違法行為となるため、注意が必要です。
車台番号は車両固有の識別番号であり、製造時に刻印され、車両の生涯を通じて変更されることはありません。これに対し、車両番号は車の所有者が引っ越しなどで管轄の運輸支局が変わると変更になるという違いがあります。
つまり、車台番号は車の「身分証」のようなもので、車両番号は車の「住所」のようなものと考えると分かりやすいでしょう。
車両番号の意味
車両番号にはその文字や数字の組み合わせによって意味があります。
例えば「名古屋 123 た 4567」という番号だった場合、
- 名古屋 → 車両を管轄している陸運局や自動車検査事務所名を表す地名
- 123 → 自動車の種別を識別する番号
- た → 自動車が自家用車なのか、事業用車なのか、レンタカーなのかを識別する番号
- 4567→ 連番で発行される番号(指定することも可能)
このような意味があり、車を特定するのに必要な情報が詰まっています。

車両番号に「お・し・へ・ん」は使われない
車両番号に入っているひらがなは、下記のルールに則って振り分けられます。
ただし、下記のひらがなは車両番号に使われません。
「し」「へ」「ん」が使われない理由については、意外な印象を受けた方も多いのではないでしょうか。
実は日本人らしい感性が車両番号に反映されていたんですね。
ちなみに、車両番号の下4桁にも「42」や「49」は縁起が悪いため希望がない限りは使われません。
車台番号が求められる場面
これまで、車台番号の意味や、車両番号との違いについて詳しく解説してきました。しかし、「車台番号について理解したけど、実際にこの番号が必要になる場面ってあるの?」と疑問に思っている方もいるのではないでしょうか?そこで、ここからは、車台番号が必要となる場面について詳しく解説していきます。車台番号は、以下のような状況で必要となるケースが多いでしょう。
- 車検を実施するとき
- 自動車保険に入るとき
- リコール対象かどうかを確認するとき
- 車を買った時
- 車を廃車や売却するとき
- 盗難車の捜索を行うとき
以下で詳しく説明していきます。
車検を実施するとき
車を所有している方は、乗用車の場合、2年に一度(初回は3年に一度)車検を受ける必要があります。車検を受ける際には、必ず車台番号がチェックされます。これは、車検を受ける際に、まず車検証と車検に出された車の情報が一致しているかを確認する必要があるためです。
車検証に記載されている番号と、車体に刻印されている番号が一致していれば、情報が一致していることになります。そのため、車台番号は必ずチェックされるのです。
自動車保険に入るとき
自動車保険に加入する際には、車台番号の提示が必須です。これは、保険会社が契約者に関する詳細な情報を収集する必要があるためです。車台番号は、自賠責保険、任意保険を問わず、保険契約の際に確認されますので、事前に確認しておきましょう。
また、車検証の提示も求められ、車検証に記載されている車台番号と実際の車両が一致するかの確認も行われます。
リコール対象かどうかを確認するとき
車の安全を守るため、リコール情報を確認することは非常に重要です。リコールとは、製造過程で発見された問題を解決するために、メーカーが無料で修理や交換を行う取り組みです。もし、リコール対象車に乗り続けていると、思わぬ事故や故障に繋がる可能性も。車がリコール対象かどうかは、国土交通省のリコール検索ページや自動車メーカーの公式サイトで簡単に確認できます。
車台番号を入力すれば、対象車かどうかがすぐにわかります。ディーラーからの連絡を待つだけでなく、定期的に確認することで、安心安全なカーライフを送ることができます。
車を買った時
車を購入するときは、いくつかの手続きが必要です。新車を購入する場合、運輸支局や軽自動車検査協会で登録手続きを行います。一方、中古車を購入する場合、名義変更手続きが必要となります。これらの手続きでは、申請書に車台番号を記入する必要がありますが、これは自分で行う場合に限ります。例えば、知人から譲り受けた場合や、中古車販売店を通さずに直接購入した場合などです。
中古車販売店やディーラーから購入した場合は、通常、販売店側で名義変更手続きを行ってくれるため、自分で車台番号を記入する必要はありません。
車を廃車や売却するとき
車を売却したり廃車にする際、車台番号の確認は必須です。しかし、車を業者に売却する場合、車検証も一緒に渡すことが多いでしょう。車検証には車台番号が記載されているため、わざわざ自分で番号を控える必要はありません。多くの場合、業者側で車検証から車台番号を確認し、必要な手続きを進めてくれます。
盗難車の捜索を行うとき
車の盗難防止に役立つ車台番号は、盗難犯からも狙われていることをご存知ですか?犯人は車台番号を意図的に傷つけたり、見えなくしてしまうことがあります。中古車を購入する際は、車台番号が不自然に傷つけられていないか、しっかりと確認することが大切です。
傷つけられている場合は、盗難車の可能性も考えられます。盗難車の所有は、車検に通らないだけでなく、犯罪への関与を疑われる可能性も孕んでいます。
車台番号以外にも、中古車購入時に確認しておきたい重要な情報がいくつかあります。例えば、「グレード」「型式」「年式」などです。これらの情報は、車検や修理、保険など、様々な手続きで必要となります。それぞれの情報の確認方法については、専門の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:10秒でできる!車のグレードの調べ方-メーカー別に調べ方をご紹介
関連記事:車の型式って何?必要になる場面と確認方法
関連記事:車の年式の調べ方ってどうしたらいいの?初心向けにわかりやすく解説!
車台番号の改ざんは法的に禁止されている

専門的な知識や技術があれば、車台番号の打刻部分を物理的に書き換えることは可能です。しかし、車台番号の改ざんは法律違反であり、重い罰則が科せられることを忘れてはいけません。
改ざんが明らかになれば、車両の売却は不可能になる場合もあります。改ざんの疑いがあるケースとして、パネルを含む打刻部分の周辺に不自然な溶接や塗装が施されている場合が挙げられます。
また、文字の形や並び方が不自然であれば、改ざんの可能性も考えられます。車台番号の改ざんは決して稀ではありません。何も知らずに中古で購入した車を修理に出したところ、改ざんが判明したというケースも耳にすることがあります。
何者かが盗難車であることを隠すために改ざんを行う事例も報告されているため、中古車の購入時には、車台番号の確認を怠らないようにしましょう。
車台番号が識別できない場合

極めて稀なケースではありますが、深刻な腐食や事故、あるいは不正行為によって車台番号が判別不能になることがあります。このような場合に実施される「職権打刻」という措置とそのデメリットについて解説していきます。
車台番号が確認できない場合
車台番号は、車体の重要な識別番号であり、通常は車体に刻印されています。そのため、容易に消えることはなく、車の生涯を通じて重要な情報として存在します。しかし、いくつかの要因によって識別が困難になるケースも存在します。
例えば、盗難車の事実を隠蔽するために、車台番号が故意に削られたり、潰されたりすることがあります。また、過酷な環境下での使用も車台番号の識別を難しくする要因となります。塩害と呼ばれる、潮風による腐食や、冬道で散布される融雪剤による腐食(雪害)などが挙げられます。ただし、定期的な点検を怠らなければ、車台番号が識別不能になるほどの深刻な腐食は通常発生しません。
さらに、事故や水害などにより、車台番号が刻印された部品が破損し、交換が必要になるケースも考えられます。このような場合、交換された部品には新しい車台番号が刻印されます。また、海外向けの自動車を逆輸入した「並行輸入車」の場合、当初は車台番号が刻印されていないことがあります。このような場合も、新たに車台番号が刻印されます。
いずれの場合も、車台番号の識別が困難になった場合は、専門機関による確認や、新たな番号の刻印(職権打刻)が必要となります。
「職権打刻」で新しい番号が付与される
自動車の車台番号は、その車の身分証のようなものです。車台番号が判別できないと、自動車の登録や検査、修理など、様々な場面で問題が生じます。不正行為に使われるリスクも考えられます。このような事態を防ぐため、陸運局では、車台番号が判別できない場合、新たに番号を付与する手続きを行っています。この手続きは「職権打刻」と呼ばれますが、実際には数字を刻み込むのではなく、番号が書かれた金属製のプレートをセキュリティラベルで貼り付ける方法が採用されています。
「職権打刻」の欠点
車台番号が判別不能となり、職権打刻が施された車は、過去に事故に遭い安全性が損なわれている可能性や、盗難車である可能性も考えられます。そのため、売却時には査定額が低くなるというデメリットが生じます。一方で、職権打刻のある中古車を検討する場合も注意が必要です。こうした車は、目に見えない損傷が隠れており、故障しやすい可能性も考えられます。購入時は、メンテナンス記録などをしっかり確認し、車の状態を把握することが重要です。
車台番号が抹消されるケース

自動車の車台番号は、その車が使用されている間は不変の識別番号として機能します。しかし、廃車手続きが完了すると、車台番号は抹消され、その番号は二度と使用されなくなります。さらに、自動車税の滞納や車検切れが長期にわたると、行政機関による強制的な車台番号抹消が行われる場合もあるため、注意が必要です。所有者は、税金や車検の期限を忘れずに、適切な手続きを行うように心がけましょう。
廃車にするとき
車を手放す際には、その車は「永久抹消登録」という手続きを経て、車台番号も抹消されます。ただし、一時的に車を保管したい場合などに用いられる「一時抹消登録」では、車台番号は消えません。永久抹消登録後も、解体されずに書類上のみの抹消処理となるケースがあり、廃車手続き後も車台番号が有効な場合があります。
税金を滞納したとき(職権抹消)
海外転勤などにより長期間車を放置し、車検切れや自動車税の滞納が3年以上続くと、その車の車台番号は「職権抹消」され、陸運局の記録から削除されてしまいます。このような事態を防ぐには、車の使用を一時的に停止する「一時抹消登録」が有効です。職権抹消されると、税務署から通知が届きますが、手続きを踏むことで車台番号を復活させることができます。税金を滞納して3年以内であれば、車台番号が残っている場合もありますので、まずは陸運局へ問い合わせてみましょう。
車台番号の調べ方は3種類
車の車台番号を確認する方法には、主に3つの方法があります。それぞれ確認場所や難易度が異なるため、状況に合わせて適切な方法を選びましょう。
- 車検証で確認する
- 車体のコーションプレートで確認する
- バルクヘッドの打刻を確認する
最も手軽なのは、車検証の確認です。3段目左側の欄に車台番号が記載されています。次に、車体についたコーションプレートを確認する方法があります。これは、車台番号が刻印されたプレートが車体に取り付けられている場合に有効です。最後に、バルクヘッドの打刻を確認する方法があります。これは、車体フレームに車台番号が刻印されている場所を確認する方法ですが、他の場所と比べて確認が難しい場合があります。
確認のしやすさとしては、車検証が一番簡単で、コーションプレート、バルクヘッドの打刻と続きます。
車検証で確認する
車の車台番号を確認したい場合は、まず車検証を探してみましょう。多くの場合、車検証は運転席側のダッシュボードにあるグローブボックスに保管されています。車検証を見つけたら、上から3段目の左側にある「車台番号」の項目を確認してください。車台番号は、この項目に記載されていますので、ご確認ください。
こちらのサンプル画像の赤枠部分に車台番号が記載されていますので、参考にされてみてください。

車体のコーションプレートで確認する
2つ目の方法は、車両に貼られているコーションプレートを確認することです。コーションプレート、またはシリアルプレートと呼ばれるこの金属板には、車両に関する詳細な情報、そして車台番号が記されています。車検証がすぐに見つからない場合は、ぜひこの方法を試してみてください。

ついてる位置は車種によって異なりますが、ほとんどの場合、以下のいずれかの場所に位置しています。
- エンジンルーム内
- センターピラー
- フロントピラー
- 運転席のシート・カーペットの下
車両の車台番号は、コーションプレートに記載されています。次のとおりです。
- FRAME No.
- CHASSIS No.
- VEHICLE ID No.
- VIN
(例)FRAME No.:ABC123-1234567
型式やエンジンの型式が記載されているため、他の番号と混同しないよう注意が必要です。
バルクヘッドの打刻を確認する
3つ目の方法として、車両に刻印されている場所を直接確認する方法があります。刻印されている場所は車種によって異なりますが、多くの場合はボンネットを開けたエンジンルーム奥の「バルクヘッド」と呼ばれる部分の骨格に刻印されています。バルクヘッドとは、エンジンルームと車室を仕切る隔壁板のことです。ダッシュパネルとも呼ばれます。近年では、金属プレートに刻印したものを貼り付けている車種も見られます。
バルクヘッドに刻印されている場合、一般的にはワイパーのすぐ下に刻印されていることが多いですが、カバーで覆われていて見つけられないことがあります。その際は、周辺に外せるパーツがないか確認してみてください。
まとめ
車の情報を正確に把握するためには、車台番号の確認が不可欠です。車台番号は、車体番号やフレームナンバーとも呼ばれ、まさに車の「指紋」と言える、固有の識別番号です。この番号は、車検証に記載されているため、まずは車検証を確認してみましょう。車検証が手元にない場合は、車両内部のコーションプレートやバルクヘッドに刻印されている車台番号を調べてみてください。
車台番号は、新車登録や車検、車両保険の加入、さらには車の売却や廃車手続き、グレード検索、リコール情報の確認など、様々な場面で必要となる重要な情報です。スムーズな手続きや情報の確認のためにも、車台番号を把握しておくことは非常に重要です。
また、車を売却する際は、査定を受けることになります。この際に、年式、型式、走行距離、車両状態(傷や凹み、走行性能など)、車検の満了日といった情報が求められます。事前に車検証を確認し、走行距離や車両状態を把握しておけば、査定担当者とのやり取りがスムーズになります。さらに、車の価値を正しく評価してもらうためにも、確認しましょう。
関連記事:年式の調べ方
関連記事:型式の調べ方
関連記事:グレードの調べ方
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この記事の監修者
浅野 悠
「株式会社はなまる」小売事業部 事業部長。1987年東京都生まれ。小学生から大学生までの間レーシングドライバーを目指し数多くの大会に出場。20代で飲食店経営に携わったのち、野菜配達の仕事に就くも、幼少期からの車への魅力を忘れられず自動車業界へ。中古車査定士の資格を取得し、自動車に関する豊富な知識をもとに、おもに車に起きるトラブルの対処法や車の豆知識に関するコラムを執筆。
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