- 2021.01.20
4ストロークエンジンと2ストロークエンジンって何が違うの?
皆さんは、4ストロークエンジン・2ストロークエンジンという言葉を聞いたことがありますか?
自動車業界やオートバイ業界では、4スト(フォースト)・2スト(ツースト)と略して呼ばれることもあります。
初めて耳にしたという方も、聞いたことはあるけど意味は分からないという方もいらっしゃるかもしれませんね。
今回は、4ストロークエンジンと2ストロークエンジンは何がどう違うのか、詳しく説明していきましょう。

エンジンの構造
4ストロークエンジンと2ストロークエンジンの違いの前に、エンジンの構造について解説しましょう。
エンジンキーを回せばエンジンがかかり、何の問題もなく走り出すことが当たり前であるため、エンジンの構造について考えたこともないという方が多いのではないでしょうか?
内燃機関エンジンは、空気と燃料を混合させたものに火花を飛ばして爆発させることでエネルギーを得て動力に変えるというものが基本です。
そして、エンジンがガソリンから動力を取り出すためには「吸気」「圧縮」「燃焼」「排気」の4つの動作を行う必要があります。
この一連の動作の流れとタイミングによって4ストロークエンジンまたは2ストロークエンジンと分けられているのです。
4ストロークエンジン
4ストロークエンジンは、原動機付自転車から車まで幅広く採用されており、大半の乗り物に搭載されているエンジンと言えます。
ピストンが4ストロークで1ターンするエンジンであることが最大の特長で、ストロークというのは上下運動を指し、「下・上・下・上」で4ストロークです。つまり2往復する間に1回爆発するということになります。
では、実際に4ストロークエンジンでは4つの動作がどのように流れているのかを解説していきましょう。
①吸気
まずピストンが下がり始めます。
その際に吸気バルブを開き燃料(混合気)を吸い込みます。
②圧縮
混合気が充填されたシリンダ内をピストンが上がり圧縮します。
その際は吸気バルブ・排気バルブは閉じた状態となります。
③燃焼
圧縮された燃料(混合気)にスパークプラグで点火します。
燃焼した燃料(混合気)は急激にピストンを押し下げます。
④排気
燃焼後、ピストンは慣性で上がり始めます。
その際に排気バルブを開けて燃焼済みガスを排気します。
ここまでの行程を終えると①に戻るという流れです。
2ストロークエンジン
では2ストロークエンジンとはどのようなエンジンなのでしょうか。
2ストロークエンジンは、4ストロークエンジンとは違い単純な構造となっており、「下・上」の2ストロークで1ターン、つまり1往復で1回爆発するということです。
2ストロークエンジンの動作は下記のようになります。
①排気・吸気
燃焼と同時にピストンが急激に下がり始めます。
その際、排気と吸気を同時に行いシリンダ内に燃料(混合気)を充填させます。
②圧縮・燃焼
ピストンが上がり始めると、燃料(混合気)を圧縮していきます。
そのままピストンが上死点に達したと同時に圧縮された燃料(混合気)にスパークプラグで点火します。
ここまでの行程を終えると①に戻ります。
メリット・デメリット
用語だけだと2ストロークエンジンより4ストロークエンジンの方が、パワーが出ているように感じるかもしれませんが、1回の燃焼で2往復する4ストロークより、1往復しかしない2ストロークの方が断然パワーがあります。あくまで同排気量・同気筒での比較にはなりますが、その差はおおよそ2倍になると言われています。
しかし、2ストロークエンジンには時代の流れに逆らえない決定的なデメリットがあったため、現在では4ストロークエンジンが主流となっています。
決定的なデメリットとは、排気ガス対策が困難であるという点です。
2ストロークエンジンは軽くて部品点数が少ないため、低コスト・高パワーというメリットがありますが、構造が単純であるためエンジンオイルを一緒に燃やさなければいけないということと排気・吸気を同時に行うために未燃焼ガスを排出してしまうということが環境問題となりました。反対に4ストロークエンジンは、パワーが低くコストもかかりますが、燃費が良く、燃焼を1工程で行っているため、排出されるガスが2ストロークエンジンと比べてクリーンであるとされ、現在では主流となっているのです。
まとめ
エンジンはさまざまな細かい部品で構成されており、エンジンの構造を全て理解することは難しいですが、少しでも興味を持っていただくことで愛車のエンジン性能についても理解を得ることができるのではないでしょうか。
20年ほど前まではプイ~ンという高い音を立てて走る原動機付自転車ばかりでしたが、現在はブルブルブルといった低い音の原付が走っています。
時代の流れで消えていく2ストロークエンジンですが、甲高い音の芝刈り機、ポンポンとエンジンが鳴る昔のジムニーなどがまだまだ日本にも残っています。
見かけたらエンジンの歴史を考えてみてもいいかもしれませんね。

この記事の監修者
澤井 勝樹
「株式会社はなまる」監査役。1975年生まれ。10年近く会計事務所で経理総務全般の経験を積みながら、税理士、行政書士登録。その後、IT系ベンチャー企業のIPOの準備に携わるなど活動。現在はインターネットとクルマの可能性を世の中に伝えたいとソコカラコラムを執筆中。家族・食べること・愛車のセレナが大好き。おもに廃車の手続きや税金に関するコラムを執筆している。
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