2025.12.19

車のサンシェードは効果ない?危険性とデメリット、おすすめの選び方

夏の強い日差しから車内を守るために便利なサンシェードですが、「本当に効果ないのでは?」と感じる声も聞かれます。
サンシェードには車内温度の上昇抑制や内装保護といったメリットがある一方で、使い方を誤ると危険につながるデメリットも存在します。
この記事では、サンシェードの本当の効果と危険性、そして後悔しないためのサンシェードの選び方について、タイプ別の特徴を交えながら詳しく解説します。

この記事のポイント

  • 車内温度上昇の抑制と内装劣化を防ぐ
  • 走行中の使用禁止など危険性を理解する
  • 車種に合うサイズと設置方法で選ぶ

車のサンシェードに期待できる3つの効果

車のサンシェードは、夏の強い日差し対策として有効なアイテムです。
単に日差しを遮るだけでなく、車内環境を快適に保つための様々な機能を持っています。
正しく使用することで、温度上昇の抑制、紫外線からの保護、プライバシーの確保といったメリットを享受できます。
これらの効果を理解し、サンシェードを効果的に活用することで、より快適なカーライフが実現可能です。

サンシェード ポイント

車内温度の急上昇を抑制し快適性を保つ

夏の炎天下に駐車した車内は、短時間で極めて高温になります。
サンシェードを使用することで、直射日光がダッシュボードやハンドルに直接当たるのを防ぎ、車内温度の急激な上昇を抑制する効果が期待できます。
特にアルミ素材などの遮熱性が高い製品は、太陽光を反射させて熱の吸収を抑えます。
これにより、乗車時の不快な暑さを和らげ、エアコンの効きを早めることにも繋がります。
また、高温によるダッシュボードの変形や電子機器の故障といった劣化リスクを軽減する役割も果たします。

紫外線による内装の色あせやひび割れを防ぐ

駐車中の車内は、窓ガラスを通して常に紫外線に晒されています。
紫外線は、ダッシュボードやシート、内張りの樹脂パーツなどの内装部品にとって大敵であり、長期間浴び続けると色あせやひび割れといった劣化を引き起こします。
UVカット機能を持つサンシェードを使用すれば、車内に侵入する紫外線を大幅にカットできます。
これにより、愛車の内装を美しい状態で長く保つことが可能になります。
特に革製やファブリック製のシートは紫外線の影響を受けやすいため、保護効果は大きいです。
人の目や肌を紫外線から守る副次的な効果もあります。

参考:車を放置するリスクとデメリットとは?長期間放置の対処法について解説

車内のプライバシーを確保し防犯対策にもなる

サンシェードは、車外からの視線を遮る目隠しとしても機能します。
車中泊や休憩時に車内のプライバシーを確保できるため、安心して過ごすことが可能です。
また、車内に置かれた荷物やカーナビなどの貴重品が見えにくくなることで、車上荒らしのリスクを低減させる防犯対策としての効果も期待できます。
ただし、サンシェードをしているからと安心しきらず、貴重品を車内に放置しないという基本的な注意は必要です。
外から車内の様子が分からないようにすることは、犯罪のターゲットにされにくくするための第一歩となります。

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知っておきたい!車のサンシェードに潜む危険性と注意点

サンシェード危険

車のサンシェードは多くのメリットがある一方で、その使い方には注意が必要です。
便利なアイテムである反面、誤った使用は思わぬ危険やトラブルを引き起こす可能性があります。
例えば、サンシェードをしていても車内が安全な温度に保たれるわけではなく、家の中にいるような感覚で子供やペットを残すのは極めて危険です。
使用する際には、これから解説する危険性や注意点を十分に理解しておく必要があります。

サンシェード使用中の熱中症リスクを軽視しない

サンシェードは車内温度の上昇を抑制するものであり、完全に防ぐことはできません。
サンシェードを使用していても、外気温が高い日には車内温度は危険なレベルまで上昇します。
そのため、短時間であっても子供やペットを車内に残すことは絶対に避けるべきです。
サンシェードがあるから大丈夫という過信は熱中症事故につながる大変危険な考えです。
また、運転中にサンシェードを使用することは視界を妨げ、道路交通法違反となる可能性があります。
駐車中であっても、車内の温度管理は常に意識する必要があります。

装着したままの走行は道路交通法違反の可能性がある

フロントガラスや運転席・助手席のサイドガラスにサンシェードを装着したまま走行することは、道路交通法で禁止されています。
これは、サンシェードが運転者の視界を著しく妨げ、安全運転に必要な視野を確保できなくなるためです。
たとえ透過性のある製品であっても、定められた基準(可視光線透過率70%以上)を満たさない限り、取り締まりの対象となります。
事故を引き起こす原因となり大変危険なため、走行前には必ず取り外してください。
走行中の使用は法律で許されていません。

参考:知らなかったでは済まされない!実は交通違反になる事例

ドライブレコーダーの録画を妨げないか確認が必要

サンシェードを設置する際、ドライブレコーダーのレンズを塞いでしまわないか注意が必要です。
特に、駐車中も録画を続ける「駐車監視機能」付きのドライブレコーダーの場合、サンシェードがレンズの前にあれば、当て逃げやいたずらの瞬間を記録できなくなってしまいます。
せっかくの防犯機能が無駄にならないよう、サンシェードの形状やサイズを選ぶ際には、ドライブレコーダーの位置を考慮することが重要です。
ドライブレコーダーを避けて設置できる切り欠きのある製品や、干渉が不要なタイプを選ぶと良いでしょう。

参考:ドライブレコーダーの映像は事故の証拠になるのか?

外付けタイプは強風で飛ばされる危険性がある

フロントガラスの外側から覆うように取り付ける外付けタイプのサンシェードは、内側に取り付けるタイプよりも遮熱効果が高いとされています。
しかし、ドアに挟んだり磁石で固定したりする製品が多く、取り付けが不十分だと強風にあおられて飛ばされてしまう危険性があります。
飛ばされたサンシェードが他の車に当たって傷をつけたり、歩行者に当たって怪我をさせたりする重大な事故につながる恐れもあります。
車種専用の製品であっても、台風や強風が予想される日には使用を控えるなど、天候に応じた判断が必要です。

車のサンシェードが「効果ない」と感じる理由とは?

サンシェードを使用していても「期待したほどの効果がない」と感じることがあります。
その原因は、製品が持つ本来の性能や、正しい使い方を理解していないことに起因する場合が多いです。

サンシェード 効果ない

車内を冷却する効果はないため

サンシェードに「効果がない」と感じる最も大きな理由は、その役割を誤解している点にあります。
サンシェードの主な機能は、直射日光を遮断して車内温度の「上昇を抑制する」ことであり、車内を積極的に「冷却する」機能はありません。
そのため、サンシェードをしていても、夏の炎天下では車内温度は外気温以上に上昇します。
この特性を理解せず、エアコンのように涼しくなることを期待すると、効果がないと感じてしまいます。
あくまで乗車時の暑さを和らげるための補助的なアイテムと捉え、過度な期待をしないことが、製品を正しく評価する上でおすすめの考え方です。

車のサイズや形状に合っていない可能性がある

サンシェードの効果を最大限に引き出すには、フロントガラスに隙間なくフィットさせることが不可欠です。
車のフロントガラスは、車種によってサイズや形状、傾斜が大きく異なります。
汎用品など、サイズが合わないサンシェードを使用すると、ガラスとの間に隙間ができてしまいます。
その隙間から直射日光が差し込むと、ダッシュボードなどが熱せられ、結果的に車内全体の温度が上昇してしまいます。
これが「効果がない」と感じる原因の一つです。
自分の車に合ったサイズの製品、可能であれば車種専用に設計されたサンシェードを選ぶことが効果を実感する上で非常に重要です。

【タイプ別】車のサンシェードの種類と特徴

車のサンシェードには様々な種類があり、それぞれ設置方法や収納性、素材が異なります。
自分の使い方や車のタイプに合わせて選ぶことが、快適なカーライフにつながります。
代表的なものには、コンパクトに収納できる折りたたみ式、手軽に設置できる傘タイプ、フィット感に優れたワイヤータイプなどがあります。
それぞれの特徴を理解し、メリット・デメリットを比較検討することが大切です。

車サンシェード

手軽でコンパクトな「折りたたみ式」

折りたたみ式は、蛇腹状にたたんで収納できるオーソドックスなタイプのサンシェードです。
多くの製品はゴムバンドなどでまとめることができ、シートポケットやドアポケットなど、ちょっとしたスペースに収納できるコンパクトさが最大の魅力です。
比較的安価で、カー用品店やホームセンターなどで手軽に入手できます。
一方で、設置の際には広げる手間がかかり、特に大きなサイズのフロントガラスを持つ車では一人での設置がやや面倒に感じられることもあります。
また、汎用品が多いため、車種によっては隙間ができてしまう可能性も考慮する必要があります。

設置が簡単な「傘タイプ」

近年人気が高まっているのが、折りたたみ傘のようにワンタッチで開閉できる傘タイプのサンシェードです。
傘を開いてフロントガラスに置き、サンバイザーで固定するだけで設置が完了するため、非常に手軽で時間もかかりません。
力も要らないので、誰でも簡単に扱えるのが大きなメリットです。
使用後は傘を閉じるようにコンパクトにまとめられ、専用の収納袋に入れてグローブボックスなどに収納できます。
ルームミラーやドライブレコーダーの位置によっては、柄の部分が干渉してうまく設置できない場合があるため、購入前に適合性を確認することが重要です。

隙間なくフィットしやすい「ワイヤータイプ」

ワイヤータイプは、スプリングワイヤーの力で広がり、フロントガラスにフィットさせるサンシェードです。
本体をひねるようにしてコンパクトに折りたたむことができ、収納時には非常に小さくなるのが特徴です。
広げる際は瞬時にパッと開くため設置も比較的簡単です。
ワイヤーの張力である程度形状が固定されるため、フロントガラスに隙間なくフィットさせやすいというメリットがあります。
ただし、折りたたむ際には少しコツが必要で、慣れるまでは手間取ることがあります。
また、製品によってはワイヤーがサンバイザーに干渉することもあるため注意が必要です。

後部座席やサイドウィンドウ用の「吸盤・静電気タイプ」

後部座席やサイドウィンドウからの日差し対策には、吸盤や静電気で窓に貼り付けるタイプのサンシェードが適しています。
これらのタイプは、同乗者、特に子どもの日焼け防止や、車内の温度上昇をさらに抑えるのに役立ちます。
取り付けや取り外しが非常に簡単で、必要な時にだけ手軽に使用できるのが利点です。
吸盤タイプは繰り返し使えますが、長期間の使用で吸盤が劣化したり、ガラスに跡が残ったりすることがあります。
静電気タイプは跡が残りにくいですが、窓の汚れや静電気の発生状況によっては剥がれやすくなる場合があります。

後悔しない!車のサンシェード選びで重要な5つのポイント

多種多様なサンシェードの中から自分に最適な製品を選ぶためには、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。
単に価格やデザインだけで選んでしまうと、「使いにくい」「効果が感じられない」といった後悔につながりかねません。
車のサイズに合っているか、求める遮光・遮熱効果があるか、そして日々の使い勝手などを総合的に判断することが、満足のいくサンシェード選びの鍵となります。

サンシェード選び方 

【サイズ】フロントガラスに隙間なく合うか

サンシェード選びで最も重要なのがサイズです。
フロントガラスを隙間なく覆うことができなければ、遮光・遮熱効果は半減してしまいます。
最も確実なのは、自分の車種専用に設計された製品を選ぶことです。
専用設計品は、ルームミラー周りの切り欠きやドライブレコーダー、安全支援システムのカメラなどを避けるように作られているものが多く、フィット感は抜群です。
汎用品を選ぶ場合は、必ず自分の車のフロントガラスの幅と高さを正確に測定し、適合サイズを確認することが不可欠です。
少し大きめのサイズを選び、サンバイザーで調整するのも一つの方法です。

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【遮光性・遮熱性】素材ごとの効果をチェック

サンシェードの効果を大きく左右するのが遮光性と遮熱性です。
これらの性能は、主に使用されている素材によって決まります。
一般的に、表面がキラキラしたアルミシートで覆われているタイプは、太陽光を反射させて熱の吸収を防ぐため遮熱性が高いとされています。
一方、厚手の生地や黒色のポリエステル素材などは、光を吸収して遮光性が高い傾向にあります。
製品によっては「UVカット率99%」や「遮光率95%」といった具体的な数値が記載されている場合もあるため、これらの指標を参考に、自分の目的(温度上昇抑制か、紫外線対策か)に合わせて選ぶことが重要です。

【設置方法】毎日の使いやすさを左右する

サンシェードは、特に夏場は毎日使うことも多いアイテムです。
そのため、設置や撤去がスムーズに行えるかどうかは、使いやすさを大きく左右する重要なポイントになります。
例えば、傘タイプはワンタッチで開閉できる手軽さが魅力ですが、ワイヤータイプは広げるのは簡単でもたたむのにコツがいる場合があります。
また、折りたたみ式は設置に少し手間がかかるかもしれません。
自分の性格や駐車環境を考慮し、面倒に感じずに継続して使える設置方法の製品を選ぶことが、結果的に満足度を高めることにつながります。

【収納性】使わない時に邪魔にならないか

運転中は取り外しておく必要があるサンシェードは、使わない時の収納性も考慮すべき点です。
収納時にかさばる製品だと、助手席や後部座席を圧迫してしまい、邪魔に感じることがあります。
ワイヤータイプや傘タイプは非常にコンパクトに収納できる製品が多く、グローブボックスやドアポケットに収まるものもあります。
一方で、昔ながらの折りたたみ式は、コンパクトにはなりますが、ある程度の大きさは残ります。
購入前に収納時のサイズを確認し、車内のどこに保管するかをあらかじめ考えておくと、購入後の不満を防ぐことができます。

【デザイン】車外からの見た目も考慮する

サンシェードは車のフロント部分に設置するため、車外からの見た目、つまりエクステリアの一部とも言えます。
性能や使い勝手はもちろん重要ですが、デザイン性も選び方のポイントの一つです。
シンプルな無地のものから、キャラクターが描かれたもの、おしゃれな柄物まで、様々なデザインの製品が販売されています。
愛車のボディカラーや雰囲気に合わせて選ぶことで、駐車中の見た目も楽しむことができます。
毎日目にするものだからこそ、機能性だけでなく、自分が気に入ったデザインを選ぶことも、長く愛用するための大切な要素です。

まとめ

車のサンシェードは、車内温度の上昇抑制、紫外線による内装劣化の防止、プライバシー確保といった複数の効果が期待できるアイテムです。
一方で、サンシェード自体に冷却機能はなく、サイズが合わないと効果が半減します。
また、使用中の熱中症リスクや、装着したままの走行が道路交通法違反となる危険性も理解しておく必要があります。
サンシェードを選ぶ際は、車種に合ったサイズであることはもちろん、遮光性や遮熱性といった性能、設置や収納のしやすさ、デザインなどを総合的に比較検討することが重要です。
これらのポイントを踏まえ、自分の車の仕様やライフスタイルに最適な製品を選ぶことが求められます。

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この記事の監修者

浅野 悠

「株式会社はなまる」小売事業部 事業部長。1987年東京都生まれ。小学生から大学生までの間レーシングドライバーを目指し数多くの大会に出場。20代で飲食店経営に携わったのち、野菜配達の仕事に就くも、幼少期からの車への魅力を忘れられず自動車業界へ。中古車査定士の資格を取得し、自動車に関する豊富な知識をもとに、おもに車に起きるトラブルの対処法や車の豆知識に関するコラムを執筆。

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