- 2025.01.31
廃車とスクラップの違いは?損しないスクラップの方法について解説!
「廃車」と「スクラップ」は似たような言葉に思えますが、実は大きな違いがあります。言葉の意味を知らないまま車を処分してしまうと、思わぬ費用が発生したり、買取価格に差が出ることも。では、どのようにすれば損をせずに適切な車の処分ができるのでしょうか?
本記事では、廃車とスクラップの違いをわかりやすく解説し、費用を抑えつつ高価買取につなげるポイントについて紹介します。

車のスクラップとは?
車のスクラップとは、使用できなくなった車を解体し、再利用可能な部品や資源を回収する処分方法を指します。具体的には、車体を解体して金属やプラスチックなどの素材ごとに分別し、リサイクルに回されることが一般的です。
スクラップにすることで鉄やアルミなどの有価資源が再利用されるため、環境負荷の軽減にもつながります。
廃車との違い
「廃車」と「スクラップ」は混同されがちですが、実際には処分方法や目的に明確な違いがあります。廃車とは、車の使用を中止し、登録抹消の手続きを行うことまでを指します。一方スクラップは、廃車の手続きをした後に車を解体し、金属や部品を資源として再利用する工程を指します。
つまり、廃車手続きはあくまで車の登録上の処理であり、その後のスクラップ処理の前段階であるということです。ちなみに、廃車には「一時抹消登録」と「永久抹消登録」があり、スクラップにする場合は通常、「永久抹消登録」を行う必要があることを覚えておきましょう。
関連記事:車の解体屋とは?車処分で利用するメリットや流れなどを解説
車のスクラップが必要なケース
車をスクラップにする必要があるのはどのような場合なのでしょうか。ここでは、スクラップを検討すべき主なケースについて、3つの場合に分けて解説します。
車が全損した
まず、車が全損した場合はスクラップ処分を検討する方が良いでしょう。全損とは、修理費が車の市場価値を大幅に上回る状態を指し、保険会社から「経済的全損」と判断されるケースも少なくありません。
特に、フレームの損傷やエンジンの深刻な故障がある場合、修理を試みても安全性や走行性能の回復は難しく、結果としてコストがかさむことになります。この場合は、適切な方法で早めにスクラップする方が余計なコストがかかることを避けられます。
買取店で買取不可になった
買取店で査定を受けたものの、買取不可と判断された場合もスクラップを検討すべきです。買取の可否の判断には、車の状態や市場価値、需要の有無などが影響します。そのため、長年の使用による劣化や、走行距離の大幅な超過、主要部品の故障などがある場合は「買取不可」となります。
また、事故歴がある車や、人気の低い旧型モデルは査定額が大幅に下がるだけでなく、買取自体を断られることも少なくありません。こうした場合もスクラップに出すことで処分費用を抑えられ、そこから出た鉄やアルミなどは資源として再利用されるため、環境にも優しい選択となります。
車を処分する必要がある
車を処分しなければならない状況はさまざまですが、特に引っ越しや長期の海外転勤、家族構成の変化などが主な理由として挙げられます。例えば、都市部への転居によって車の必要性が低くなったり、維持費が負担になったりするケースがあります。
また、高齢になり運転を控える場合や、家族の成長に伴い車のサイズを変更する必要が出てくることもあるでしょう。このように、ライフスタイルの変化により不要になった車を処分する選択肢として、スクラップにすることが合理的であることもあります。
車をスクラップするのにかかる費用
では実際に、車をスクラップ処分する際にはいくら必要なのでしょうか?かかる主な費用は以下の通りです。

※これらの費用はあくまで目安となります。なお、リサイクル料金は新車購入時に支払済みであることが多いため、基本的に追加費用は発生しません。
そのため、合計で約20,000〜70,000円かかることが分かります。車の状態や業者によって異なるため、事前に確認することが大切です。
車をスクラップにする方法
車をスクラップにすると決めた場合、どこに依頼すれば良いのでしょうか?それぞれの依頼先には特徴があり、手続きの手軽さや価格に違いがあるため、自分の状況に合った業者を選ぶことが大切です。ここでは、車のスクラップの依頼先について、メリットとデメリットを挙げて詳しくお話していきます。
解体業者に依頼
まず一つ目の候補は解体業者です。解体業者とは、使用済みの車を適切に分解し、再利用可能な部品や素材を回収・処理する専門業者のことです。解体業者に車を直接売却する場合、高額買取の可能性や中間手数料の削減といった利点があります。
鉄くずとしての買取価格が他の業者よりも高額になることがあり、直接取引によって中間業者を介さずに済むため、手数料を抑えられることが特徴です。一方で、廃車手続きを自分で行う必要があるため手間がかかる点や、解体業者が個人からの依頼を受け付けないことが多いため、複数の業者に問い合わせる必要があるといった課題もあります。
ディーラーへ依頼
ディーラーへ依頼することも候補の1つです。ディーラーとは、自動車メーカー直営の販売店や、メーカーと特約店契約を結んだ正規販売店のことを指します。 ディーラーに廃車を依頼する場合、手続きの代行や純正部品の再利用による利益の可能性といった利点があります。
ディーラーは書類作成や陸運支局への提出などの手続きを代行してくれるため、煩雑な作業を省けます。また、純正部品が再利用可能と判断されれば、下取り価格がつき、処分費用を抑えられることがあります。
しかし、手続き代行費用として追加で1〜2万円程度がかかる場合や、新車販売を主な業務とするディーラーは、スクラップ車の買取価格が専門業者に比べて低くなる傾向がある点には注意が必要です。そのため、他の業者の方が高値で引き取ってくれることもあります。
廃車買取業者に依頼
廃車買取業者とは、使用できなくなった車や価値がほとんどない車を専門的に買い取る業者のことです。廃車買取業者を利用する場合、事故車や故障車、水没車など通常の中古車市場で価値がつかない車でも買取が可能であることが大きな利点です。
また、煩雑な廃車手続きを代行してくれるため、所有者の負担が軽減されます。さらに、引き取り費用が無料で提供されることが多く、追加コストを抑えられるほか、査定から引き取り、手続き完了まで迅速に対応してくれるため、スムーズに車を処分できます。
しかし、再販可能な車でも廃車前提の評価となるため、中古車買取業者に比べて買取価格が低くなる可能性がある点には注意が必要です。
お金をかけずにスクラップする方法
ここまで車のスクラップに関することについて詳しくご紹介してきました。しかし、お読みになった方で、車をスクラップにする際にどうしてもお金がかかってしまうことは避けられないように思われた方も多いでしょう。
しかし実は、方法次第で処分費用を抑えるだけでなく、費用を払ってもお釣りが来るほどの価格で買い取ってもらうことができるかもしれない方法があります。
廃車買取業者なら費用がかからない
廃車買取業者に依頼すれば、費用をかけずに車をスクラップ処分できます。その理由は、廃車買取業者は車の金属資源や再利用可能な部品に価値を見いだし、それらをリサイクルや中古部品として販売することで利益を得ているためです。そのため、処分費用が発生せず、場合によっては買取金額がつくこともあります。
つまり廃車買取業者を利用すれば、スクラップにかかるコストを削減しつつ、車の価値を最大限に活かすことができます。
売却するのも一つの手
車をスクラップにしようとする際は、「信頼できる廃車買取業者にあなたの車の価値を見極めてもらい、売却して利益を得る」という選択肢がベストです。例えば、使用済み自動車のリサイクル法に基づき、業者は車から鉄やアルミなどの貴重な資源を回収し、専門業者に売却します。
また、エンジンやバッテリー、エアコンなどの部品は修理用として市場に流通するため、価値が認められやすくなります。さらに、多くの廃車買取業者は引き取りや抹消手続きの代行を無料で提供しているため、ユーザーは手間をかけずに処分が可能です。まずは車の状態や市場の需要を見極めてもらうことが大切です。
車をスクラップにする注意点
それでは、車をスクラップにする際の注意点を見ていきましょう。ここに注意しておけば、安心してスムーズにスクラップできます。
手続きをどこまで代行してくれるのか確認する
車をスクラップにする際、業者によって代行してくれる手続きの範囲が異なるため、事前に確認することが大切です。例えば、廃車買取業者は解体から廃車手続きの為の書類提出まで一貫して代行を依頼できますが、解体しか行ってくれない業者も少なくありません。
その場合、自分で廃車手続きの為の書類を作成しなくてはならず、行政書士に代行してもらうなどの手間がかかってしまいます。また、ディーラーや中古車買取業者は、再販売可能な車の場合にのみ手続きを代行することが多く、車の状態によっては対応が異なる場合があります。
依頼前に業者がどの範囲まで手続きを代行してくれるのか、費用はどの程度かかるのかを予めきちんと確認しておきましょう。
関連記事:車をスクラップにする際の手続きについて
還付金の有無を確認しておく
また、廃車時に受け取る事ができる還付金についてもきちんと知っておきましょう。廃車時に受け取れる主な還付金として以下の3つがあります。
- 自動車税
- 自動車重量税
- 自賠責保険の未経過分
特に注意すべき点は、「廃車手続きが月をまたぐ場合、各種還付金に影響が出る」ということです。還付金は月割りで計算されるため、手続きが月をまたぐと還付金額が減少してしまいます。
例えば、自動車税の還付金は廃車手続きを行った翌月から年度末までの月数に応じて計算されます。そのため、月末に手続きを行うと、還付金額が1か月分少なくなる可能性があります。(軽自動車の場合は自動車税の還付制度がないため、廃車手続きを行っても還付金を受け取ることはできません。)
また、自賠責保険の解約返戻金も契約期間の残り月数に応じて計算されます。解約手続きが遅れると、返戻金が減少するだけでなく、解約手続き自体ができなくなることもあります。
これらの点を踏まえ、廃車手続きはなるべく月の初めに行い、還付金の受け取り漏れや減額を防ぐことが大切です。手続きの詳細や必要書類についてより詳しく知りたい方は、各自治体の窓口や専門業者に相談してみましょう。
関連記事:廃車にする際の自動車税の還付金を受け取る手順や手続き、条件を解説!
廃車の売却ならソコカラ!
廃車とスクラップの違いを正しく理解し、適切な方法で処分することは、費用を抑えつつ車の価値を最大限に引き出すために大切です。解体業者やディーラー、廃車買取業者など、依頼先によってサービス内容や費用が異なるため、慎重に選ぶ必要があります。
また、手続きの代行範囲や還付金についてを事前に把握することで、思わぬ損を防ぐことができます。不要になった車を処理する際は、コストを最小限に抑えつつ、環境にも配慮した対応を心がけましょう。
ソコカラは、自社物流ネットワークによって中間コストをカットしていることから、高価買取を実現しております。日本のどこでも、査定から引き取りまでスマホで完結するので、遠方の方やお忙しい方でも安心。さらに査定費用・引取費用・手続き費用0円!車の買取を考えている方は、ぜひお気軽にご相談ください。

この記事の監修者
澤井 勝樹
「株式会社はなまる」監査役。1975年生まれ。10年近く会計事務所で経理総務全般の経験を積みながら、税理士、行政書士登録。その後、IT系ベンチャー企業のIPOの準備に携わるなど活動。現在はインターネットとクルマの可能性を世の中に伝えたいとソコカラコラムを執筆中。家族・食べること・愛車のセレナが大好き。おもに廃車の手続きや税金に関するコラムを執筆している。
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