- 2020.06.25
イグニッションコイルとは、寿命や交換時期についても紹介
イグニッションコイルとは、エンジンを始動させるために必要な部品のひとつです。非常に高い電圧を発生させる装置なので、ある程度の期間車を利用していると、少しずつ劣化していきます。寿命を迎えたイグニッションコイルを使いつづけると、エンジンのかかりが悪くなったり、速度が出なくなったりするため、商品交換の目安を知っておきましょう。
今回は、イグニッションコイルがどのようなパーツなのか、どの程度の期間利用したら交換すべきなのかなどを解説していきます。
イグニッションコイルはエンジンの始動に必要なパーツのこと
イグニッションコイルとは、簡単に説明するとエンジンをかける際に必要なパーツのひとつです。
車のエンジンは、吸気した空気とガソリンを圧縮してつくった、混合気と呼ばれる気体を燃やして動力を生み出しています。このとき、圧縮した空気とガソリンを混ぜたもの、混合気に火をつけるために必要なのが、電圧をかけると火花を発生させるスパークプラグです。
ただし、スパークプラグを動作させるためには、非常に高い電圧をかける必要があります。自動車のバッテリーは12Vなので、バッテリーだけでスパークプラグを動作させることはできません。そのため、イグニッションコイルという部品を使って、バッテリーから供給されている電気の電圧を、スパークプラグを動かせるレベルまで増幅させています。
イグニッションコイルがなかったり、壊れていたりすると、スパークプラグが動作せずガソリンを燃やせないので、車のエンジンがかかりません。
イグニッションコイルは走行距離10万kmが交換の目安
イグニッションコイルの寿命・交換時期の目安は、「新品に交換してから10万km走ったとき」です。イグニッションコイルは、非常に高い電圧を扱う部品なので、エンジンを使えば使うほど劣化が進みます。長距離を移動したり、頻繁にエンジンをかけたりするとそのぶんダメージが蓄積されていくため、「車を買ってから何年経過したのか」よりも走行距離を基準にしましょう。
イグニッションコイルの交換費用は1本あたり1万円前後
なお、イグニッションコイルの交換にかかる費用は、コイル1本あたり工賃込みで1万円前後です。ただし、イグニッションコイルは1つのエンジンに複数搭載されています。取り付けた時期が同じなら、1本だけでなくほかのイグニッションコイルにも不具合が出ている可能性があるので、できればまとめて交換してもらいましょう。
また、イグニッションコイルによって動くスパークプラグも、イグニッションコイルと同時期に寿命を迎えます。イグニッションコイルとスパークプラグを同時に取り替える場合、数万円の交換費用が必要になるため、「10万km走ったらそれなりのメンテナンス費用がかかる」と考えておくのがおすすめです。
イグニッションコイルの交換時期に生じる不具合
イグニッションコイルが劣化してくると、以下のような不具合が発生します。イグニッションコイル交換の目安として、よくある不具合を押さえておきましょう。
エンジンがかかりにくくなる
通常、車のキーを回すと、すぐにガソリンの燃焼がはじまってエンジンがかかります。しかし、イグニッションコイルが劣化していると、燃料の着火に必要なスパークプラグが動かないので、エンジンに火が入りません。
通常、車のキーを回すと、すぐにガソリンの燃焼がはじまってエンジンがかかります。しかし、イグニッションコイルが劣化していると、燃料の着火に必要なスパークプラグが動かないので、エンジンに火が入りません。
「最近キーを何度も回さないとエンジンがかからなくなった」と感じたら、イグニッションコイルの不具合を疑いましょう。
アイドリング中にエンジンが止まったり不安定になったりする
イグニッションコイルが故障すると、吸気・圧縮・燃焼・排気というエンジン動作の4サイクルがうまく回らなくなります。こうした状況で増えるのが、マフラーからの異音や、音量のばらつきです。エンジンの動作そのものが不安定になるため、エンジンが止まるケースもあります。
出発前にカーナビを操作している最中や信号待ちの時間など、アイドリング中に音や振動面の不具合を感じたら、車を修理業者に持っていきましょう。
アクセルを踏み込んでもスピードが出づらくなる
イグニッションコイルの故障事例としてよくあるのが、加速の不具合です。イグニッションコイルが不調だとエンジンの出力や動作が不安定になるため、アクセルを踏み込んでもなかなか速度が出ないといった症状が現れます。
不調を感じたらパーツを点検・交換しましょう
自動車は、イグニッションコイルが正常な状態でないとエンジンがうまくかかりません。アイドリング中にエンジンの音や排気が不安定になったり、エンジンが止まったり、アクセルを踏んでも速度が出なくなったりしたら、寿命を迎えている可能性が高いです。目安として、10万km近く走ったらイグニッションコイルやスパークプラグを点検し、異常があれば交換しましょう。
澤井 勝樹
「株式会社はなまる」監査役。1975年生まれ。10年近く会計事務所で経理総務全般の経験を積みながら、税理士、行政書士登録。その後、IT系ベンチャー企業のIPOの準備に携わるなど活動。現在はインターネットとクルマの可能性を世の中に伝えたいとソコカラコラムを執筆中。家族・食べること・愛車のセレナが大好き。おもに廃車の手続きや税金に関するコラムを執筆している。
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