- 2020.05.18
台風で車に損害が生じた場合の対処法について
日本では毎年夏を中心に台風が発生しており、2011年~2020年の平均発生数は約26個でした。[注1]
そのうち、日本に上陸する数は平均3.7個ですが、ひとたび台風が上陸すると家屋や車に甚大な被害が及びます。[注2]
特に大型の台風が上陸した場合、ほとんどの地域が被害に見舞われますので、万一に備えて、台風被害を受けた時に取るべき行動をチェックしておきましょう。
今回は、台風で愛車に損害が生じた場合の対処法について解説します。
[注1]気象庁「台風の発生数」
https://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/typhoon/statistics/generation/generation.html
[注2]気象庁「台風の上陸数」
https://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/typhoon/statistics/landing/landing.html

被害台数は10万台!甚大な被害をもたらした台風19号
日本では過去に大型の台風がいくつか上陸していますが、直近では2019年10月に発生した「台風19号」が記憶に新しいところでしょう。
政府によって激甚災害、特定非常災害、大規模災害復興法の非常災害などが適用された台風19号は、関東・甲信地方や東北地方に記録的な大雨と暴風をもたらし、各地に甚大な被害をもたらしました。
台風19号による被災車両の数は、およそ10万台と見込まれており、交通インフラの復旧が大きく妨げられたことはもちろん、持ち主が大きな経済負担を強いられたことも広く報道されました。
今回難を逃れた地域でも、再び台風19号レベルの大型台風が発生した場合、同じような被害に遭うおそれがあります。
他人事とは思わず、台風で車が被災した際、なるべくスムーズに対処する方法を知っておくことが大切です。
台風で車が被害を受けた場合の対処法
大型台風による車の被災事例のうち、最も多いのが記録的大雨による冠水・浸水です。
冠水・浸水車は、一見したところ問題がなさそうに見えるため、水が引いた後にエンジンをかけて自走してしまいがちです。
しかし、水が車両に与えるダメージは大きく、見えない部分が破損・故障している可能性があります。 場合によっては大きなトラブルに発展するおそれもありますので、台風で車が冠水・浸水した時は以下の点に注意し、適切に対処しましょう。
自分でエンジンをかけない
一度冠水・浸水の被害にあうと、車内に水や土砂などの異物が混入します。
その状態でエンジンをかけてしまうと、エンジンのウォーターハンマーや電気系統にショートが起こり、火災や爆発の原因となります。
たとえ水が引いても、自分でエンジンをかけて自走させることのないよう注意しましょう。 また、発火のリスク対策として、バッテリーのマイナス側のターミナルを外してテープで覆い、バッテリーと接触しないよう処置します。
専門業者にレッカーしてもらう
他所で被災した車両を自宅のガレージに戻す、あるいは冠水・浸水した車を修理に出す場合は、JAFや自動車保険のロードサービス、整備工場、自動車ディーラーなどに連絡し、レッカーを依頼しましょう。 特にハイブリッド車や電気自動車など、高電圧のバッテリーを搭載している車は、むやみに触れると感電などのリスクがありますので、プロに処置を任せた方が安心です。
台風による車の損害は車両保険でカバーできる
台風で被災した車に車両保険をかけていた場合、台風によって受けた損害を補償してもらえます。
車両保険の規定は商品やプランによって異なりますが、実際の損害に応じた修理費から、自己負担分(免責金額)を差し引いた額が保険金として支払われます。
冠水・浸水で全損となった場合は、満額の車両保険金が支払われるため、車両保険に加入しているのなら保健会社に連絡し、保険金の請求手続きを行いましょう。 台風による損害が補償されるケースには、以下のようなものがあります。
■台風による冠水・浸水
台風による大雨や洪水、高潮などによって道路や駐車場が冠水し、契約車両が水没した場合、保険金が支払われます。
■台風による他の車との衝突
台風にともなう暴風や洪水によって他の車両に衝突し、契約車両が損害を受けた場合、補償の対象になります。
■台風による土砂災害
台風が原因で土砂災害が発生し、契約車両が損傷した場合、補償を受けられます。
■台風を原因とする飛来物による損害
台風による暴風・強風で家の瓦や看板などが飛んできて車両にぶつかった場合、その損害が補償されます。
廃車にする前に廃車・事故車買取業者に持ち込むのがおすすめ
台風によって大きな被害を受けた車は、修理不能または多額の修理費用がかかる場合がほとんどです。
特に水没した車は、エンジンや電気系統の不具合だけでなく、内装にカビや雑菌が繁殖し、アレルゲンや悪臭に悩まされる可能性があります。
そのため、台風で被災した車両の多くは廃車になりますが、手続きにはそれなりの時間と費用がかかってしまいます。
もし廃車を検討するのであれば、事故車や水没車の買取に対応している廃車・事故車買取業者に査定を依頼することをおすすめします。
ほとんどの場合、手数料0円で廃車を代行してもらえるほか、車種や状態によっては高額買取が期待できます。 自分で廃車にするより断然お得ですので、台風の被災車両の処分に悩んだ時は、廃車・事故車買取業者にコンタクトを取ることをおすすめします。
台風で車が被害を受けたら、適切な方法で対処しよう
台風による大雨や暴風、洪水、高潮などによって車が大きな被害を受けたら、被害状況に応じて適切な対処を行う必要があります。
特に車が冠水・浸水した場合は、むやみにエンジンをかけると発火・爆発の危険性がありますので、専門業者にレッカーを依頼するのが無難です。 車両保険に加入していれば損害は補償されますが、もし廃車を検討するのであれば、廃車・事故車買取業者に査定を依頼した方が手間が省けます。

この記事の監修者
澤井 勝樹
「株式会社はなまる」監査役。1975年生まれ。10年近く会計事務所で経理総務全般の経験を積みながら、税理士、行政書士登録。その後、IT系ベンチャー企業のIPOの準備に携わるなど活動。現在はインターネットとクルマの可能性を世の中に伝えたいとソコカラコラムを執筆中。家族・食べること・愛車のセレナが大好き。おもに廃車の手続きや税金に関するコラムを執筆している。
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