- 2024.08.22
車を擦った時、自分で直す?パーツごとの修理費用を徹底調査
慎重に運転していても、コーナーや狭い駐車場で、車を擦ってしまうことはあります。そんなときは、予期せぬトラブルに動揺してしまうものですが、まずは適切に対処しましょう。今回は、車を擦ったときにやるべきこと・やってはいけないことを、解説していきます。
車を擦ったときにやるべき3つのこと
まずは車を擦った時にやるべきことを3つご説明します。
どこで車を擦ったか確認する
まず、車を運転していて何かに擦ったことに気がついた場合、どこで接触して起きた事故なのかを確認しましょう。自宅の駐車場など、自身が所有している土地などで車を擦った場合は問題ありませんが、他人の家の外壁や公共施設、他者の車であった場合には、相手のあるトラブルとなるため、必要となる対応が変わってきます。
警察や保険会社に連絡する
車の傷がわずかしかない場合は特に何もしない人が多いです。所有する敷地内で起こった事故であれば、それでも問題はありません。もちろん擦った部分が原因となって故障につながることもあるので、早めに修理するに越したことはないのですが、個人的な問題として片づけることができます。
一方で、公共施設の駐車場などで他者が所有する土地で擦ってしまった場合は、車の傷だけではなく、車が擦った場所も破損、損失している可能性があります。速やかに警察と保険会社に連絡する必要があります。保険会社や警察への連絡方法については「自損事故とは?保険会社や警察への連絡はどうすればいいの?」の記事をご覧ください。
また、修理を保険で賄うかどうかはよく考えましょう。保険を利用してしまうと、月々の保険料が増大します。修理費用がわずかであれば、現金で支払ったほうがよい場合もあります。どちらのほうが安く済むかを考えて判断しましょう。
修理をするかどうかを判断する
車を擦ったら、傷の度合いで修理すべきかどうかを判断します。塗装が剥がれてしまうと、そこから錆が侵食する可能性も高いため、早めに修理するのをおすすめします。
走行中の車の中には、少々傷が入っている車も多いでしょう。すぐに買い換えるつもりの場合は、傷を直さないという選択もあります。しかし、錆が侵食した場合、車の運転機能に支障が出ることもあります。さらに大きなトラブルにつながるため、基本的には直す方向で考えたほうがよいでしょう。
車を擦ったときにやってはいけない2つのこと
車を擦ったときに、やってはいけないこともあります。その中でも特に注意していただきたい2つを解説していきます。
擦ったときに逃げてはいけない
少し車を擦っただけでも、さまざまな問題が発生します。それらを避けるために、とっさに逃げてしまうことがあるかもしれません。しかし、それは最もやってはいけない行為です。
警察に連絡を行わないと、事故報告義務違反として罰せられることもあります。傷が少しだったからという言い訳は通用しません。どのような状態であっても、車を擦った場合は、必ず報告しなくてはいけないということを忘れないようにしましょう。3ヶ月以下の懲役、5万円以下の罰金が課せられることもあります。
「自分で修理」はやらないほうがよい
傷の度合いによってはご自分で修理を試みる方もいらっしゃるようです。車の仕事を専門にして、しっかりとした技術と知識があるのであれば問題ありません。しかし、素人の方が修理を行うと傷が広がってしまったり、他のパーツにも影響が出てしまったりすることがあるのでやめておきましょう。
自分で修理しても車検に通らないことがある
擦った部分が車検に通らない程度の傷である車を、なんとか自分で修理を行い、車検に通すというのは無理があります。素人から見ると、車の傷はほぼ直っているように感じるかもしれません。しかし、素人の技術で直したことは、車検を行うようなプロが検査すれば、不十分と判断されます。この場合、追加で修理の費用を支払うことにもなりかねません。最初から修理業者に依頼をしたほうがよいでしょう。
自分で修理するのはリスクが高い
車の傷を自分で直すと、余計な傷がつくこともあります。結局、修理業者に依頼した際の費用が増大する要因となりかねません。また、直さなくてはいけない部分に凹凸ができてしまい、修復が不可能になってしまうこともあります。最悪の場合、廃車にする以外に対処ができなくなってしまうこともあります。
擦った車の傷は修理した方が良い?
愛車のボディにできた傷は、ちょっとした擦り傷でも目立ちやすく、見た目に影響を与えてしまいます。狭い道での枝や壁への接触、高速走行中の小石の跳ね上がりなど、様々な状況で傷はつきやすく、塗装が剥がれればより目立つだけでなく、サビの発生にも繋がります。サビは、放置すれば車体へのダメージを拡大させ、修理の際にはサビ落としが必要となり、修理費用も高額になる可能性があります。愛車を長く乗り続けるのであれば、傷を見つけたら早めの修理がおすすめです。
また、傷は愛車の価値にも影響を与え、買取価格を下げる要因となることも忘れてはいけません。爪が引っかからない程度の浅い傷であれば、査定に大きな影響はないかもしれませんが、塗装が剥がれたり、へこみがある場合は、数万円から数十万円もの減額に繋がる可能性があります。傷の大きさや深さ、車種によって減額幅は大きく異なるため注意が必要です。修理すれば査定価格が上がる可能性もありますが、修理費用の方が高額になる場合もあります。そのため、車両保険やメーカー保証を利用できる場合を除き、売却直前の修理はおすすめしません。車の傷は、早期発見・早期修理が大切です。
業者に修理を依頼する時の注意点 ・選び方
では、どのような点に注意して修理業者を選んだら良いのでしょうか?業者と一口に言っても、良いところもあればそうでないところもあります。ここでは、業者の選び方や修理を依頼する際の注意点をご紹介します。
ディーラーに依頼すると高くなる!各業者の修理費用を比較する
同じ修理でも業者によって料金は様々です。ディーラーは安心感がありますが、価格が高めな傾向にあります。一方、カーショップや塗装専門業者はディーラーよりもリーズナブルな場合が多いですが、店舗によって料金は大きく異なります。
そこで便利なのが、複数の業者に見積もり依頼できる「料金比較サイト」です。傷の状態などの詳細を入力するだけで、複数の業者から概算の修理費用をメールや電話で受け取れます。短時間で複数の見積もりを比較できるので、時間とお金の節約になります。車の修理を検討されている方は、ぜひ料金比較サイトを活用してみてはいかがでしょうか。
経験豊富な業者を選ぶ
経験豊富な業者を選ぶことは非常に重要です。多くの業者のウェブサイトには「累計〇〇件の修理実績有!」と記載しているところもあります。長年経営を続け、数多くの修理実績を誇る業者は、顧客から信頼を得ている証と言えるでしょう。しかし、作業実績が多い業者であっても、作業員の数が多い場合は、担当する作業員によって仕上がりにばらつきが生じる可能性があります。特定の作業員に依頼したい場合は、修理依頼前に担当者を指名することをおすすめします(すべての業者で対応しているわけではありません)。
業者ごとの修理の強みを見極める
自動車修理の専門分野は業者によって異なります。小さな傷の修復を得意とする業者もあれば、大きな損傷の修理を得意とする業者も存在します。さらに、車の材質によって得意・不得意が分かれる場合もあるため、口コミなどを参考に業者の実績を事前に確認することが大切です。
パーツ別|修理費用の相場
愛車の小さな擦り傷、放置すると気になる存在ですよね。専門業者に修理を依頼する場合、気になるのはやはり費用。一体どれくらいかかるのでしょうか? 今回は、車の擦り傷修理の費用相場を、パーツ別に詳しく解説して行きます。愛車の修理を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
パーツ | 修理費用 |
バンパー | 軽度::1万円~3万円程度 大きな傷やパーツの歪み:3万円~5万円 |
フェンダー | 3万円~5万円程度 |
ドア | 軽度:3万円~6万円程度 サイドミラー:約3万円~5万円(全交換) ドアガラス:8万円~20万円程度 |
リアゲート | 軽度:1万円~5万円 |
バンパーの相場
バンパーの修理費用は、傷の大きさや損傷状況によって大きく異なります。手のひらサイズの小さな傷やへこみ程度であれば、フロント、リアともに1万円~3万円程度が相場です。バンパーは比較的傷つきやすく、修理にはパーツの取り外しや交換が必要になることが多いため、工賃が高くなる傾向があります。
しかし、手のひらよりも大きな傷やパーツの歪みなどが見られる場合は、修理費用は3万円~5万円程度に上昇します。また、バンパーの損傷が大きい場合は、車のフレームやフェンダーにも損傷が及んでいる可能性があります。そのため、修理を依頼する際は、ある程度の費用がかかることを想定しておくことが大切です。
フェンダーの相場
車の側面を保護するフェンダーは、擦り傷がつきやすい場所のひとつです。小さな傷でも、フェンダーは取り外しが難しいパーツのため、修理費用は3万円~5万円と高額になる場合もあります。傷が大きく、修理が困難な場合は、フェンダーの交換が必要になります。さらに、ドアやバンパーなどの他の部分も同時に損傷している場合は、修理費用が大幅に高くなるため注意が必要です。
ドアの相場
車のドアは、走行中に飛び石や木の枝などが当たりやすく、知らない間に細かい傷がついていることも少なくありません。こうした傷は、放置しておくとサビの原因にもなりかねません。小さな傷であれば、3万円~6万円程度の費用で修理できることが多いですが、損傷が大きい場合は、パーツの交換が必要となるため、費用が大幅に高くなる可能性も。ドアガラスやサイドミラーなどの関連部品が破損した場合も、交換が必要となるケースが多く、サイドミラーは全交換で約3万円~5万円、ドアガラスは8万円~20万円程度の費用がかかります。軽自動車の場合は、ガラスの交換費用が比較的安く済むことが多い一方、大型車両の場合は高額になる傾向があります。
リアゲートの相場
駐車時のバックや荷物の出し入れ時に、リアゲートを擦ってしまうことはよくあることです。軽度の擦り傷であれば、修理費用は1万円~5万円程度で済むことが多いですが、状況によっては高額になることもあります。リアゲート周辺には、ライトやウインカーなどの灯火類、バンパー、リアエンドパネルなど、様々な部品が集中しています。これらの部品に傷がついた場合、修理範囲や部品の交換が必要になる可能性もあり、注意が必要です。
傷の程度別|修理費用の相場
車のボディを美しく保つために、外装の傷は気になるものですよね。幸いなことに、カラースプレーとクリアコーティングで保護された現代の自動車は、ちょっとした傷なら比較的安価に修理できる場合があります。しかし、修理費用は傷の程度や種類によって大きく変わります。こちらでは、傷の程度ごとに修理費用を詳しく解説していきます。
軽度の傷の場合
車の外装、特にクリア層にできた傷は、修理箇所によって費用が大きく変わります。小さな傷であれば、コンパウンドで研磨できる場合もあり、専門業者に依頼しても比較的安価に済むでしょう。しかし、専門業者では傷の大きさや個数によって費用が算出されることが一般的です。そのため、小さな傷であっても複数ある場合は、修理費用が高額になる可能性があります。数千円から数万円という幅広い費用が想定されますので、事前に複数の業者に見積もりを取ることがおすすめです。
中度の傷の場合
塗装が削れてしまった傷は、クリア層のみの傷と比べて修理費用が高額になる傾向があります。損傷箇所の場所や程度によって異なりますが、数千円から数万円程度の費用がかかるケースが多いでしょう。特に、パールやメタリック系の塗装、または塗装が剥がれてサビが発生している場合は、専用の塗料やサビ落としが必要となるため、さらなる費用が発生する可能性があります。
重度の傷の場合
車の金属パーツに直接ダメージが加わってしまった場合、修理費用は状況によって大きく変わります。軽い傷であれば2万円~5万円程度で済むこともありますが、鉄板まで達しているような深刻な傷は、塗装業者だけでは対応できないケースがあり、数センチの傷であっても高額な費用が発生する可能性があります。さらに、金属にできた傷は放置するとサビが発生しやすく、サビ落としには別途費用がかかってしまうことも。傷の場所や深さによっては、パーツを一度取り外して修理や交換が必要になる場合もあります。ドアやフレームなど大きなパーツの交換となると、10万円を超えるケースも珍しくありません。修理費用が高額になったり、修理が難しい場合は、買い替えも検討する必要があるでしょう。
車の擦り傷の修理には時間がかかることが多い
小さな擦り傷なら目視で確認できるかどうか微妙なレベルかもしれませんが、修理業者に依頼するほどの深い傷の場合、すぐに直るわけではありません。こちらでは、一般的な擦り傷の修理工程とその所要時間について解説します。
擦り傷修理の流れ
- 擦り傷の状態をチェック
- 板金処理・へこみの処理
- 塗装の下準備
- 車輌の色に合わせて塗装
- コンパウンドで磨き上げ
- 作業完了
まずは擦り傷の状態をチェック。研磨剤で磨けば消せる程度の傷であれば、研磨で完了です。しかし、研磨しても消えない傷は板金修理が必要となります。傷に加えてへこみがある場合は、同時にへこみの修理も実施します。この際に、パテを用いて元の形状を復元する工程が必要となることもあります。
板金作業が完了したら、塗装のための下準備に入ります。塗料の密着性を高めるために、下地処理は欠かせません。同時に、修理箇所以外の部分に塗料が付着しないよう、丁寧に養生を行います。その後、車両の色に合わせて調色を行い、塗装を実施。最後に、コンパウンドで磨き上げて作業完了です。
まとめ
車に傷がついた時、誰もが不安になりますよね。特に、擦り傷は自分で直そうにもなかなか難しいものです。そんな時は、プロの力を借りることがおすすめです。専門業者に依頼すれば、見た目の仕上がりも美しく、愛車の価値を損なわずに済むでしょう。もちろん、業者によって料金は異なるため、複数の業者から見積もりを取って比較検討することが大切です。納得のいく価格で、車を美しく蘇らせることができる業者を選びましょう。
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この記事の監修者
浅野 悠
「株式会社はなまる」小売事業部 事業部長。1987年東京都生まれ。小学生から大学生までの間レーシングドライバーを目指し数多くの大会に出場。20代で飲食店経営に携わったのち、野菜配達の仕事に就くも、幼少期からの車への魅力を忘れられず自動車業界へ。中古車査定士の資格を取得し、自動車に関する豊富な知識をもとに、おもに車に起きるトラブルの対処法や車の豆知識に関するコラムを執筆。
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