ウォーターポンプから異音がする原因と対処法

ウォーターポンプは、エンジンの過熱を抑えるために必須のパーツであり、トラブルが起きると高確率で異音が発生します。ウォーターポンプの故障を放置すると、最悪の場合エンジンが壊れてしまうので、ウォーターポンプの重要性やウォーターポンプから異音がする原因・対処法などを押さえておきましょう。
目次
ウォーターポンプの役割はエンジンのオーバーヒートを防ぐこと
車のエンジンに搭載されているウォーターポンプの役割は、エンジンの過熱を防ぐことです。車のエンジンは、ガソリンを燃やして動力を生み出しているため、使いつづけると温度が高くなっていきます。熱に強いゴムや金属などのパーツも、高温にさらされつづけるといずれ壊れてしまうので、エンジンには冷却装置が必要不可欠です。
そこで、エンジンでは空冷と水冷という2種類の冷却方法が採用されています。
空冷式とはエンジンが発した熱を、外気の空気を直接利用して冷却するエンジンです。冷却方式として、とても原始的な方式であり、また一番シンプルなものでもあります。見た目としてはシリンダーやシリンダーヘッドに冷却フィンが装着されているのが特徴です。
水冷式とは、エンジン内部に水を循環させ、排熱を行う方法で、現在では一番ポピュラーな冷却方式です。
ウォーターポンプが故障したり、うまく動作しなくなったりすると、エンジンを冷やすことができないので、エンジンがダメージを受けてしまいます。
パーツの破損や冷却水の漏水など!異音が発生する原因と対処法
ウォーターポンプの故障は、「異音」や「冷却水の水漏れ」といった形で出てくることが多いです。ただ、冷却水の水漏れは、ボンネットを開けてエンジンの状態をチェックしないとなかなか気づけないので、「聞き慣れない異音」がしたら、ウォーターポンプの異常を疑いましょう。
漏れ出た冷却水がファンベルトに付着してベルト鳴きが発生している
エンジン内部に侵入したゴミのかみ込み
パッキンやパーツの破損
ウォーターポンプの締め込み不足
といった問題があると、本来エンジン内部のパイプを循環しているはずのクーラントが漏れ出てしまいます。もう少し詳しく解説すると、漏れた冷却水がエンジンの外にあるファンベルトに付着し、冷却水が蒸発する際に残った物質がこすれて、異音が発生するというトラブルです。
水漏れによるベルト鳴きは、エンジンを解体してファンベルトを清掃し、壊れたウォーターポンプを新品に交換すれば解消できます。
ベアリングの破損によっても異音が発生する
ベアリングの破損も異音を発生させる原因のひとつです。強い衝撃を受けてベアリングがゆがんだり、潤滑油が切れたまま使いつづけて金属球が割れたり摩耗したりすると、ベアリングの動きが悪くなって異音が出てしまいます。
ただし、壊れた玉だけを取り替えても、ベアリングはなめらかに動きません。なぜなら、経年劣化によって、まだ問題の起きていない金属球も、若干大きさが変化しているケースが多いからです。ベアリングの破損による異音を解消するためには、ウォーターポンプを取り替える必要があります。
部品のゆるみなどによる振動から異音が出るケースもある
部品の固定がゆるんでしまったり、冷却水が蒸発して減ってしまったりした結果、過剰な振動が起きて異音が出るケースもあります。部品のゆるみが原因なら、パーツを改めて固定するだけで対処可能です。冷却水不足による異音なら、クーラントを買ってきて注ぎ足すことで異音を消せるでしょう。
ただし、異音が出ている状態が長く続くと、部品同士が強くぶつかってパーツが壊れたり、すり減ったりしてしまいます。パーツの形状がかわると元の状態には戻らないので、必要に応じてウォーターポンプの交換が必要です。
ウォーターポンプは10万キロ前後で寿命がくるので交換する
車のウォーターポンプは、約10万kmで寿命がくるとされています。1年で約1万km走ると考えれば、おおよそ10年ごとにウォーターポンプの交換が必要になる計算です。ウォーターポンプの故障はエンジン全体の故障につながるため、異音がしたら一刻も早く専門業者で検査してもらいましょう。
なお、ウォーターポンプの交換だけなら、1万円から2万円程度で修理できます。ただし、ウォーターポンプ自体はそう頻ぱんに壊れるものではありません。ファンベルトやタイミングベルトなどの劣化が組み合わさって異音が出ているケースも多いので、古い車でウォーターポンプ以外の修理も必要なら、思い切って廃車も視野に入れた方が良いかもしれません。
ウォーターポンプの管理が大事!異音が聞こえたら交換を考える
エンジン用の冷却水を入れ替えるためのパーツ、ウォーターポンプに異常があると、異音や水漏れといったサインが出ます。異音を放置したまま車を動かしつづけると、最悪の場合エンジンがオーバーヒートして使えなくなります。異音に気づいたら冷却水の残量をチェックしたり、ウォーターポンプを交換したりして、適切な状態を維持することをおすすめします。
ただし、状態によっては周辺パーツを含めた交換も必要です。修理費用が高額になるなら、廃車にしたり車を売却したりすることも考えましょう。
この記事を書いた人
この記事が気に入ったらいいねしよう!最新記事をお届けします。