- 2020.11.13
シートベルトは後部座席でも必ずしないといけないの?一般道・高速道路での違い
2008年の道路交通法改正により、シートベルトの全席着用が義務化されました。後部座席でもシートベルトは必ず着用しなければなりません。警察庁とJAFの合同調査(令和元年度)によると、後部座席のシートベルト着用率は一般道路で39.2%、高速道路で74.1%と、運転席や助手席と比べてまだまだ低い水準です。[注1]
後部座席でシートベルトを着用していないと、高速道路では「シートベルト装着義務違反」に問われるばかりか、交通事故の致死率も跳ね上がります。この記事では、後部座席のシートベルト着用の義務化の経緯や、シートベルトを正しく着用しなかった場合の危険性について解説していきます。

シートベルトの着用は後部座席も義務!一般道・高速道路の罰則の違い
2008年に道路交通法が改正されたことで、シートベルトの着用が後部座席も含めて義務化されました。ここでは、後部座席のシートベルト着用義務化の詳細や、一般道・高速道路での「シートベルト装着義務違反」の違いを説明します。
2008年の道路交通法改正で全席着用が義務化
2008年の道路交通法改正により、第71条の3 第1項および第2項で、シートベルトの全席着用が義務付けられました。関係がある条文は次のとおりです。
第1項
自動車(大型自動二輪車及び普通自動二輪車を除く。以下この条において同じ。)の運転者は、道路運送車両法第三章及びこれに基づく命令の規定により当該自動車に備えなければならないこととされている座席ベルト(以下「座席ベルト」という。)を装着しないで自動車を運転してはならない。
第2項
自動車の運転者は、座席ベルトを装着しない者を運転者席以外の乗車装置(当該乗車装置につき座席ベルトを備えなければならないこととされているものに限る。以下この項において同じ。)に乗車させて自動車を運転してはならない。
[注1]
第2項において、「座席ベルトを装着しない者」を「運転者席以外の乗車装置」に乗せてはならないと明文化されています。運転中にシートベルトを未着用の場合、「後部座席シートベルト装着義務違反」に問われる恐れがあります。
後部座席のシートベルト装着義務違反は、一般道・高速道路で罰則が違う!
シートベルト装着義務違反に問われると行政処分が科されます。後部座席シートベルト装着義務違反の場合、高速道路の走行中のみ違反点数1点が付されます。

なお、いずれの場合も反則金は科されません。また、一般道路では後部座席シートベルト装着義務違反による行政処分は科されませんが、だからといってシートベルトを着用しなくてよいわけではありません。後部座席でシートベルトを着用していないと、交通事故の致死率が跳ね上がるという統計があるからです。
後部座席でシートベルトを着用していないとどうなる?統計で見る危険性
後部座席でシートベルトを着用していないと、具体的にどれくらい交通事故の危険性が上がるのでしょうか。警察庁発表の2つの統計を紐解きました。[注1]
シートベルト着用時に比べ、高速道路では致死率約11.7倍になる
過去10年(平成22年~令和元年)の後部座席同乗中の交通事故の統計を見ると、シートベルト着用者・非着用者で致死率に大きな差があることがわかります。

後部座席の乗員がシートベルトを着用していない場合、高速道路では交通事故の致死率が約11.7倍、一般道路では致死率が約3.3倍に上昇しています。
車外に放り出されたり、車内で全身を強く打ったりする危険も
続いて、過去10年に後部座席で発生した死亡事故の内訳を見てみましょう。
もっとも多いのは車内で全身を強く打つ「車内部位衝突(684人)」で、死亡原因の66.7%を占めています。
次いで、車の外に勢いよく放り出される「車外放出(261人)」が2番目に多く、全体の25.5%です。もしも、時速60kmで走行中に自動車が衝突した場合、乗員は高さ14メートルのビルから落下するのと同じ衝撃を受けます。
また、後部座席の人が勢いよく投げ出されると、運転席や助手席の人も巻き込む死亡事故につながるリスクがあります。後部座席用のシートベルトをきちんと着用することは、自分だけでなく他人の命を守ることにつながります。
後部座席でもシートベルト着用は義務!正しくシートベルトを着用しよう
2008年の道路交通法改正により、後部座席もふくめシートベルトの着用が義務化されました。正しくシートベルトを着用することが、走行中の安全につながります。後部座席の人がシートベルトを着用していないと、「後部座席シートベルト装着義務違反」に問われるだけでなく、交通事故の致死率も大きく上昇します。乗員全員が正しくシートベルトを着用し、安心安全な運転を心がけましょう。
[注1] 警察庁:全ての座席でシートベルトを着用しましょう

この記事の監修者
浅野 悠
「株式会社はなまる」小売事業部 事業部長。1987年東京都生まれ。小学生から大学生までの間レーシングドライバーを目指し数多くの大会に出場。20代で飲食店経営に携わったのち、野菜配達の仕事に就くも、幼少期からの車への魅力を忘れられず自動車業界へ。中古車査定士の資格を取得し、自動車に関する豊富な知識をもとに、おもに車に起きるトラブルの対処法や車の豆知識に関するコラムを執筆。
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