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車検に通るフォグランプの保安基準って?ライトの色や光軸の決まり事を解説!

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霧の濃い日に大活躍するフォグランプ。
霧の中を適度に照らしてくれるランプで、ヘッドライトの補助的な役割を果たします。
ヘッドライトの光が乱反射してしまい、視界を確保しにくいときに活躍するパーツです。
日頃はあまり意識することの少ないランプかもしれませんが、いざ車検を受けるとなったとき、注意しておくべきポイントがいくつかあります。

この記事では、車検でチェックされるフォグランプの保安基準についてご紹介します。スムーズに車検に通るため、ひいては日々の安全な運転のために、ぜひチェックしてみてください。

フォグランプとは

フォグランプとは、その名の通り霧の中を走るときに道を照らすためのランプです。
ヘッドライトの下側についており、補助的な役割を果たします。
しかし近年ではヘッドライトの性能も上がっており、フォグランプはドレスアップのためのパーツとして捉えられる部分もあります。ただしフォグランプの装着には明確な保安基準が設けられているため、見た目ばかりを重視すると車検に通らないという事態に繋がりかねません。

車検に通るフォグランプの保安基準

フォグランプを装着する場合、明確な保安基準が設けられています。
しかし、そもそもフォグランプは装着必須のパーツというわけではありません。
つまり装着しても、装着しなくても良い、ということなのです。
したがって、フォグランプが装着されていなくても車検を通すことは可能なのですが、フォグランプを装着した場合には、保安基準を満たしていなければならない、ということになります。

フォグランプを付ける場合、車検を通すためのチェックポイント

ではフォグランプを装着する場合、どういった点に注意しなければならないのでしょうか?
チェックすべきポイントは大きく分けて4つあります。

1.色は白色か淡黄色

フォグランプの色は「前部霧灯は、白色又は淡黄(たんこう)色であり、その全てが同一であること」[注1]が定められています。
つまり、青色のランプを付けたり、左右のフォグランプの色が異なる仕様では車検に通りません。

[注1]道路運送車両の保安基準の細目を定める告示〈第二節〉第 121 条(前部霧灯)
https://www.mlit.go.jp/common/000187464.pdf

「淡黄色」とありますが、実際の色は黄色が強く出ていても問題ありません。
ヘッドライトと認識が混同してしまい「黄色のライトはNG」と思われがちですが、フォグランプの場合は黄色いライトも装着できます。
また、もともと白のフォグランプが装着されているものを黄色に変えても問題ありません。もちろん、黄色いフォグランプを白に変えることも同様です。

ただし、HIDのフォグランプの場合は、色温度を表すケルビン数の数値に注意してください。ケルビン数が高くなると白いランプに青みが増してきて、車検時に「青いランプ」であると判断されて通らなくなる可能性が出てきます。

ケルビン数の上限は定められていませんが、8000ケルビン以上だと車検に通らない可能性が高いです。ただし、数値と色の見え方の相関性はメーカーによって異なるので、フォグランプを替える場合は注意してください。

ちなみに、白と淡黄色とでフォグランプの色を切り替えることは問題ありません。ただし、先述の通り、左右が同じ色であることが前提なので、特殊な効果を付けすぎて色が揃わない、規定から逸脱した色味に見える、といったことのないようにしてください。

明るさは「他の交通の妨げにならない程度」

色温度に加え、ランプの明るさに規定があるのかも気になる点ですが、これは車の年式により異なります。

・車検証の初年度登録が平成17年12月31日以前の車両・・・明るさが1万カンデラ以下
・車検証の初年度登録が平成18年1月1日以降の車両・・・基準なし

つまり、ここ10年以内に購入した新車であれば、明るさの上限はありません。
ただし規定の中に「前部霧灯の照射光線は、他の交通を妨げないものであること」と定められており、過度に明るいフォグランプはNGです。

明確に数値的な上限があるわけではないので、車検のことに限って言うなら検査官の判断にゆだねられる部分も大きいですが、対向車の運転の妨げになるような明るさは事故に繋がる可能性がありますので、車検に通る通らないよりも、安全のために適度な明るさのフォグランプ選びを心掛けてください。

光軸は正しい位置に

フォグランプの光軸も車検時にはチェックされるポイントです。
調整具合を誤ると、明るさの規定を守っていたとしても、対向車にとっては非常にまぶしく感じることがあり、先述した「他の交通を妨げないものであること」というルールに反してしまいます。
フォグランプは上下に光軸を調整することができますので、カットオフラインが正しい位置に出ているかどうかを確認し、ズレている場合は修正するようにしましょう。

光軸については別のコラムでも詳しくご紹介していますので、あわせてご覧ください。
■【図解】光軸がズレてるかも?その原因と交換方法をご紹介!

点灯できるフォグランプの数は2つまで

時折、フォグランプを4灯装着している車を見かけます。
フォグランプを4灯装着すること自体は問題ではありませんが、4灯が同時に点灯すると車検に通りません。
規定では、3つ以上のフォグランプが同時に点灯してはならないと定められています。
片側1灯ずつが点灯する仕様になっていれば良いのですが、スイッチの入れ方や配線次第で4灯すべてが点灯してしまう仕様も車検でははじかれてしまうので注意してください。

フォグランプをつけたまま車検を受ける場合は様々な規定に要注意

フォグランプを装着する、しないは、ユーザーの判断に委ねられています。
フォグランプを装着した状態で車検を受ける場合は、ランプの色や明るさ、数、光軸の向きに至るまで、非常に細かなルールが定められていますので、自分のフォグランプが既定通りに装着されているか確認・メンテナンスを行いましょう。

この記事を書いた人

「株式会社はなまる」小売事業部 事業部長。1987年東京都生まれ。小学生から大学生までの間レーシングドライバーを目指し数多くの大会に出場。20代で飲食店経営に携わったのち、野菜配達の仕事に就くも、幼少期からの車への魅力を忘れられず自動車業界へ。中古車査定士の資格を取得し、自動車に関する豊富な知識をもとに、おもに車に起きるトラブルの対処法や車の豆知識に関するコラムを執筆。

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