自然災害で怖いのが、自身の車が一瞬で冠水車になることです。冠水すると、のちのちまでダメージが残ってしまいます。車が冠水したときは、適切な判断と対応が重要です。この記事では、冠水車に残るダメージや故障する場所についてくわしく解説いたします。万一のときの対策をおさえておけば安心です。

冠水車に残るダメージは予想以上に深刻!
まずは、冠水車に残る深刻なダメージについてご紹介します。
万が一車が冠水をしても焦らないように、しっかりチェックしておきましょう。
1. 塩水による部品の劣化・腐食
冠水車になる理由のひとつに、車が海水に浸かるという被害があります。
洪水や津波などで海水に車が浸かった場合には、海水に含まれる塩分によって車が錆びてしまう恐れがあります。
一度海水に浸かってしまうと、車が乾いても塩分は残ります。部品の腐食を招かないためにも早期の対応が必要です。
しかし、海水に冠水した場合、部品交換でもなかなか修復は難しいのが現実です。
2. 電気系統に起こる不具合
エンジンやコンピューターなど、車にはさまざまな電気系統が走っています。
特に海水に浸かった場合は真水よりも電気を伝えやすくなり、電気系統のショートで火災を起こす可能性も高いです。
また、電子制御部品もすべてが金属なので、海水による老化が進むと故障だけでなく車の安全性が失われます。
3. カビや雑菌による臭いトラブル
冠水車を放置しているとカビや雑菌が発生します。その雑菌は悪臭の元となり、車内の空気を一変させてしまうのです。
冠水車を乾かしたつもりでも、床下などは乾かずに多湿状態が続くことがあり、気づかないうちにカビや雑菌が徐々に繁殖していくケースも少なくありません。
カビが原因で新たな故障箇所が増える可能性もあり、衛生面だけでなく車の安全性も損なわれてしまいます。
車は水深30㎝でも冠水する可能性がある
マフラーの排気口は地面から約30㎝のところにあり、このマフラーが水に浸かった場合でもトラブルに繋がります。排気ができなくなれば、エンストを起こして車は動かなくなってしまうのです。
さらにエアクリーナーに水が入るとエンジンが止まり、最悪の場合エンジンがかからなくなります。
水が溜まっている場所はできるだけ避けて走行するようにしてください。
冠水車で故障しやすい箇所はここ!マフラーやエンジンに気を付けて!
車の装置の中でも特に冠水により故障しやすい箇所があります。
1箇所でも、そこが冠水すると被害は甚大です。
以下で故障しやすい箇所をチェックして、冠水トラブルに備えましょう。
マフラーの浸水には要注意
車が一般的に走行できる水位はマフラーの下までなので、マフラーの高さは1つの目安になるでしょう。
先述のように、マフラーが水に浸かると車のさまざまな箇所が故障します。水害などでは車のマフラーの位置まで水が浸かっていないかどうかをチェックしましょう。
冠水車のエンジンは爆発・感電の危険がある
エンジンをかけると爆発するようなケースもあります。
また、水を通して感電する恐れもあります。
専門の業者を呼ぶなどして、自身の安全をまずは確保してください。
【まとめ】 車が冠水したときは専門業者へ依頼しよう
車が冠水すると予想以上にダメージが広がります。
感電などの危険があるので、自己判断をせず、冠水車は専門の業者に依頼して必ずチェックしてください。

この記事の監修者
浅野 悠
「株式会社はなまる」小売事業部 事業部長。1987年東京都生まれ。小学生から大学生までの間レーシングドライバーを目指し数多くの大会に出場。20代で飲食店経営に携わったのち、野菜配達の仕事に就くも、幼少期からの車への魅力を忘れられず自動車業界へ。中古車査定士の資格を取得し、自動車に関する豊富な知識をもとに、おもに車に起きるトラブルの対処法や車の豆知識に関するコラムを執筆。
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