- 2024.09.18
ブレーキ引きずりの修理費用相場はいくら?|原因やチェック方法を解説
「ブレーキ引きずりを起こしたようで、修理費用がいくらになるか気になる」
「ブレーキ引きずりが起きているかどうかチェックしたい」
ブレーキに違和感があり、修理工場に持っていこうかどうか悩んでいる方は、修理費用などが気になることでしょう。
ブレーキ引きずりには特徴的な症状があります。ブレーキ引きずりを起こしているかどうかのセルフチェックを行い、修理工場に持っていくことで、愛車を元通りに戻すことが可能です。修理費用はそこまで高額ではないので安心してください。
本記事では、ブレーキ引きずりについて基本的なことから概説します。原因やチェック方法、そして修理費用の相場、修理費用を安く抑えるコツなどについて紹介していきます。

ブレーキ引きずりとは
自動車のブレーキ引きずりとは、ブレーキに異常があり、常時ブレーキがタイヤに接触してブレーキがかかっている状態のことです。ブレーキの感覚にいつもと違う点があれば、ブレーキ引きずりを疑ってみましょう。
ブレーキ引きずりはさまざまな原因で発生します。ブレーキオイルが原因の場合もありますし、ブレーキパッドがすり減っていることもあるのです。最も多いのは、ブレーキキャリパーという部品にサビが付いている場合です。何が原因かによって修理費用は変わってきますので、後ほど詳しく説明します。
ブレーキ引きずりは、ブレーキが常にかかっている状態ですが、初期ではアクセルを強めに踏むことでほぼ通常状態の走行感となります。初期症状に気付きづらく、ブレーキ引きずりに気付いたら症状が重くなっていることが多いのです。
ブレーキ引きずりを放置するとどうなる?
ブレーキ引きずりを修理せずにそのまま放置しておくと、突然ブレーキが利かなくなることがあります。また、ブレーキパッドなどが消耗してしまったり、破損してしまったりすることもあるのです。
ブレーキ引きずりは、常にブレーキがかかったような状態となってしまいます。そのため、ブレーキオイルの温度が異常なほどに高くなり、内部に気泡がたまってしまい、ブレーキが利かなくなってしまいます。ブレーキパッドなどが消耗してしまうと、早期発見に比べて修理費用が高くなってしまうこともあります。
ブレーキ引きずりをそのまま放置してしまうと、事故の原因ともなってしまう大変危険な症状です。修理費用を安くするためにも、異常を感じたら早めに修理工場に持っていくようにしなければなりません。
ブレーキ引きずりの症状
ブレーキ引きずりの症状には、以下のようなものがあります。
- ブレーキが片方だけ異常に摩耗する。
- ブレーキを踏むとハンドルが左右にブレる。
- ブレーキ周りが高熱になり、ブレーキが利きづらくなる。
- 突然燃費が悪くなってしまう。
- 運転中や運転後に焦げ臭いにおいが漂う。
- 加速の具合が良くない。
ブレーキ引きずりでは、以上のようなさまざまな症状が起きます。他の故障などが原因の症状もありますが、上記症状がいくつか発生した場合には、早めに修理工場に持って行って点検してもらうようにしましょう。
ブレーキの引きずりが起こる原因
ブレーキ引きずりが起きてしまう原因には、複数のものがあります。もっとも多いのは、ブレーキ周りの部品にサビが発生してしまうパターンです。ブレーキキャリパーやホイルシリンダーと呼ばれる部位のピストンにサビが起きてしまうと、ブレーキ引きずりが起きてしまいます。
ブレーキはピストンが作動することによって作動する仕組みとなっていますが、ピストンが錆びると、ブレーキをかけた後に元に戻らなくなってしまいます。これによってブレーキ引きずりが発生してしまうのです。
他にも自動車のメンテナンスを怠っていると、ブレーキ引きずりになってしまうこともあります。たとえば、ブレーキディスクにブレがあると、片側のブレーキだけがずっと引きずっている状態になることもあるのです。
ブレーキ引きずりが起きてしまわないようにするためには、定期的な点検・修理が大事になってきます。以下では、ブレーキ引きずりの原因の中でも多いものを順番に紹介していきます。
ブレーキオイルの劣化
ブレーキ引きずりの原因として、まず挙げられるのが「ブレーキオイルの劣化」です。自動車でオイルといえばエンジンオイルを想像する方も多いでしょうが、ブレーキ部分にもオイルが用いられています。このブレーキオイルが長期間の使用などによって劣化してしまうと、ブレーキ引きずりが発生してしまうのです。
ブレーキオイルは、2年に1回は交換した方がいいと言われています。長期間乗っているのに、ブレーキオイルを交換した記憶がないという方は、整備工場に持って行って交換してもらうようにしましょう。
ブレーキキャリパーのサビ
ブレーキ引きずりの原因として、代表的なものがブレーキキャリパーと呼ばれる部品に発生したサビです。ブレーキキャリパーは、ブレーキパッドを制御するための部品で、ブレーキをかけたときの回転などを調整してくれる部品です。
ブレーキキャリパーは、ブレーキペダルを踏むとピストンし、ブレーキのかかり具合をコントロールしてくれています。このピストン部分は、基本的に雨の影響などは受けませんが、部品が消耗してくると水分によってサビてしまうのです。
サビによってピストンが動きづらくなると、ブレーキがかかった状態のまま元に戻らず、結果としてブレーキ引きずりが発生してしまうことになります。
ブレーキパッドの消耗
ブレーキ引きずりが起きてしまう理由・原因として、ブレーキの要である「ブレーキパッド」が消耗してしまうことがあります。ブレーキパッドは、ブレーキペダルを踏むとタイヤのディスクに接触し、回転速度を遅くしてブレーキをかけてくれます。
このブレーキパッドが減りすぎたり、ブレーキディスクにブレがあったりすると、ブレーキが正常にかからなくなってしまいます。ブレーキパッドの寿命は走り方やブレーキのかけ方などによっても異なりますが、走行距離50,000kmで交換した方がいいと言われています。
ブレーキペダルへの異物の挟み込み
ブレーキ引きずりが起こる原因は、タイヤ周辺のブレーキ部位のみではありません。運転席の「ブレーキペダル」に異常があってブレーキ引きずりの症状が出てくることもあります。具体的には、ブレーキペダルに異物が挟まれると、ブレーキの作動に支障が出てしまうのです。
ブレーキ引きずりが発生した場合には、ブレーキペダルにマットが挟まっていないかなどを目視して確認してみるようにしましょう。最悪の場合、引きずりだけではなくブレーキを完全に踏めなくなってしまい、大きな事故につながることもあります。
ブレーキ引きずりのチェック方法
「ブレーキ引きずりかな?」と思ったら、チェックをするようにしましょう。ブレーキ引きずりはさまざまな原因で発生するので、基本的には整備工場・修理工場・ディーラーなどで、プロにチェックしてもらうのが一番です。ただ、定期点検まで間がある場合などには、セルフチェックしてみるというのも一つの手となります。
ブレーキ引きずりが疑われる場合には、タイヤのホイールを目視してみるようにしましょう。ブレーキ引きずりが起こると、片方のブレーキだけが効いてしまうこともあるので、ホイールの汚れ方が違ってきます。走った後に、ホイールの片方だけが異常にダストで汚れていたり、ホイールが片側だけ異常発熱していたりするとブレーキ引きずりの可能性があります。
また、オートマ車なのにブレーキペダルから足を離しても車が動かない場合(クリープ現象が起きない場合)にも、ブレーキ引きずりの可能性があります。
ブレーキ引きずりの修理にかかる費用相場
ブレーキ引きずりが起きているかもしれない場合、気になるのは修理費用の相場でしょう。どこの部位が原因となっているかで、修理・部品交換の費用が異なってきます。具体的には、以下の表のような料金が発生します。
修理する部品 | 修理費用の相場(工賃込み) |
ブレーキオイル | 6,000円~10,000円 |
ブレーキキャリパー | 15,000円~35,000円 |
ブレーキパッド | 11,000円~15,000円 |
ブレーキディスク | 30,000円~40,000円 |
表の費用は工賃込みですが、工場によって異なってきます。複数の整備工場などで見積もりを出してもらうようにしましょう。
ブレーキ引きずりの修理費用を抑えるコツ
ブレーキ引きずりが発生してしまった場合、修理費用・料金を安く抑えるためにはどうすればいいのでしょうか。複数のコツがありますので、以下順番に説明していきます。
定期的なメンテナンスで異常を早期発見する
ブレーキ引きずりは、起きてしまったとしてもなかなかすぐには見つけられない故障・異常だと言われています。ブレーキが引きずっていても、アクセルペダルを少し強めに踏むと気付かないからです。気付くと修理費用が高くなるほどの故障となっていたというパターンが多いのです。
そのため修理費用をできるだけ安くするためには、定期的にディーラーや整備工場でメンテナンス・定期点検をしてもらうことが重要となります。早期発見することで、部品の摩耗・消耗などを最低限に抑えることができ、複数の部品が故障してしまうという事態も避けることが可能です。
相見積もりを出す
自動車修理の相場・費用は、持っていく場所によって異なります。一般的にはディーラーなどは工賃が一番高く、民間の整備工場も店舗によって修理費用が大きく異なることがあります。そこで、複数の工場に相見積もりを出してもらい、一番安い工場で修理してもらうことで、修理費用を最低限に抑えることができます。
複数社に見積もりを出してもらって、比較するのには抵抗がある方もいらっしゃるかもしれませんが、相見積もりは一般的でよくあることなので気にする必要はありません。他社の見積書を提出すると態度が悪くなる工場などは、良い工場ではありませんので避けるようにしましょう。
買い替えを検討する
ブレーキ引きずりの程度・状態が悪い場合には、自動車自体の買い替えを検討するというのも一つの選択肢となります。というのも、ブレーキ引きずりが悪化していた場合、ブレーキディスクなど高価な部品を複数交換・修理しなければならず、修理費用が大きくなってしまうこともあるからです。
自動車の部品というのは、長年乗っていると次々に故障してしまいます。都度都度修理するというのも良いのですが、結果的には新しい車に乗り換えていた方が安く済んだ、というケースも珍しくはありません。
ブレーキ引きずりの応急処置
ブレーキ引きずりが発生してしまった場合、自分で応急処置をするのはおすすめできません。ブレーキ引きずりは、故障の中でも大きな故障の部類に入りますので、自分でタイヤ周り・ブレーキ周りを分解して応急処置をするなどは推奨されません。
自己判断・にわか知識で自力での処置をしてしまうと、走行が危険になる可能性もあります。必ずディーラーや整備工場に持ち込み、プロに診てもらうようにしましょう。
ブレーキ引きずりの予防法
ブレーキ引きずりの発生を予防するためにはどうすればよいのでしょうか。以下では、ブレーキ引きずりの予防法について順番に紹介していきます。予防をしっかりして、ブレーキ引きずりが起きないようにしましょう。
ブレーキの定期的なメンテナンス
ブレーキ引きずりが起きないようにするためには、ブレーキ周りなどを定期的にメンテナンスするようにしましょう。メンテナンスといっても、ブレーキ周辺は複雑な構造をしていますので、分解して整備するなどは控えるようにします。ホイールに汚れが付いていないかなどを目視する程度のメンテナンスが重要です。
運転方法の改善
ブレーキ引きずりにならないためにも、普段の運転方法を改善するようにしましょう。
急ブレーキや急発進などをすると、部品が壊れやすくなり、ブレーキ引きずりにもなりやすくなります。特に急ブレーキをしてしまわないように、運転にはゆとりを持っておくようにしましょう。安全運転をすることで、故障だけでなく事故の可能性も減らすことができます。
専門業者での定期的な点検・整備
ブレーキ引きずりを予防するため、整備工場など専門業者で定期的に点検してもらうようにしましょう。
整備工場の中には、12カ月点検・24カ月点検などを実施しているところがありますので、このような定期点検をしっかり受けることが大事です。走行距離が多い場合などには、6カ月ごとに整備工場に持ち込んで診てもらうといいかもしれません。
まとめ
ブレーキ引きずりは、発生してしまうとブレーキが利かないなどの事故につながってしまう恐ろしい故障です。クリープ現象が起きない場合や、アクセルが効きにくくなった場合などの症状があるときには、すぐに修理業者に点検してもらうようにしましょう。
ブレーキ引きずりの修理は最大5万円以上となる可能性もありますが、相見積もりなどで安くなる可能性もあります。何十万円もするような非常に大きな故障ではないので、思い当たる症状があったらすぐに専門業者に診てもらうことが大事です。

この記事の監修者
浅野 悠
「株式会社はなまる」小売事業部 事業部長。1987年東京都生まれ。小学生から大学生までの間レーシングドライバーを目指し数多くの大会に出場。20代で飲食店経営に携わったのち、野菜配達の仕事に就くも、幼少期からの車への魅力を忘れられず自動車業界へ。中古車査定士の資格を取得し、自動車に関する豊富な知識をもとに、おもに車に起きるトラブルの対処法や車の豆知識に関するコラムを執筆。
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