- 2024.12.04
縁石乗り上げ時の対処法は?流れや修理にかかる費用を解説
日常生活の中で車を運転していると、不注意や不測の事態により縁石に乗り上げてしまうことがあります。しかし、こうした事態に適切に対応する知識があれば、被害を最小限に抑えられるとともに、修理や対応の手続きもスムーズに進めることができます。
本記事では、縁石乗り上げ時の具体的な対処法、発生する可能性のある損傷や故障の種類、修理方法、修理費用の目安、さらには事前に防ぐためのポイントについて詳しく解説します。

縁石に乗り上げてしまった時の対処法

車を運転中に縁石に乗り上げてしまった場合、パニックに陥るのではなく、冷静に状況を把握し、適切に対応することがとても大切です。迅速かつ的確な行動を取ることで、さらなる事故や損傷を防ぐことができます。
車や状況の確認をする
縁石に乗り上げた際、 最初に行うべきは自車の状況確認です。どの部分が損傷しているのか、あるいは動作に問題がないかを徹底的にチェックする必要があります。
車の外観の確認
タイヤ、ホイール、バンパー、車体底面のいずれかが縁石と接触している可能性が高いです。特にタイヤやホイールは直接衝撃を受けやすく、パンクや変形の原因となるため入念に調べてください。
車の動作確認
エンジンを再起動した際に異音がしないか、ハンドルが通常通り操作できるかなどを確認します。また、ブレーキの効き具合にも注意が必要です。
周囲の安全確保
車が動かせる場合は、 安全な場所に移動してください。交通量が多い道路は、ほかの車や歩行者に配慮して速やかに路肩に避難しましょう。
ロードサービスに連絡する
自力での対応が難しいと判断した場合は、 迷わずロードサービスに連絡しましょう。ロードサービスは車のトラブルに対して迅速かつ専門的なサポートを提供してくれるため、特に重大な損傷が疑われる場合には有用です。
連絡時に伝えるべき情報
現在地、車の状況、損傷の具体的な内容を正確に伝えましょう。また、保険会社に付帯されているロードサービスを利用する場合は、保険証券番号などの情報が必要となることがあります。
対応内容
一般的なサービスとしては、現場での応急処置やタイヤ交換、車の牽引などが含まれます。重度の損傷がある場合は、指定の修理工場へ運んでもらうことも可能です。
縁石の損傷がある場合は警察に連絡する
縁石乗り上げによって公共物である 縁石が破損してしまった場合には、警察への連絡が義務付けられています。これは道路交通法の規定に基づくものであり、適切な手続きを踏む必要があります。
縁石乗り上げで発生し得る傷や故障

縁石の乗り上げは見た目以上に車へ深刻な影響を与えることがあります。以下では、縁石の乗り上げによって発生し得る主な損傷や故障について詳しく解説します。
車体のこすり傷
車体が縁石と接触することで、塗装が剥がれる、またはこすり傷が発生することがあります。このような外装の損傷は軽微に見えることが多いですが、 長期的には錆や腐食の原因となる可能性があります。
塗装の損傷
深い傷がない場合でも、表面のクリアコート層が削れただけで光沢が失われ、見た目が劣化します。
錆の進行
塗装が剥がれた箇所に水分や泥が付着すると、時間の経過とともに錆が発生し、金属部分にまで影響が及びます。
タイヤのパンクやホイールの変形
縁石の衝撃により、 タイヤの側面にダメージが生じることがあります。特に、側面の傷や裂け目は修理が難しく、タイヤ全体を交換する必要がある場合が多いです。また、ホイールが変形することで、車の走行性能に悪影響を与えることもあります。
パンクのリスク
乗り上げた直後は正常に見えても、 内部の損傷が進行して後日パンクするケースがあります。
ホイールの変形
ホイールが歪むとタイヤの取り付けが不均一になり、高速走行時に振動や異音が発生します。
関連記事:タイヤがパンクした場合の対処法とやってはいけない3つの行為
ブレーキオイルの漏れ
縁石乗り上げの際に車体底面に衝撃が加わり、ブレーキオイルホースやタンクが損傷することがあります。これにより、ブレーキオイルが漏れ出し、 制動力の低下を招く可能性が高まります。
漏れの発見方法
駐車後に地面にオイルのシミができていないか確認することで早期発見が可能です。
重大なリスク
ブレーキの効きが悪くなると、追突事故や衝突事故の原因となるため、早急な修理が必要です。
バンパーや車体底面の損傷
縁石の高さや角度によっては、 バンパーや車体底面が直接損傷を受けることがあります。これにより、車全体の機能に影響を与える可能性があります。
バンパーの損傷
ひび割れや破損、脱落などが発生し、修理費用が高額になることが多いです。
底面部品への影響
マフラーや排気管、さらにはフレームそのものが曲がることもあります。これらは車の安全性や性能に直接関わる重要な部位です。
縁石乗り上げで発生した故障の修理方法

縁石に乗り上げて車に損傷が確認された場合、放置するとさらなるトラブルを引き起こす可能性があるため、早急に修理を行うことが大切です。修理方法は自分で対応できるケースと、専門業者に依頼すべきケースに分かれます。それぞれの方法と注意点を以下で詳しく解説します。
自分で修理する
軽微な損傷や簡単なメンテナンスであれば、自分で修理を試みることができます。ただし、作業に不慣れな場合や、損傷が複雑な場合は無理をせず、専門業者に相談することをお勧めします。
小さな傷の補修は可能
車体に軽い擦り傷や塗装の剥がれが見られる場合、 タッチアップペイントや研磨剤を使用して補修が可能です。カー用品店やホームセンターで手に入るこれらの道具は、使い方を事前に学んでおけば比較的簡単に扱えます。ただし、仕上がりを美しくするには慎重な作業が必要です。また、傷が深い場合は錆びの発生を防ぐため、防錆処理を施すことも大切です。
ホイールの修正
ホイールが軽く歪んでいる場合、専用の矯正工具を使用して修理できます。工具を購入する際には、 自分の車に対応したサイズを確認してください。ただし、変形が大きい場合やひび割れがある場合は安全上問題があるため、交換を検討しましょう。
タイヤ交換
縁石の乗り上げでタイヤに裂け目やパンクが生じた場合、スペアタイヤを利用して交換できます。 ジャッキやレンチの使い方を事前に練習しておくと、いざというときに役立ちます。特に、高速道路や人通りの少ない場所でのトラブルは、自分で対応できるスキルが安心感につながります。
カーディーラーに持ち込む
損傷が軽度であっても、 確実な修理を求める場合はカーディーラーに相談するのが最適です。特に保証期間内の車や新車の場合は、純正部品を使用した修理が行われるため安心です。
高品質な対応
カーディーラーは、メーカーの規定に基づいた修理が行われるため、品質の高い仕上がりが期待できます。また、修理中にほかの箇所の点検も行われるため、潜在的な問題を発見することもできます。
高額な修理費用
カーディーラーの修理費用は他の業者に比べて高額になる傾向があります。特に外装やホイールの交換は、部品代と工賃を合わせて数万円以上かかる場合があります。費用を抑えるためには、事前に見積もりを依頼し、内容を確認することが大事です。
カーショップ・リペア業者に依頼する
カーショップやリペア業者は、柔軟な対応と比較的リーズナブルな価格設定で知られています。軽度な損傷や部分的な修理を希望する場合には、こうした業者を利用するのも一つの手段です。
低コストでの修理
外装の擦り傷や軽度のホイールの歪みなど、 カーディーラーよりも安価に修理できる場合が多いです。また、修理箇所の範囲を絞ることで、費用をさらに抑えることが可能です。
業者選びのポイント
修理の品質は業者によって異なるため、口コミや実績を調べ、信頼できる業者を選ぶことが大切です。特に、過去の修理事例や利用者の評価を参考にすると良いでしょう。
ガソリンスタンドで対応してもらう
意外と知られていませんが、 一部のガソリンスタンドは軽度な修理やメンテナンスを行ってもらえる場合があります。急なトラブル時には身近な解決策として役立つでしょう。
迅速な対応
タイヤの空気圧調整や簡単なパンク修理、バッテリー点検など、 軽いトラブルであればその場で対応してもらえることがあります。また、旅先でのトラブル時には非常に便利です。
限られた修理内容
高度な技術を必要とする修理には対応していない場合が多い点に注意が必要です。例えば、車体底面の損傷やホイールの変形などは、他の専門業者を利用する必要があります。
縁石乗り上げの故障の修理費用
修理費用は損傷の箇所や程度、依頼先によって大きく異なります。さらに、保険の適用可否も重要なポイントとなります。
保険が使える場合
車両保険が適用される場合、修理費用の一部または全額をカバーできることがあります。保険を活用する際の注意点は以下の通りです。
免責金額
保険には自己負担額が設定されている場合があります。この金額を超える部分が 補償対象となります。
事故証明書の取得
縁石の損傷が公共物である場合、警察に届け出て 事故証明書を取得する必要があります。
保険料の影響
保険を使用すると翌年以降の保険料が上がる可能性があるため、損傷の程度によっては自己負担を選ぶ場合もあります。
保険が適用できない場合
保険未加入、または保険の適用範囲外の損傷については、 修理費用を全額自己負担する必要があります。以下は修理費用の目安です。
タイヤ交換
1本あたり5,000円〜3万円程度。ホイールの交換を伴う場合はさらに費用が増加します。
バンパーの修理
軽度のひび割れなら数千円程度で済む場合がありますが、交換が必要な場合は5万円以上になることもあります。
関連記事:バンパーが割れてしまった場合、修理にはどれくらいかかる?
車体底面の修理
マフラーや排気管の修理費用は1万円〜5万円程度が一般的です。フレームの修正が必要な場合は10万円以上になることもあります。
縁石乗り上げを起こさないためには?
縁石の乗り上げを防ぐには、日常の運転習慣を見直し、車感覚を養うことが欠かせません。また、運転中の注意力や駐車時の慎重な動きも重要です。以下では、具体的な対策について詳しく説明します。
車の感覚を磨く
縁石乗り上げを防ぐ第一歩は、車感覚をしっかりと身につけることです。自分の車のサイズやタイヤの位置、車体の角度を正確に把握することで、運転の余裕が生まれます。
例えば、駐車場や交通量の少ない場所を活用して縁石の近くに駐車する練習を行うのは非常に効果的です。この練習を繰り返すことで、縁石とタイヤの距離感を掴むことができます。さらに、前輪や後輪の動きに意識を向けることで、車全体の動きを正確に予測できるようになります。
また、運転中には視覚情報の収集も大切です。サイドミラーやバックミラーだけでなく、車に装備されたバックモニターや周辺カメラを利用することで、縁石や障害物の位置を正確に把握できます。特にバックモニターは、駐車時に大きな助けとなります。
道路状況への注意
道路状況への注意を払うことも、縁石の乗り上げを防ぐためには欠かせません。 運転中には常に周囲の状況を確認し、慎重な行動を取ることが求められます。
まず、縁石の高さや形状を観察する習慣をつけましょう。特に、夜間や雨天時など視界が悪い環境は、縁石の位置が見えにくくなるため注意が必要です。こうした状況は 速度を落とし、慎重に進むことが大切です。
さらに、駐車場を選ぶ際には縁石の高さが低い場所やフラットな地面の場所を選ぶよう心がけましょう。目的地周辺の駐車場の状況をあらかじめ調べておくと、安心して駐車が可能になります。Googleマップのストリートビューを活用するのも良い方法です。
車の売却ならソコカラ
縁石乗り上げは誰にでも起こり得るトラブルですが、適切な知識と対策を備えておくことで被害を最小限に抑えることができます。
本記事で紹介した対処法や修理方法を参考にし、万が一の際にも冷静に対応しましょう。また、安全運転を心がけることで、縁石の乗り上げを未然に防ぐことが可能です。車のメンテナンスと運転技術の向上に努め、安心・安全なドライブを楽しみましょう。修理費用が高額になった場合は、全国対応・高価買取のソコカラへの売却も検討してみてはいかがでしょうか。

この記事の監修者
浅野 悠
「株式会社はなまる」小売事業部 事業部長。1987年東京都生まれ。小学生から大学生までの間レーシングドライバーを目指し数多くの大会に出場。20代で飲食店経営に携わったのち、野菜配達の仕事に就くも、幼少期からの車への魅力を忘れられず自動車業界へ。中古車査定士の資格を取得し、自動車に関する豊富な知識をもとに、おもに車に起きるトラブルの対処法や車の豆知識に関するコラムを執筆。
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