- 2022.08.19
廃車後に自動車税の還付を受ける方法や必要な手続きとは?
過剰に納めた税金は、「還付金」という形で返納されます。自動車税についても同様で、廃車のタイミングによっては納め過ぎた税金の返還があります。「どのような手続きが必要なんだろう?」と思った人は、廃車時の自動車税の還付金について詳細をチェックしてみましょう。
本記事では、廃車後に自動車税の還付を受ける方法や必要な手続き、さらには自動車税の還付で覚えておきたいポイントを紹介します。適切に廃車手続きを行って、払いすぎた自動車税を還付してもらいましょう。

廃車の自動車税について還付手続きは不要
自動車税の還付を受けると聞くと「手続きは?」と気になる人もいるでしょう。結論から言うと、還付のためだけに行う手続きは特に必要ありません。還付の仕組みを紹介します。
廃車の手続きを行えば自動車税が還付される
自分名義の自動車の廃車手続きが終われば、過払い分の自動車税は自動的に還付されます。廃車手続きが還付手続きとリンクしているため、改めて書類をそろえて申請する必要はありません。
廃車手続きをしてしばらくすると、居住地を管轄する県・都・府・道税事務所から還付に関する通知はがきが届くでしょう。
還付を受けるには、はがきにて指定された金融機関に足を運ぶ必要があります。この時、通知はがき・実印(印鑑証明の印鑑)・本人確認できるもの(運転免許証・パスポート等)を忘れずに持参してください。
軽自動車には自動車税の還付金がない
「廃車と同時に還付手続きが実行される」というのは、普通自動車のケースのみです。
普通自動車に課せられる自動車税は、「月単位の税金をまとめて納付する」という納付スタイルです。そのため年度途中で廃車にした場合は、残存期間の自動車税を月割で還付してもらえます。
しかし軽自動車の「軽自動車税」は、「年払い」です。基本単位が「年」なので、年度の残りが何カ月あろうが関係ありません。
その年の4月1日時点で軽自動車を所有していたのであれば、廃車のタイミングにかかわらず軽自動車税は満額徴収されます。
廃車の手続きをしても還付されないケースに注意
廃車の手続きを滞りなく終わらせても、地方税を滞納している人には還付金が受け取れないケースもあります。
過払い分の自動車税はそのまま未払い分にスライドされます。滞納額が大きい人は還付金がゼロあるいはマイナスとなるでしょう。
なお地方税とは、市町(県)民税や固定資産税などです。還付金を満額受け取りたい場合は、先に滞納分の税金を納付してください。
自動車税の還付を受けるための廃車手続き
自動車税の還付を受けるための前提として、廃車手続きが必要です。種類は「永久抹消登録」「一時抹消登録」の2種類があるので、「自分の車をどうしたいか」を考えて選択しましょう。
永久抹消登録手続き
ごく一般的にイメージされる「廃車」は永久抹消登録手続きです。車そのものを解体してしまうため、車そのものが永久に失われてしまいます。
「車を置く場所もないので処分したい」「新しい車を買うので処分したい」という人は、永久抹消登録手続きを選択しましょう。
手続きは、以下の手順で行います。
- 業者に依頼して車を解体してもらう
- 運輸支局に行く
- 必要な書類の提出・ナンバープレートの返納を行う
- 還付に必要な書類を書く
運輸支局に持参する書類等は以下のとおりです。[注1]
車検証ナンバープレート(前・後)申請書(OCR申請書第3号様式の3)手数料納付書所有者の印鑑証明・実印解体にかかる移動報告番号および解体報告日のメモ(リサイクル券に記載) |
また「自動車重量税」の還付金が発生し、振り込みを希望する場合は、金融機関の口座情報も必要です。還付金の受け取りに関しては都道府県で方法が異なることがあるので、あらかじめ確認しておくと安心です。
[注1]近畿運輸局,「永久抹消登録および解体届出」(22/01/06確認)
一時抹消登録手続き
「公道を走ることはないけれど、自宅に残しておきたい」「すぐには解体できないから、とりあえず自動車税納付を止めたい」という人は一時抹消登録を選択しましょう。
車検を受ければまた公道を走れますし、都合のよいタイミングで解体してしまうことも可能です。
手続きは永久登録抹消手続きと同じで、運輸支局に赴いて必要な書類・ナンバープレートを提出します。そろえる書類は永久登録抹消手続きと同じですが、様式の番号は異なります。[注2]
一時抹消登録の場合は、「OCR申請書第3号様式の2」を使いましょう。
[注2]近畿運輸局, 「一時抹消登録」,
(22/01/06確認)
廃車した車の自動車税還付について覚えておくべきポイント
還付金の額面は、廃車のタイミングによって異なります。自動車税の還付を受けたい時、覚えておきたい廃車のタイミングを紹介します。
廃車手続きで月をまたぐと還付金が減る
自動車税の還付金は、月割で計算されます。そのため、同じ月なら月初でも月末でも還付金は同じです。ただし、月をまたぐと還付金は減ってしまうため注意しましょう。
例えば2001~2500ccの車を7月に廃車にした場合、還付金は30,000円です。しかし月をまたいで8月に廃車にすると、還付金は26,200円です。廃車にすると決めたら、月をまたがずに手続きするのがおすすめです。[注3]
[注3]東京都主税局,「自動車税種別割月割税率表(自家用)※令和元年9月30日以前初回新規登録」,(2022-01-26)
自動車税還付のタイムリミットは2月いっぱいまで
自動車税は4月1日から3月31日までの税金をまとめたものです。廃車が3月になってしまうと、「年度中ずっと車を所有していた」ことになってしまいます。この場合、自動車税の還付は受けられません。
とはいえ3月を逃して4月1日になってしまうと、次年度の自動車税納付義務が生じます。自動車税の還付がないとしても、年度中に廃車手続きを行いましょう。
ただし3月末は駆け込み廃車が多く、業者の予約が取れない可能性があります。のんびり後回しをせずに、早めに行動を始めましょう。
【まとめ】
適切に廃車手続きをして自動車税の還付を受け取ろう
普通自動車の自動車税は、廃車手続きが終わると還付されます。ただしタイムリミットはその年度の2月いっぱいのため、早めに廃車手続きを済ませましょう。
ただし一時抹消登録にせよ永久抹消登録にせよ、廃車手続きを行うためには運輸支局に足を運ばなければなりません。「時間がない」「遠い」等がある人は、廃車専門の業者に依頼するのもおすすめです。
適切に廃車手続きを行って、最大限の還付金を受け取りましょう。

この記事の監修者
浅野 悠
「株式会社はなまる」小売事業部 事業部長。1987年東京都生まれ。小学生から大学生までの間レーシングドライバーを目指し数多くの大会に出場。20代で飲食店経営に携わったのち、野菜配達の仕事に就くも、幼少期からの車への魅力を忘れられず自動車業界へ。中古車査定士の資格を取得し、自動車に関する豊富な知識をもとに、おもに車に起きるトラブルの対処法や車の豆知識に関するコラムを執筆。
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