- 2024.10.06
自動車の廃車手続きの方法は?費用や注意点について
自動車を所有していると、いつかは「廃車」という決断に直面することがあります。自動車の使用期間が長くなると、故障や修理費用の増加、車両の老朽化、さらには交通事故など、さまざまな理由で車を手放す時が来るでしょう。その際に必要となるのが「廃車手続き」です。
廃車手続きは、自動車をもう使わない、あるいは使えなくなった場合に法的に車両の登録を抹消するためのものです。しかし、廃車には複雑な手続きが伴うことが多く、どのような場合に廃車が必要なのか、またその際にかかる費用や注意点についてよく理解しておくことが大切です。
この記事では、自動車の廃車手続き、廃車が必要な場合と不要な場合の違い、各種手続きの詳細、廃車に伴う還付金や手続きの流れ、さらには自分で手続きを行う場合と専門業者に依頼する場合のメリット・デメリットについて解説します。これを読むことで、廃車手続きをスムーズに進め、無駄な費用や時間をかけずに済むようになるでしょう。

自動車の廃車とは?
廃車とは、車両を法的に使用不可能にするための手続きです。車を手放す場合には、売却、譲渡、廃車のいずれかの選択肢がありますが、廃車はその中でも車を完全に処分する場合に行われます。この手続きを行うことで、所有者は自動車税や自賠責保険などの負担から解放されます。
自動車の廃車が必要なケース
自動車を廃車にする必要が生じるのは、以下のような場合です。
- 大破した場合
- 修理費用が高額な場合
- 海外への輸出
- 自然災害の被害
事故や災害によって、車が修理不可能な状態になった場合や、修理費用が高額になるケースは廃車を考える方は多いです。また、海外へ輸出する際も登録を抹消するために廃車手続きをしなければなりません。
自動車の廃車が不要なケース
廃車が不要な場合もあります。例えば、以下のような状況です。
- 一時的に使用しない場合
- 売却する場合
長期間使用しない場合には、廃車ではなく「一時抹消登録」を行うことが可能です。これにより、車両の登録を一時的に停止し、再び使用する際には簡単に再登録ができます。また、車を廃車にするのではなく、中古車として売却する場合には、廃車手続きは不要です。車の価値が残っている場合には、売却や下取りの方が経済的に有利です。
自動車の廃車手続きとは
自動車の廃車手続きにはいくつかの種類があり、目的や状況に応じて異なる手続きを選択します。主に「永久抹消登録」「一時抹消登録」「解体届」の3種類があり、それぞれに適した手続きを行う必要があります。
永久抹消登録
永久抹消登録は、車両を完全に使用しない場合に行う手続きです。主に車が物理的に使用不可能な状態、すなわち解体された場合や重大な事故に遭った場合に適用されます。
この手続きを行うことで、車両の登録が永久に抹消され、所有者は自動車税や自賠責保険の支払いから解放されます。廃車を専門業者に依頼する場合、通常は業者がこの手続きを代行してくれますが、解体証明書の取得が必要です。
一時抹消登録
一時抹消登録は、車を一定期間使用しない場合に行う手続きです。例えば、長期海外出張や一時的に車が必要ない場合などに使用されます。一時的に車両の登録を停止し、再び使用する際には「登録復活」手続きを行うことで簡単に再登録が可能です。一時抹消登録を行うことで、自動車税の支払いを停止することができるため、経済的にもメリットがあります。
解体届
解体届は、車両が解体されたことを証明するための手続きです。解体業者に車を引き渡し、車両が解体された後に、この届出を行います。解体届を提出することで、永久抹消登録が可能になります。車両の解体を証明するための「解体証明書」を業者から受け取る必要があります。
廃車手続きに必要な書類
廃車手続きを行う際には、各手続きに応じて異なる書類が必要です。必要書類を事前に揃えることで、手続きをスムーズに進めることができます。
永久抹消登録の場合
永久抹消登録の場合に必要な書類は以下の通りです。
車検証 | 車両の所有者を確認するため |
ナンバープレート |
車両の識別に必要なナンバープレートを返却 |
身分証明書 | 所有者本人であることを確認するため |
解体証明書 | 車両が解体されたことを証明するための書類で、解体業者から発行される |
委任状 | 代理人が手続きを行う場合 |
一時抹消登録の場合
一時抹消登録に必要な書類は以下の通りです。
解体届の場合
解体届を提出する際に必要な書類は次の通りです。
自動車の廃車手続きの流れ
廃車手続きは、選択する手続きの種類によって異なります。ここでは、各手続きの具体的な流れを解説します。
永久抹消登録の場合
- 車両を解体業者に依頼し、解体証明書を取得する
- 必要書類を揃えて、運輸支局または軽自動車検査協会にて手続きを行う
- ナンバープレートを返却し、車両の登録を永久に抹消する
- 自動車税や重量税の還付手続きを行い、還付金を受け取る
一時抹消登録の場合
- 車両を使用しない旨を運輸支局へ申請する
- 必要書類とナンバープレートを提出し、一時的に車両の登録を抹消する
- 再び車両を使用する際には、再登録手続きを行う
解体届の場合
- 解体業者から解体証明書を取得する
- 永久抹消登録と共に運輸支局で手続きを行い、車両の登録を抹消する
廃車の還付金とは?
自動車を廃車にすると、還付金を受け取ることができる場合があります。この還付金は、自動車に関わる税金や保険料が返還されるもので、車を解体して廃車手続きを終えた後に適用されることが一般的です。還付金には主に「自動車税」「自動車重量税」「自賠責保険」の3つがあります。これらの還付金は、車の使用が終了した時点で残っている未使用分が返還されます。
自動車税の還付
自動車税は毎年4月1日時点で車両を所有している人に課される税金で、年度単位で支払います。廃車手続きを行い、車両を使用しなくなった場合、残りの期間分の自動車税が還付されるものです。還付額は、廃車手続きを行った月以降の残り期間に基づき計算されます。ただし、軽自動車には自動車税の還付制度が適用されないため、軽自動車を廃車にした場合はこの還付を受け取れません。
自動車重量税の還付
自動車重量税は、車両の重量に基づいて支払う税金で、新車登録時や車検の際にまとめて支払います。廃車にする際、残りの車検期間がある場合には、未使用分の自動車重量税が還付されます。例えば、廃車手続きを行った時点で車検が1年残っている場合、その1年分の重量税が還付されます。この還付金は、主に解体届が提出された際に申請されるものです。
自賠責保険の還付
自賠責保険(強制保険)も廃車時に還付を受け取れる可能性があります。自賠責保険は、車検時に加入する義務のある保険で、事故や被害者に対する最低限の補償を提供します。廃車手続きを行い、解体した場合、残りの保険期間分が還付されるものです。還付を受けるためには、自賠責保険の証書と廃車に関する書類を保険会社に提出し、還付金を申請します。
関連記事:廃車する際の保険手続きガイド|自賠責保険と任意保険の対応方法
自動車を廃車にする方法
自動車を廃車にする際には、いくつかの方法があり、車両の状態や目的に応じて最適な選択肢を選ぶことができます。主な方法として「買い取り」「下取り」「廃車」が挙げられます。それぞれの方法には異なるメリットがあり、車の価値や手続きの手軽さに影響します。
買い取り
自動車の「買い取り」は、廃車買取業者や中古車販売業者に車両を売却する方法です。廃車になりそうな古い車や故障車でも、部品取りや海外輸出を目的に買い取ってもらえる場合があります。特に、事故車や動かない車でも、パーツに価値があれば一定の金額で買い取ってもらえることが多いです。買い取りの最大のメリットは、廃車にかかる費用を抑えつつ、逆に現金を得ることができる点です。
買い取り手続きを行う際には、業者に車を査定してもらい、車両の状態に応じた見積もりを取得します。査定後、提示された金額に納得した場合は、業者に引き渡し、廃車手続きも代行してもらえます。手続きが簡単であり、経済的な利益も得やすいので、まだ動く車や部品価値がある車にはおすすめの方法です。
下取り
「下取り」は、新しい車を購入する際に、古い車を販売店やディーラーに引き渡し、その価値を新車の購入価格に充当する方法です。この方法は、車の乗り換えをスムーズに行いたい人にとって便利です。下取り価格は、新車の購入費用から差し引かれるため、結果的に新車の支払金額が軽減されることになります。
ただし、下取り価格は通常、買取価格よりも低くなることが多いため、高額を期待するのは難しいかもしれません。ディーラーや販売店が廃車手続きを一括で行ってくれるため、手間が少なく、手続きに時間をかけたくない人には適した方法です。
廃車
「廃車」は、車両を専門の廃車業者に引き渡し、車を解体してもらう方法です。この場合、車の状態に関わらず、解体することが前提となるため、買い取りや下取りと比べて金銭的な利益は期待できません。しかし、車が完全に動かなくなった場合や、修理不可能な事故の場合には、この方法が最も適しています。
廃車手続きは、廃車業者に依頼することで代行してもらうことが一般的です。廃車業者は、解体証明書を発行し、必要な書類を提出して車両の登録を抹消します。自動車税や重量税の還付手続きも同時に行ってもらえることが多いため、手続きをスムーズに進めることが可能です。
自動車の廃車手続きは自分でできる?
自動車の廃車手続きは、自分で行うことが可能です。ただし、手続きには多くの書類やステップがあり、全てを自分で準備しなければならないため、時間と労力がかかります。特に、車両の解体や運輸支局への書類提出など、手続きの詳細に不慣れな場合は、手続きが煩雑になることがあります。
自分で廃車手続きを行う際の基本的なステップは以下の通りです。
- 解体業者に依頼して車を解体
- 必要書類を準備
- 運輸支局で手続きを行う
- 還付手続きを行う
手続きを自分で行う場合、書類の不備や手続きのミスがあると、再度運輸支局に出向かなければならないこともあります。手続きを簡素化したい場合や時間がない場合は、専門業者に依頼することを検討するのが良いでしょう。
自動車の廃車なら廃車買取業者がおすすめ!
自動車の廃車手続きを迅速かつスムーズに行いたい場合、廃車買取業者に依頼するのが最も効率的です。廃車買取業者は、廃車手続きの全てを代行してくれるため、書類の準備や手続きの煩雑さを回避できます。また、廃車でもパーツや金属として価値がある場合には、買取価格が付くことが多く、手元にお金が残るケースもあります。
廃車買取業者に依頼するメリットは、以下の点にあります。
- 手続きが簡単
- 還付金を確実に受け取れる
- 買取価格が付くことがある
廃車買取業者に依頼する際は、複数の業者から見積もりを取り、最も条件の良い業者を選ぶことが大切です。また、信頼性の高い業者を選ぶことで、トラブルを回避し、スムーズに廃車手続きを進めることができます。
自動車の廃車ならソコカラ!
自動車を廃車にする際には、適切な手続きを行い、還付金をしっかりと受け取ることが大切です。自動車税や重量税、自賠責保険の還付は、車両を廃車にする際に忘れがちですが、大きなメリットを得ることができます。また、廃車手続きは自分で行うことも可能ですが、煩雑な手続きや書類の準備が必要なため、時間や労力を削減したい場合は廃車買取業者に依頼するのがベストです。
廃車買取業者を利用することで、手続きが簡素化され、買取価格が付く場合もあるため、経済的にも有利です。廃車をスムーズに進めるためには、業者の選定が重要であり、複数の見積もりを比較することで最適な選択ができます。廃車の手続きを安心して進めるために、信頼できる業者を選び、無駄なコストをかけずに賢く処分しましょう。
廃車の手続きなら、ソコカラにお任せください。車買取業界で選ばれて25年、高価買取を実現しています。全国どこでも来店不要なので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者
浅野 悠
「株式会社はなまる」小売事業部 事業部長。1987年東京都生まれ。小学生から大学生までの間レーシングドライバーを目指し数多くの大会に出場。20代で飲食店経営に携わったのち、野菜配達の仕事に就くも、幼少期からの車への魅力を忘れられず自動車業界へ。中古車査定士の資格を取得し、自動車に関する豊富な知識をもとに、おもに車に起きるトラブルの対処法や車の豆知識に関するコラムを執筆。
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