- 2025.01.15
車体番号って何?必要になるケースと確認方法を徹底解説
車の車体番号、あなたは知っていますか?車の身分証明書とも言える車体番号は、車の購入や売却、修理、保険手続きなど様々な場面で必要になります。この記事では、車体番号の役割や確認方法、そして車体番号が必要になるケースを徹底解説します。車体番号について知りたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
車体番号とは車両1台1台に付与される識別番号のこと
車体番号という言葉自体、あまり聞きなじみがないかもしれませんが、車にとってとても大切な番号です。正式には「車台番号(しゃだいばんごう)」と呼ばれ、国土交通省が車両1台1台に付与する識別番号のことを指します。
マイナンバーや戸籍のような役割を持つ車体番号は、車種やグレード、さらにはどこで製造されたかも分かる仕様になっています。車体番号から、自分の車がリコール対象かどうかなどを調べることもできます。ちなみに車体番号は自動車だけでなくバイクや原付スクーターにも付与されています。
関連記事:車台番号って何?車両番号との違いや3つの調べ方を徹底解説!
車体番号と車両番号との違い
車体番号とよく似た言葉で車両番号という言葉を耳にすることがあるかもしれません。しかし車体番号と車両番号とでは大きな違いがあります。
車両番号とは、いわゆるナンバープレートに記されているひらがなや数字のことです。車体番号が国土交通省によって付与されるのに対し、車両番号は陸運局が付与します。ナンバープレートは付け替えたり、自分が希望する番号を申請したりできますが、車体番号は製造段階で打刻されるので変更や希望する番号を申請することはできません。
車体番号は何を表す?
車体番号は一般的にアルファベットと数字の組み合わせでできています。数桁から十数桁まで、桁数も様々です。この番号は車種やグレードなどを表していますが、どの番号やアルファベットが何を表しているかは一般公表されておらず、どのように読み取るかは基本的に分かりません。
車台番号(車体番号)が必要になるとき
車の車台番号。車の購入から売却まで、意識することも少ないかもしれませんね。しかし、この番号は、あなたのカーライフを支える、重要な役割を担っているのです。一体どんな場面で必要になるのでしょうか?以下で詳しく見ていきましょう。
①新車を購入したときの登録時
新車の登録手続きにおいて、車と車台番号は最も重要な要素です。日本の自動車メーカーは、完成した車両に固有の車台番号を割り当て、完成検査終了証を添付して出荷します。この証書に基づき、陸運局または検査登録事務所で登録が行われ、ナンバープレートが交付されます。ナンバープレートが装着された車は、初めて日本の道路を走行できるようになります。
②車を車検に出すとき
車の維持には、定期的な点検や車検が欠かせません。特に車検は、公道を走行するための必須手続きです。車検において最初に実施されるのが、車両の同一性確認です。これは、車検証の情報と実際の車両が一致しているかを確認する重要なステップで、不一致があれば車検そのものが受けられません。
この同一性確認では、車検証に記載されている車台番号と、車両本体に刻印された番号の一致が厳格にチェックされます。この確認作業は、エンジン等の不正改造を防止する観点からも、非常に重要な意味を持ちます。そのため、ユーザー車検を行う際には、事前に車台番号を正確に把握しておくことが不可欠です。車検場では、検査官に車台番号を示すことで、この重要なチェック項目をクリアすることになります。
③自動車保険の加入時
自動車保険への加入手続きでは、車台番号の確認が必須となる場合があります。自賠責保険に加え、任意保険への加入を検討する際は、運転免許証や車両型式、登録番号と共に車台番号の提示が求められます。手続きの際には車検証の提出で済むため、車台番号そのものの確認を意識することは少ないかもしれませんが、保険会社は車検証の情報を通して、保険対象となる車両の正確な識別を行っているのです。
④リコール対象かどうかの確認
もし、あなたの車や、その付属品であるタイヤやチャイルドシートなどが、国の定める厳しい安全基準を満たしていないと判明した場合、メーカーは速やかに改善に乗り出します。これが「リコール」です。対象となる可能性のあるあなたの車を守るためにも、リコール発表時には、迅速な確認が必要です。
そこで重要なのが「車台番号」です。国土交通省のウェブサイトにある「自動車のリコール・不具合情報」ページで、あなたの車の車台番号を入力するだけで、簡単にリコール対象車かどうかを確認できます。大切な車を守るため、ぜひ活用してください。
⑤廃車後の確認
車を業者に廃車手続きを依頼したものの、手続き完了が確認できない、そんなお悩みをお持ちではないでしょうか?実は「廃車」と聞いて、多くの人がイメージするスクラップ=解体とは少し違います。書類上の抹消登録だけで廃車手続きが完了したというケースもあるのです。しかしご安心ください。車の状態に関わらず、車台番号を利用して手続き完了の確認が可能です。便利な「自動車リサイクルシステム」というウェブサイトをご存知でしょうか?このサイトでは、車台番号と廃車手続き時に受け取った引取証明書に記載されている「移動報告番号」を入力するだけで、手続きの完了状況を確認できます。ぜひご利用ください。
⑥盗難にあった時
車の盗難、想像しただけでも気が重くなりますね。そんな時、頼りになるのが車台番号です。まず、警察に被害届を提出して「受理番号」を取得しますが、この手続きには車台番号の提示が必須となります。その後、受理番号と必要書類を準備し、管轄の陸運局(支局)で一時抹消登録の手続きを行いましょう。これにより、車両の使用が一時停止され、税金などの負担からも解放されます。
車体番号の見つけ方
車体番号を確認できる箇所は2点あります。必要な時にスムーズに対応するためにも、どこに車体番号が書かれているのか把握しておきましょう。
車体番号は車検証に書かれている
車体番号を確認する最も簡単な方法は、車検証を見ることです。車検証は車のダッシュボードに入れている方が多いので、比較的すぐに確認できると思います。(※車検証を車に置いておかないと罰則の対象となるので注意しましょう!)車検証の左側のやや上あたりに車体番号(車台番号)と書かれた欄があり、そこに記載されているアルファベットや数字が車体番号です。
車体番号は車に打刻されている
車検証にも車体番号が記載されていますが、車自体にも同じ車体番号が打刻されています。
国産車の場合、ボンネットを開けてエンジンルームの奥の骨格部分、エンジンルームと居住空間の境目のところに打刻されていることが多いです。場合によっては運転席のシート下などに打刻されているケースもあります。ユーザー車検においては打刻されている車体番号を検査員に見せる必要があるので、必ず確認しておきましょう。
また必要であれば打刻されている部分に紙をあてて、上から鉛筆でさすることで写し取ることもあります。打刻されている車体番号を削ったり、移植したりするのは道路運送車両法に違反する犯罪になるので絶対にやめましょう。
車台番号が読めないときは再打刻の手続きを
経年劣化による腐食や、事故による損傷で車台番号が判別不能となるケースがあります。このような状況では、運輸支局による「職権打刻」という手続きが必要となります。これは、新しい車台番号を付与し、車両に刻印する作業です。ただし、近年は金属プレートへの打刻後、セキュリティラベル付きで貼付する方式が主流です。
一方、勝手に車台番号を書き換える行為は違法です。車台番号は車両の識別、盗難・不正輸出防止に不可欠な情報です。改ざんは、その機能を無効化するため、厳しく禁じられています。職権打刻は、運輸支局での確認が不可欠です。安易な書き換えは違法行為となりますのでご注意ください。職権打刻が必要と判断された場合の手続きの順序と必要書類は、以下のとおりです。
手続き (運輸支局や自動車検査登録所にて)
①現車確認
②下記の必要書類を揃えたうえで打刻申請
③審査(1~2週間)
④日程の調整
⑤車を持ち込んで打刻
必要書類
・塗まつ許可申請書
・車検証等のコピー
・車台番号が確認出来る拓本又は写真
・シリアル(コーション)プレートの写真
・車両の外観写真(前後左右の合計4枚)
・自動車製作者による製作証明書
・製作証明書に記載された原動機の型式及びシリアル(一連)番号が確認出来る拓本又は写真
・手数料納付書(手数料印紙350円)
・OCRシート2号様式(打刻位置によっては10号様式も必要)
・委任状(所有者及び使用者)
・自動車検査証等
※現車確認の際に必要書類も一緒に持ち込めば、当日中に打刻申請を完了させることができます。
※上記の必要書類を揃えて、郵送での申請も可能です。
再打刻により車両の価値が下がることも
車の車台番号が、経年劣化や事故などで消えてしまった場合、残念ながら「職権打刻車」として扱われることになります。これは、行政機関が消えた車台番号を新たに刻印したことを意味し、その履歴は車の記録に残ります。「職権打刻車」は売却時に事故車や盗難車との疑念を持たれやすく、市場価値が30パーセント程度下がる可能性も。車の価値を守るためにも、車台番号の消失は避けたいものですね。
もし、近いうちに車の売却を考えているなら、錆や塩害による劣化で車台番号が消える前に、売却を検討してみてはいかがでしょうか。少しでも高く車を売却できれば、次の車選びにも役立ちますよ。
車体番号の記載場所を確認しておくことはドライバーの義務
車体番号は普段利用しないものですが、ドライバーに全く関係のないものでもありません。車の登録から車検、売却や廃車時に必要になる情報です。車体番号を記憶しておく必要はありませんが、どこに記載されているかを把握しておくことは必要です。どこに打刻されているか知らないという方は、この機会に確認してみるのはいかがでしょうか。
車台番号(車体番号)が抹消される場合
車の車台番号は、その車が現役として走り続ける限り、生涯にわたって不変の固有番号として存在し続けます。しかし、廃車手続きが完了すれば、その番号は抹消され、二度と使用されることはありません。さらに、自動車税の滞納や車検の期限切れを放置すると、行政機関による強制抹消という事態に発展する可能性もあるため、日頃から税金や車検の管理には細心の注意を払う必要があるでしょう。
廃車やスクラップ
車を手放す時、多くの方は「廃車」という言葉を思い浮かべるでしょう。実は、廃車には「永久抹消登録」という手続きが含まれ、車の身分証とも言える車台番号が抹消されます。一方、「一時抹消登録」という手続きもあり、これは車を一時的に使用停止する際に用いられますが、この場合、車台番号はそのまま残ります。しかし、注意が必要です。永久抹消登録であっても、必ずしも車が解体されるわけではなく、書類上だけの抹消処理で終わるケースもあるのです。つまり、廃車手続き後も車台番号がシステムに残っている可能性があるということです。
税金の滞納(職権抹消)
長期間にわたり車を放置すると、車検切れや自動車税の滞納が続き、最悪の場合、車を所有できなくなってしまうことがあります。例えば、海外赴任などで3年以上も車を放置すると、陸運局の判断で車両の車台番号が抹消される「職権抹消」という事態も起こりえます。このような事態を回避するために有効な手段が、車の使用を一時的に停止する「一時抹消登録」です。
職権抹消されると、税務署から通知が届きますが、手続きを行うことで車台番号を復活させることが可能です。滞納期間が3年以内であれば、車台番号が残っている可能性もありますので、まずは最寄りの陸運局または支局に相談することをお勧めします。早期に相談することで、解決への道筋が見えてくるはずです。安心して車を所有し続けるためにも、事前に適切な手続きを行うことが大切です。
まとめ
車の情報を隅々まで知り尽くすには、車台番号の確認が欠かせません。車台番号は、車体番号やフレームナンバーとも呼ばれ、そのクルマだけの固有の識別番号、いわば「クルマの指紋」です。この重要な番号は、車検証に記載されているので、まずは車検証をチェックしてみましょう。もし車検証が手元にない場合は、車両内部のコーションプレートやバルクヘッドに刻印されているので、探してみてください。この車台番号は、新車登録から車検、保険加入、そして売却や廃車手続き、さらにはグレードの確認やリコール情報を知る際にも必要不可欠。実に様々な場面で活躍する、頼もしい存在なのです。スムーズな手続きを進めるためにも、車台番号を事前に把握しておけば安心ですね。
車を手放す際には、まず査定を受けなければなりません。そこで重要となるのが、車の基本情報です。年式、型式、走行距離は当然のこと、ボディの傷やへこみといった外装の状態、エンジンの調子などの走行性能、そして車検の有効期限といった情報が、査定額を左右する重要な要素となります。スムーズな査定を受けるためにも、事前に車検証でこれらの情報をしっかり確認しておきましょう。車の価値を最大限に引き出すためにも、事前の準備は欠かせません。
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この記事の監修者
浅野 悠
「株式会社はなまる」小売事業部 事業部長。1987年東京都生まれ。小学生から大学生までの間レーシングドライバーを目指し数多くの大会に出場。20代で飲食店経営に携わったのち、野菜配達の仕事に就くも、幼少期からの車への魅力を忘れられず自動車業界へ。中古車査定士の資格を取得し、自動車に関する豊富な知識をもとに、おもに車に起きるトラブルの対処法や車の豆知識に関するコラムを執筆。
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