- 2024.11.01
車を放置するリスクとデメリットとは?長期間放置の対処法について解説
車を長期間使わないで放置することは、思いがけない問題やトラブルを引き起こす可能性があります。この記事では、車を長期間放置することで起こり得るリスクと、そのデメリットについて詳しく解説していきます。
さらに、こうしたトラブルを予防するための対策方法や、放置後に車を再び使用する際にチェックすべきポイント、そして車を売却する場合の選択肢についても説明しますので、ぜひ参考にしてください。

車を長期間放置するリスクとデメリット
車を長期間使用せずに放置しておくと、さまざまなリスクや問題が発生する可能性があります。時間が経つにつれて、車の各部品は劣化し、放置する期間が長ければ長いほど、修理や交換が必要になるケースが増えてきます。以下では、車を長期間放置した場合に発生する代表的なリスクとデメリットについて詳しく見ていきましょう。
バッテリーが上がる
車を長期間使用しないと、バッテリーが自然放電してしまいます。現代の車は、エンジンをかけていない状態でも、車内の電子機器やセキュリティシステムがわずかに電力を消費し続けているため、時間が経つとバッテリーが完全に放電してしまうことがあります。
バッテリーが上がってしまうと、エンジンをかけることができなくなり、ジャンプスタートやバッテリー交換が必要です。特に1週間以上車を使用しない場合、このリスクは高まります。
また、バッテリーが上がると、ただエンジンがかからないだけでなく、バッテリー自体の寿命を縮めることにもなりかねません。頻繁にバッテリーが上がるような状況が続くと、新しいバッテリーに交換する必要が生じ、余計なコストがかかってしまいます。放置期間が長い場合は、バッテリーの状態をこまめにチェックするか、予防策が必要でしょう。
タイヤの劣化
車を長期間放置することでタイヤにも悪影響が及びます。タイヤは常に車の重さを支えているため、一定の位置で同じ負荷がかかり続けると、タイヤが一部分だけ変形してしまうことがあります。この現象を「フラットスポット」と呼びますが、フラットスポットが発生すると、タイヤの形状が変わり、走行中に振動や騒音が発生する原因となります。
特に長期間放置されていると、このフラットスポットは永久的なものとなり、タイヤを交換しなければなりません。また、タイヤのゴムは紫外線や温度変化により徐々に劣化していきます。直射日光の下に車を放置していると、ゴムの劣化が加速し、タイヤにひび割れが発生することもあります。
ゴムが硬くなり、弾力を失うことでタイヤの性能が低下し、スリップしやすくなる危険性もあります。長期間使用しない場合は、タイヤカバーを使って保護するなどの対策が必要です。
関連記事:自動車タイヤの空気圧、大丈夫?適切なメンテナンス方法を大公開
ガソリンの劣化
車を長期間放置していると、ガソリンも劣化することがあります。ガソリンは時間が経つと酸化し、その性能が低下します。劣化したガソリンを使い続けると、エンジンの燃焼効率が悪くなり、エンジンがかかりにくくなるだけでなく、走行中に不具合を引き起こすことがあります。
長期間放置することが予想される場合には、ガソリンスタビライザーと呼ばれる添加剤を使用することが効果的です。この添加剤はガソリンの劣化を遅らせ、エンジンに悪影響を及ぼすことを防ぎます。
関連記事:たった30秒のお手軽ガソリンメンテナンス!-ガソリン添加剤とは?-
車の部品の劣化
車を長期間動かさずに放置すると、さまざまな部品が劣化します。特にエンジンやサスペンション、ゴム部品などは、車が動かない状態でいると乾燥しやすくなり、劣化が進みます。例えば、エンジン内部のオイルが流れなくなり、エンジンがかかりにくくなる原因です。
さらに、サスペンションのゴムパーツも硬化してひび割れが生じることがあります。こうした劣化が進行すると、最終的には部品の交換が必要となり、修理費用が高額になる可能性もあるでしょう。
また、ブレーキディスクやローターも放置中に錆びやすくなります。特に湿気が多い環境では、金属部分に錆が発生しやすく、錆が進行するとブレーキ性能が低下するリスクが高まります。車を再び使用する際には、必ずブレーキの状態を確認し、異常がないかをチェックすることが大切です。
エアコン内部の異臭
車を長期間使用しないと、エアコン内部に湿気が溜まりやすくなり、カビが発生する原因となります。カビが発生すると、エアコンを使用した際に不快な臭いが車内に充満することがあります。カビの臭いは健康にも悪影響を及ぼす可能性があり、特にアレルギーを持っている人にとっては深刻な問題となるでしょう。
エアコン内部のカビを防ぐためには、車を放置する前にエアコンのフィルターを交換し、可能であればエアコン内部の清掃を行うのが望ましいです。また、車を使用しない期間中に定期的にエンジンをかけ、エアコンを動かすことで、湿気が溜まりにくくなり、カビの発生を防ぐことができます。
車を放置する場合の対処法
車を長期間放置する場合には、いくつかの対策を講じることで、車の劣化やトラブルを最小限に抑えることができます。以下では、車を放置する際に効果的な対策をいくつか紹介します。
1週間に1回は走行する
車を放置する期間が1週間以上に及ぶ場合でも、できるだけ週に1回は車を動かすことが大切です。エンジンをかけて数十分程度の走行を行うことで、バッテリーが放電するのを防ぎ、タイヤやエンジン内部のパーツに適度な負荷をかけることができます。また、エンジンオイルや冷却液が循環することで、エンジン内部の潤滑が保たれ、各部品の劣化を抑える効果が期待できます。
短い距離でも走行することができれば、タイヤのフラットスポットを防ぐこともできるため、長期間放置する前にこの方法を活用するのが理想的です。
バッテリーのマイナス端子を取り外す
もし車を1週間以上使用しない予定がある場合は、バッテリーのマイナス端子を取り外すことも有効な手段です。バッテリーが自然放電してしまうことを防ぎ、再び使用する際にバッテリーが上がってしまうリスクを減らすことができます。バッテリーのマイナス端子を取り外す際には、工具を使用して慎重に作業を行い、誤ってショートさせないように注意しましょう。
バッテリーの端子を外す際には、車の取扱説明書に記載されている手順に従って正しく作業を行うことが大切です。なお、端子を取り外すと、車内の時計やオーディオシステムの設定がリセットされることがあるため、再接続後にこれらの設定を確認しておく必要があります。
湿気対策をする
車内の湿気対策も忘れてはならないポイントです。湿気が溜まることで、車内の金属部分に錆が発生したり、シートや内装にカビが生えたりする可能性があります。これを防ぐためには、車内に除湿剤を設置することが効果的です。除湿剤はホームセンターやカー用品店で手軽に購入でき、車内の湿度を適切に保つのに役立ちます。
また、可能であれば、放置する前に車内を十分に乾燥させ、湿気がこもらないように窓を少し開けて通気を確保することも考慮すべきです。ただし、窓を開ける場合には、雨が侵入しないように注意する必要があります。
盗難対策をする
長期間車を放置する場合には、盗難のリスクも考慮する必要があります。特に、人目につかない場所に駐車している場合は、盗難防止装置を設置するようにしましょう。ハンドルロックやタイヤロックといった物理的な防犯装置を使用することで、車が盗まれるリスクを低減できます。
さらに、駐車場所を選ぶ際には、できるだけ人通りが多く、防犯カメラが設置されている場所を選ぶことが大切です。特に高価な車や人気のある車種は、盗難のターゲットになりやすいため、しっかりとした防犯対策を講じることが大切です。
ガソリンを満タンにする
車を長期間使用しない場合、ガソリンタンクを満タンにしておくのをお勧めします。ガソリンタンク内に空間が多いと、空気中の湿気がタンク内に溜まりやすくなり、錆が発生する原因です。満タンにしておけば、タンク内に空気が少なくなり、湿気の侵入を防ぐことができます。
タイヤの点検をする
タイヤの空気圧は放置前にしっかりと確認し、適切な空気圧に調整しておくことが大切です。タイヤの空気圧が不足している状態で長期間放置されると、タイヤが変形してフラットスポットができやすくなります。また、タイヤが劣化してひび割れが発生している場合は、早めに交換を検討する必要があります。
タイヤの劣化を防ぐためには、放置前に空気圧を適正に保ち、必要であればカバーをかけて直射日光や雨風から保護することが効果的です。さらに、可能であれば、車を定期的に少しだけ動かし、タイヤの接地面を変えることで劣化を防ぐことができます。
ディーラーに保管方法を相談する
車を長期間使用しない場合、ディーラーに相談することで最適な保管方法を知ることができます。特に新車や高級車の場合は、メーカーが推奨する保管方法を徹底することで、車の寿命を延ばし、劣化を防ぐことができます。
また、ディーラーによっては、車を一時的に保管してくれるサービスを提供している場合もあります。こうしたサービスを利用することで、長期間使用しない車の管理が楽になるでしょう。
放置した車を運転する場合
長期間放置した車を再び運転する際には、いくつかの重要なポイントを確認する必要があります。これらを確認せずに運転を始めると、思わぬトラブルや故障が発生する可能性があるため、事前にしっかりとチェックしましょう。
車検の期日を確認する
まず、車検の有効期限を確認することが非常に大切です。車を長期間使用していない場合、車検が切れていることに気づかないまま運転してしまうことがあります。車検が切れている状態で公道を走行することは違法であり、罰則が科される可能性があるため、必ず有効期限を確認し、必要に応じて車検を受ける準備を行いましょう。
車の状態を確認する
放置後に車を再び運転する前には、必ず車の各部品をチェックする必要があります。まず、タイヤの空気圧や溝の状態を確認し、必要であれば空気を補充します。また、エンジンオイルやブレーキオイルの量や品質を確認し、劣化している場合は交換を行うことが大切です。
バッテリーが上がっている場合はジャンプスタートを行うか、新しいバッテリーに交換します。さらに、ライトやウィンカーなどの電装品が正常に作動しているかも確認し、問題がないことを確認してから運転を開始しましょう。
放置した車を売却する場合
長期間放置した車を再び使用せずに売却を考えることもあるかもしれません。車の状態や市場価値を考慮して、適切な売却方法を選ぶことが大切です。以下では、車を売却する際に考慮すべき選択肢をいくつか紹介します。
ディーラーで下取りしてもらう
新しい車を購入する予定がある場合、ディーラーで下取りを依頼することが簡単な方法の一つです。ディーラーでの下取りは、新車購入時の割引が適用されることが多く、手続きがスムーズに進むというメリットがあります。また、ディーラーは車の状態を評価し、適正な価格で下取りをしてくれるため、安心して取引を進めることができます。
中古買取業者に売却する
中古車買取業者に売却することで、現金化をスムーズに行うことができます。複数の業者に査定を依頼し、最も高い査定額を提示してくれる業者を選ぶことで、より高い価格で車を売却することが可能です。インターネットの一括査定サービスを利用すると、複数の業者から簡単に見積もりを取得でき、比較しながら最適な選択ができます。
廃車買取業者に売却する
もし車が動かなくなってしまったり、修理費用が高額で現実的でない場合には、廃車買取業者に売却も一つの選択肢です。廃車買取業者は、動かない車や古い車でも引き取ってくれるため、車の処分が手軽に行えます。
また、車の状態によっては、パーツとしての価値が見込まれることもあり、思わぬ高値で売却できることもあります。動かなくなった車でも、査定を依頼する価値は十分にあるでしょう。
まとめ
車を長期間放置することで、バッテリー上がりやタイヤの劣化、エンジンの不調など、さまざまなリスクが生じます。しかし、適切な対策を講じることで、これらのトラブルを未然に防ぐことができます。放置前に準備を行い、定期的に車の状態を確認することで、車を良好な状態に保ち、再び使用する際にもスムーズに運転を再開できます。
また、車を売却する際には、ディーラーや中古車買取業者、廃車業者といった選択肢を考慮し、最適な方法で取引を進めることが大切です。
10年以上経った車などは、ソコカラで高額査定してもらうのがおすすめです。お電話一本で引き取りに伺い、面倒な作業は一切不要です。査定のお申し込みは電話やWebからお気軽にどうぞ。

この記事の監修者
浅野 悠
「株式会社はなまる」小売事業部 事業部長。1987年東京都生まれ。小学生から大学生までの間レーシングドライバーを目指し数多くの大会に出場。20代で飲食店経営に携わったのち、野菜配達の仕事に就くも、幼少期からの車への魅力を忘れられず自動車業界へ。中古車査定士の資格を取得し、自動車に関する豊富な知識をもとに、おもに車に起きるトラブルの対処法や車の豆知識に関するコラムを執筆。
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