- 2024.11.01
修復歴ありとは?見極め方とやめたほうがいい理由を詳しく紹介!
中古車市場では、「修復歴あり」という言葉を目にすることがよくあります。修復歴ありの車は、一般的に市場での価値が低いため、価格が安く設定されることが多いですが、購入を検討する際には、いくつかの重要な点を理解しておく必要があります。
修復歴ありの車は、適切な修理が行われている場合には問題なく走行できることが多い一方で、安全性や将来的なリスクが存在する可能性もあります。
本記事では、修復歴ありの車についての基本的なことから、修復歴ありの車を購入する際のメリットやリスク、また、購入時に気をつけるべきポイントについて詳しく解説します。さらに、修復歴ありの車を将来的に売却する際にどのような影響があるか、査定時の注意点についても触れていきます。

修復歴ありとは
車の骨格部分や車の主要な構造に対する修理が行われたことを「修復歴あり」といいます。修復歴がある車は、車の安全性や走行性能に影響を与える重要な部分が修理されるため、中古車市場での評価が下がりやすいです。
修復歴には、大きな衝突によるフレームの歪みの修正、エンジンルームやトランク内のフレーム修理などが含まれます。修復歴のある車は、走行に支障がないように見える場合でも、その過去が価格や価値に大きな影響を及ぼします。
修復歴ありの基準
修復歴ありと見なされるための基準は、各国や自動車査定基準によって異なりますが、日本では自動車査定協会(JAAA)が定める基準に基づいて判断されます。
具体的には、フロントフレーム、リアフレーム、ピラー、ルーフ、フロアなど、車の基本構造を支える部分が修理された場合が修復歴ありです。こういった部分は、車の走行性能や安全性に大きな影響を与えるため、事故や大きな損傷を受けた後、修理された場合には、その修理の履歴が「修復歴あり」として残ることになります。
また、修復歴ありと判断されるのは車の骨格部分に限られ、外装や内装の修理や交換、エンジンやトランスミッションなどの機械部分の修理は、通常「修理歴」となります。バンパーの交換やドアの修理などは車の構造には影響を与えないため、修復歴には含まれません。
修復歴と修理歴の違い
修復歴と修理歴は似ているようで異なる概念です。修復歴は、車の骨格部分に対する修復歴のことをいいます。具体的には、車のフレームやルーフ、トランクフロアなど、車の基本的な構造を支える部分が修理された場合が該当します。
一方で、修理歴は、車の外装や内装、エンジンや電装系など、構造に影響を与えない部分の修理や交換を指します。例えば、バンパーやフェンダーの交換、エアコンやオーディオシステムの修理などは修理歴に該当しますが、これらは車の安全性や走行性能に大きな影響を与えるものではないため、修復歴としては扱われません。
修理歴のある車は、一般的に修復歴のある車に比べて市場価値にそれほど影響を与えないことが多いです。しかし、修復歴のある車は、その修理が車の安全性や耐久性に影響を与える可能性があるため、市場価値が大きく下がることが一般的です。この違いを理解することで、購入や売却の際に適切な判断を下すことができます。
修復歴ありの中古車を買うメリット
修復歴ありの車には、購入者にとってのいくつかのメリットがあります。最も明白なメリットは、価格が非常に安く設定されていることです。市場価値が下がる修復歴のある車は、同じ車種や年式、走行距離の車に比べて、数十万円〜数百万円安く購入できる場合があります。これは、限られた予算で車を購入したいと考える人にとって、非常に大きな魅力です。
例えば、特定の車種やモデルに強いこだわりがある場合、修復歴ありの車を選ぶことで、予算内で希望の車を手に入れることが可能になります。
また、修復歴があっても、適切な修理が行われていれば、日常的な使用には問題がない場合が多く、コストパフォーマンスに優れた選択肢となることもあります。特に、軽度の事故や損傷であった場合、その修理がしっかりと行われていれば、走行性能や安全性に影響を与えない場合も多く、修復歴のある車は通常よりも安いことが多いですが、十分に信頼性のある車となり得ます。
さらに、修復歴ありの車は、カスタマイズやチューニングを考えている人にとっても良い選択肢となります。安価で購入した車をベースに、自分好みに改造やカスタムを施すことができるため、車の購入にかかるコストを抑えつつ、カスタム費用に充てることができます。このように、修復歴ありの車には予算を最大限に活用するメリットがあります。
修復歴ありの車はやめたほうがいい?
一方で、修復歴のある車を購入する際には、いくつかのリスクが伴うことも事実です。これらのリスクを理解した上で購入を検討することが大切です。修復歴がある車は、故障や安全性に関する懸念が生じる可能性があり、購入後にトラブルに見舞われる可能性もあります。
故障のリスク
修復歴のある車はやめたほうが良いと言われることもありますが、その理由として、修復歴のある車は損傷を受けたことがある車であるため、故障のリスクが高まることがある点にあります。特に、フレームやサスペンションといった重要な構造部分が修理されている場合、修理が不十分であったり、修理の品質が低かった場合には、再度損傷や故障が発生する可能性が高まります。
また、修理に使用された部品が純正品でない場合や、低品質な部品が使われていた場合には、部品の耐久性が低下し、早期に交換が必要になることもあります。このような理由から、修復歴のある車を購入する際には、事前に故障リスクを十分に理解し、慎重に選ぶことが求められます。
安全性のリスク
修復歴ありをやめたほうが良いと言われている理由として、安全性のリスクが挙げられます。特に、車の骨格部分の場合、その修理が完全に元の状態に戻っているかどうかは保証されません。
車の骨格部分は、衝突時の衝撃を吸収する重要な役割を果たしているため、修理が不十分である場合、再度の事故時に修復歴なしの車に比べて衝撃吸収性能が低下し、より大きなダメージを受ける可能性があります。
また、修復歴ありの車は、修理後に適切な検査が行われていない場合、安全性能が低下している可能性があり、これが運転中の危険を伴うことになります。家族や友人を乗せる場合、安全性に対して特に敏感である必要があるでしょう。
売却時のリスク
修復歴ありの車は、将来的に売却する際に大きなリスクとなることがあります。中古車市場は、修復歴なしの車が優先的に取引されるため、修復歴がある車は買い手がつきにくく、売却までに時間がかかることが予想されます。さらに、修復歴ありの車は査定額が大幅に下がることが一般的です。
特に、骨格部分の修理が行われている場合や、損傷があった車は、修復歴のない車に比べて査定額が数十万円〜数百万円低くなることがあります。そのため、修復歴のある車の購入を考えている方は、将来的な売却時のリスクを十分に理解し、そのリスクを踏まえた上で購入を検討する必要があります。
修復歴のある車を買う際の注意点
実際に修復歴のある車を購入する場合は、いくつかの注意点を押さえることで、リスクを最小限に抑え、安心して車を購入できます。以下のポイントを確認し、慎重に選択することが大切です。
信頼できる販売店での購入
修復歴のある車を購入する際には、信頼できる販売店を選ぶことが最も大切です。信頼性のある販売店であれば、修復歴の内容や修理の品質について正確な情報を提供してくれるため、購入後のトラブルを避けることができます。
また、保証やアフターサービスがしっかりしているかどうか確認しておきましょう。アフターサービスが充実している販売店であれば、購入後に何か問題が発生した場合でも、迅速に対応してもらえるため、安心して車を購入できます。
必ず試乗をする
修復歴のある車を購入する際には、試乗を行うことが非常に大切です。試乗をすることで、走行中の異音や振動、ハンドリングの違和感など、車の状態を直接確認できます。
また、ブレーキの効き具合やエンジンの調子など、日常使用において問題がないかどうかも確認できます。修復歴のある車でも、修理がしっかり行われていれば走行性能に問題がないことが多いですが、実際に自分で確認することで、安心して購入することができるでしょう。
修復歴の内容を確認する
修復歴ありの車を購入する際には、修復の詳細を必ず確認することが大切です。どの部分が修理されたのか、修理が適切に行われているかなど、販売店からしっかりと説明を受けることで、車の状態を正確に把握できます。
また、修理に使用された部品が純正品かどうか、修理が正規の方法で行われたかも確認することが重要です。これにより、購入後のトラブルを防ぎ、安心して車を使用することができるでしょう。
冠水車にも気をつける
修復歴ありの車の中には、冠水車が含まれていることもあります。冠水車は、洪水や大雨などによって水没した車であり、その損傷は外観からは分かりにくい場合があります。
冠水車は、エンジンや電装系統、トランスミッションなどに深刻なダメージを受けていることが多く、修復されていたとしても、後々トラブルが発生する可能性が高いため、特に注意が必要です。購入前には、冠水車でないかどうかを販売店に確認し、できるだけ避けるようにしましょう。
関連記事:修復歴車のメリット・デメリットは?購入前の確認ポイントをご紹介!
修復歴ありの車の売却について
修復歴ありの車を売却する際には、査定時にその修復歴が必ず影響を与えることを理解しておく必要があります。修復歴のある車は、中古車市場での評価が低く、査定額が大幅に下がることが一般的です。また、査定士は車のフレームやピラーなどを詳細に確認するため、修復歴を隠して売却できません。
査定時には必ずバレる
修復歴ありの車を売却する際、査定士は車のフレームやエンジンルーム、トランク内などを詳細に確認し、修復歴があるかどうかを判断します。特に、フレーム部分の修理は簡単に見つけることができるため、修復歴を隠しても、査定時には必ずバレます。そのため、正直に修復歴を申告し、査定士に正確な情報を提供することが重要です。
査定額への影響
修復歴がある車は、市場価値が低く評価されるため、査定額も大幅に低くなることが一般的です。特に、フレームやピラーの修理が行われている場合や、冠水車の場合は、査定額がさらに下がることがあります。このため、修復歴ありの車を売却する際には、事前に市場価格を確認し、予想される査定額に対して現実的な期待を持つことが大切です。
修復歴ありなら廃車買取も一つの手
修復歴ありの車を売却する際、通常の中古車買取で期待した金額を得られない場合、廃車買取を検討することも一つの手段です。廃車買取業者は、車の状態にかかわらず買取を行ってくれる場合が多く、修復歴がある車でも一定の金額で買取してくれることがあります。
特に、修理費用が高額になる場合や、車の年式が古くて市場価値が低い場合には、廃車買取業者を利用することで、一定の収益を得ることが可能です。
まとめ
修復歴ありの車は、価格が安いという大きなメリットがある一方で、故障や安全性のリスク、将来的な売却時の価値低下など、さまざまなデメリットも存在します。購入を検討する際には、修復歴の内容や修理の質をしっかり確認し、信頼できる販売店で購入することが重要です。
また、将来的に売却を考える際には、修復歴と査定額の関係性を把握し、場合によっては廃車買取を選択することも視野に入れておくことが大切です。費用面での負担が大きいと感じたら、ソコカラのような専門サービスを利用して、事故車の買取を検討するのも賢明な選択肢です。

この記事の監修者
浅野 悠
「株式会社はなまる」小売事業部 事業部長。1987年東京都生まれ。小学生から大学生までの間レーシングドライバーを目指し数多くの大会に出場。20代で飲食店経営に携わったのち、野菜配達の仕事に就くも、幼少期からの車への魅力を忘れられず自動車業界へ。中古車査定士の資格を取得し、自動車に関する豊富な知識をもとに、おもに車に起きるトラブルの対処法や車の豆知識に関するコラムを執筆。
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