「車を廃車にしたいけど、何から始めればいいんだろう?」そう思っているあなたへ。
こちらでは、普通自動車と軽自動車の廃車手続きに必要な書類、具体的な手続きの流れ、費用、注意点などを分かりやすく解説します。
書類を紛失した場合の対処法から、自分で手続きをする場合と代行業者に依頼する場合の比較まで、あなたの疑問を全て解決します。これを読めば、廃車手続きをスムーズに進め、安心して車を手放すことができるでしょう。
監修者情報:澤井 勝樹・株式会社はなまる監査役(税理士・行政書士)

廃車手続きの基礎知識
廃車とは?
廃車とは、道路運送車両法に基づき、自動車の情報を削除し、永久的に使用できない状態にすることをいいます。この手続きを行うことで、自動車税や自賠責保険などの支払いが停止されます。そのため、廃車にすることで、これらの費用を支払う必要がなくなります。
廃車手続きの種類

廃車手続きには、車の状態や状況に応じていくつかの種類があります。それぞれの種類によって、手続き方法や必要な書類が異なります。ご自身の状況に合った手続きを選ぶことが重要です。
永久抹消登録(※軽自動車の場合:解体返納)
車を完全に解体し、二度と使用しない場合に選択します。
この手続きを行うと、自動車としての登録が完全に抹消され、自動車税の還付を受けることができます。
※参考情報:永久抹消による廃車手続き
※参考情報:解体返納による軽自動車の廃車手続き
輸出抹消(※軽自動車の場合:輸出予定届出)
輸出抹消とは、普通自動車を輸出する場合に行う手続きのことです。輸出抹消は、転勤や長期出張などで海外に移住する際、日本で使用していた普通自動車を海外へ持って行く場合などに行います。
※参考情報:輸出抹消による廃車手続き
※参考情報:輸出予定届出による軽自動車の廃車手続き
一時抹消登録(※軽自動車の場合:一時使用中止)
一時的に車の使用を中止する場合に選択します。
例えば、留学、海外赴任や長期間の入院などで車を使用しない場合に、自動車税の支払いを一時的に停止し、節約することができます。再登録することで、再び車を使用することも可能です。
※参考情報:一時抹消による廃車手続き
※参考情報:一時使用中止による廃車手続き
解体届出(※軽自動車の場合も解体届出)
解体届出とは、一時抹消後に解体した普通自動車の登録情報を完全に抹消する手続きのことです。解体届出を行った普通自動車は再登録をすることが出来なくなり、永久に利用することができなくなります。
※参考:解体届出による廃車手続き
※参考:解体届出による軽自動車の廃車手続き
廃車手続きの2つの方法

車の廃車手続きには、大きく分けて2つの方法があります。1つは、ご自身で陸運局に行って手続きを行う方法、もう1つは、廃車買取業者に依頼する方法です。それぞれの方法には、メリットとデメリットがあり、ご自身の状況に合わせて最適な方法を選ぶことが重要です。
自分で陸運局に行く
自分で廃車手続きを行う場合、費用を抑えられるというメリットがあります。書類の準備や手続きはご自身で行う必要がありますが、費用を最小限に抑えたい方にはおすすめです。
しかし、手続きには手間と時間がかかるため、時間に余裕がある方向けの方法と言えるでしょう。
※参考:廃車手続きを行う全国の運輸局(陸運局)・運輸支局・自動車検査登録事務所の一覧
※参考:廃車手続きを行う全国の軽自動車検査協会の一覧
廃車買取業者に依頼する
廃車買取業者に依頼する場合、手続きを代行してもらえるため、手間がかからないという大きなメリットがあります。書類の準備や手続きを全て任せることができ、忙しい方や手続きに不安がある方には最適です。
また、廃車にする車によっては、買取価格がつく場合もあり、費用をかけずに廃車できる可能性もあります。
ただし、業者によっては手数料が発生する場合や、買取価格が相場よりも低い場合もあるため、注意が必要です。
廃車手続きの流れ
自分で陸運局に行って廃車手続きを行う場合、普通車と軽自動車で手続きの流れが異なります。ここでは、それぞれのケースで必要な手続きと、注意点について詳しく解説します。
普通車の廃車手続き(永久抹消登録)
普通車の廃車手続き(永久抹消登録)は、以下の手順で進めます。
STEP1:必要書類の準備
車検証、ナンバープレート、印鑑証明書、実印、自賠責保険証明書、自動車税納税証明書、リサイクル券を用意します。所有者の本人確認書類(運転免許証など)も必要です。
STEP2:解体業者へ依頼
車を解体業者に持ち込み、解体してもらいます。解体証明書を受け取ってください。
STEP3:運輸支局で手続き
運輸支局で、解体証明書、必要書類を提出し、手続きを行います。手続き後、「登録識別情報等通知書」が交付されます。
STEP4:税金の還付
自動車税、重量税、自賠責保険の還付を受けることができます。各税金の手続き方法を確認し、忘れずに手続きを行いましょう。
それ以外の廃車手続きの手順や、必要な書類は、こちらをご覧ください。
※参考:輸出抹消による廃車手続き
※参考:一時抹消による廃車手続き
※参考:解体届出による廃車手続き
軽自動車の場合(解体返納)
軽自動車の永久抹消手続きは、普通車に比べて比較的シンプルです。以下の手順で進めます。
STEP1:必要書類の準備
軽自動車検査証(車検証)、ナンバープレート、印鑑(認印可)、自賠責保険証明書、自動車税納税証明書を用意します。所有者の本人確認書類(運転免許証など)も忘れずに。
STEP2:解体業者へ依頼
車を解体業者に持ち込み、解体してもらいます。解体証明書を受け取ってください。
STEP3:軽自動車検査協会で手続き
軽自動車検査協会で、解体証明書、必要書類を提出し、手続きを行います。「解体届出」と「永久抹消登録」を同時に行います。手続き後、「軽自動車検査証返納証明書」が発行されます。
STEP4:税金の還付
自動車税の還付を受けるためには、手続きが必要です。軽自動車検査協会で、還付に関する手続きについて確認しましょう。
それ以外の廃車手続きの手順や、必要な書類は、こちらをご覧ください。
※参考:一時使用中止による軽自動車の廃車手続き
※参考:解体届出による軽自動車の廃車手続き
※参考:輸出予定届出による軽自動車の廃車手続き
自分で手続きを行う場合、費用を抑えることができますが、書類の準備や手続きに手間と時間がかかります。事前に必要な書類や手続きの流れをしっかりと確認し、スムーズに進められるように準備しましょう。
もし不安な場合は、廃車買取業者に依頼することも検討しましょう。
業者に頼むとどう変わる?メリット・デメリットは?

廃車手続きを業者に依頼すると、手間を省ける一方で、費用や業者選びに注意が必要です。ここでは、業者に依頼する場合のメリットとデメリットを分かりやすく解説します。
メリット
- 手続きの代行
煩雑な書類の手続きや陸運局への手続きを、全て代行してもらえます。忙しい方や、手続きに慣れていない方には大きなメリットです。 - レッカー移動の手配
自力での移動が難しい場合でも、レッカー車の手配をしてもらえます。 - 買取の可能性
廃車にする車でも、買取価格がつく場合があります。自分で手続きするよりも、お得になる可能性があります。
デメリット
- 費用が発生する
業者に依頼すると、手数料や廃車費用が発生します。自分で手続きするよりも、費用が高くなる可能性があります。 - 業者選びの注意点
悪質な業者も存在するため、業者選びは慎重に行う必要があります。見積もりを比較したり、口コミを参考にしたりして、信頼できる業者を選びましょう。 - 買取価格の変動
買取価格は、車の状態や相場によって変動します。期待していた価格にならない場合もあります。
業者に依頼する場合は、これらのメリットとデメリットを比較検討し、ご自身の状況に合った方法を選ぶことが大切です。

廃車にかかる費用
廃車にかかる費用は、廃車手続きを進める上で重要な要素です。費用を把握しておくことで、予算を立てやすくなり、安心して手続きを進めることができます。ここでは、廃車にかかる費用について、詳しく解説します。
手数料
廃車手続きには、様々な手数料が発生します。主な手数料としては、以下のものが挙げられます。
永久抹消登録手数料
運輸支局で永久抹消登録を行う際には、登録手数料が発生します(普通自動車の場合はおおむね500円)。ただし、申請方法や車の種類によっては変動する可能性があるため、事前に各運輸支局の案内を確認しておくと安心です。
解体費用:1万~2万円程度
車を解体業者に依頼する場合、おおよそ1万~2万円程度の解体費用がかかります。費用は、車の大きさや損傷の有無、依頼する業者によって異なりますが、軽自動車よりも普通自動車、大型車の方が高くなる傾向にあります。また、状態や地域によっては無料になる場合や、買取扱いでプラスになるケースもあります。
書類発行手数料
廃車手続きに必要な書類を再発行してもらう場合、
・住民票:300円程度
・印鑑証明書:300〜400円程度
・戸籍謄本:450円程度
など、書類ごとに手数料が発生します。必要書類はケースにより異なるため、事前に確認しておくとスムーズです。
これらの手数料は、手続きの種類や依頼する業者によって異なるため、事前に確認しておくことが大切です。
解体費用
車の解体には、解体費用がかかります。解体費用は、車の種類や状態によって異なり、一般的には、普通車よりも軽自動車の方が安価です。
また、車の状態によっては、追加費用が発生する場合もあります。例えば、違法改造車や、部品が取り外されている車などは、追加費用がかかる可能性があります。解体費用については、事前に解体業者に見積もりを取ることをおすすめします。
車の運搬費用
車の運搬費用も、廃車にかかる費用の一つです。自力で車を解体業者に持ち込むことができない場合、レッカー車などを利用して運搬する必要があります。
運搬費用は、車の移動距離や、レッカー車の種類によって異なります。廃車買取業者に依頼する場合は、運搬費用が無料になる場合もあります。
廃車にかかる費用は、手続きの方法や、車の状態、依頼する業者によって異なります。事前に費用の内訳を確認し、総額を把握しておくことが大切です。
手続き後に還付されるお金

廃車手続きをすると、いくつかの税金や保険料が還付される可能性があります。どのようなお金が戻ってくるのか、詳しく見ていきましょう。
自動車税
自動車税は、毎年4月1日時点での車の所有者に対して課税される税金です。廃車手続きを行った場合、手続きが完了した翌月から3月までの期間に対応する自動車税が還付されます。還付金額は、廃車手続きを行った時期によって異なります。
※参考:廃車にする際の自動車税の還付金を受け取る手順や手続き、条件を解説!
重量税
重量税は、車の重量に応じて課税される税金です。車検時に次回の車検までの期間分をまとめて支払います。廃車手続きを行うと、車検の有効期間が残っている場合に、その残りの期間に応じた重量税が還付されます。
※参考:自動車重量税について
自賠責保険
自賠責保険は、車の所有者に加入が義務付けられている保険です。廃車手続きを行うと、保険期間が残っている場合に、その残りの期間に応じた自賠責保険料が還付されます。
還付金を受け取るためには、廃車手続きの際に還付の手続きを行う必要があります。手続きに必要な書類や、還付金の振込先などを確認しましょう。還付金は、手続き後1~2ヶ月程度で指定の口座に振り込まれるのが一般的です。これらの還付金を受け取ることで、廃車にかかる費用を一部軽減することができます。
手続きの際によくある質問Q&A
廃車手続きに関して、多くの方が疑問に思う点について、Q&A形式で分かりやすく解説します。
Q1: 廃車手続きにはどのような種類がありますか?
A: 廃車手続きには、主に以下の4つの種類があります。
- 永久抹消登録: 車を解体し、二度と公道を走らない場合に選択します。自動車税や重量税の還付を受けられます。
- 輸出抹消: 車を海外に輸出する場合の手続きです。自動車税や重量税の還付が受けられます。
- 一時抹消登録: 車を一時的に使用しない場合に選択します。自動車税の支払いが一時的に停止されます。再度使用する際には再登録が必要です。
- 解体届出: 永久抹消を行う際に必要な手続きです。解体業者に車を預け、解体証明書を受け取った後に行います。
Q2: 廃車手続きは自分でもできますか?
A: はい、廃車手続きはご自身でも可能です。自分で手続きを行う場合は、陸運局で必要書類を揃え、手続きを行います。費用を抑えることができますが、手間と時間がかかります。
Q3: 廃車手続きに必要な書類は何ですか?
A: 廃車手続きの種類によって必要な書類は異なりますが、一般的には以下の書類が必要です。
- 車検証
- ナンバープレート
- 印鑑(認印または実印)
- 印鑑証明書(実印の場合)
- 自賠責保険証明書
- 自動車税納税証明書
- リサイクル券
- 解体証明書(解体返納の場合)
- 所有者の本人確認書類(運転免許証など)
Q4: 廃車にすると税金は還付されますか?
A: はい、廃車手続きを行うと、以下の税金や保険料が還付される可能性があります。
- 自動車税:手続きが完了した翌月から3月までの期間に対応する自動車税が還付されます。
- 重量税:車検の有効期間が残っている場合に、残りの期間に応じた重量税が還付されます。
- 自賠責保険:保険期間が残っている場合に、残りの期間に応じた自賠責保険料が還付されます。
Q5: 廃車手続きを業者に依頼するメリットは何ですか?
A: 廃車手続きを業者に依頼するメリットは、主に以下の3点です。
- 手続きの代行:煩雑な書類の手続きや陸運局への手続きを、全て代行してもらえます。
- レッカー移動の手配:自力での移動が難しい場合でも、レッカー車の手配をしてもらえます。
- 買取の可能性:廃車にする車でも、買取価格がつく場合があります。
Q6: 廃車買取業者を選ぶ際の注意点は?
A: 廃車買取業者を選ぶ際には、以下の点に注意しましょう。
- 複数の業者から見積もりを取る
- 口コミや評判を参考に、信頼できる業者を選ぶ
- 追加費用や手数料の有無を確認する
- 買取価格の内訳を詳しく確認する
Q7: 廃車手続きでよくあるトラブルは?
A: 廃車手続きでよくあるトラブルとしては、以下のものが挙げられます。
- 書類の不備
- 手続きの遅延
- 費用のトラブル
- 業者との連絡が取れなくなる
これらのトラブルを避けるためには、事前に必要な書類や手続きの流れをしっかりと確認し、信頼できる業者を選ぶことが重要です。
Q8: 廃車にする車の査定はどこでできますか?
A: 廃車にする車の査定は、廃車買取業者や中古車買取業者で行うことができます。複数の業者に見積もりを依頼し、比較検討することをおすすめします。
これらのQ&Aを参考に、廃車手続きに関する疑問を解消し、スムーズに手続きを進めてください。
まとめ|ソコカラに無料査定へ
この記事では、廃車に関する様々な情報をお伝えしました。ご自身の状況に合わせて、最適な廃車方法を選ぶことが重要です。
「手続きが難しそう」「どの業者を選べばいいか分からない」とお悩みの方もご安心ください。
ソコカラでは、どんな車でも無料査定!そして廃車手続きも無料で対応しています。専門スタッフが、お客様の状況に合わせて最適な方法をご提案いたします。
愛車について少しでも気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。

この記事の監修者
澤井 勝樹
「株式会社はなまる」監査役。1975年生まれ。10年近く会計事務所で経理総務全般の経験を積みながら、税理士、行政書士登録。その後、IT系ベンチャー企業のIPOの準備に携わるなど活動。現在はインターネットとクルマの可能性を世の中に伝えたいとソコカラコラムを執筆中。家族・食べること・愛車のセレナが大好き。おもに廃車の手続きや税金に関するコラムを執筆している。
関連記事
-
-
- 自動車のお役立ちコラム
- 2024.09.10
車のエンジンがかからない!電気はつくのに…その原因と対処法を徹底解説
-
-
-
- 事故車のお役立ちコラム
- 2024.09.26
人身事故の違反点数や罰金は?免停の基準も解説!
-
-
-
- 事故車のお役立ちコラム
- 自動車のお役立ちコラム
- 2024.09.26
軽い事故・人身事故の違反点数はどのくらい?加算される違反点数や処分の流れを解説
-
-
-
- 故障車のお役立ちコラム
- 2024.09.18
ブロアモーター交換にかかる費用を徹底解説|異変を感じた際の対処法
-
-
-
- 事故車のお役立ちコラム
- 2025.01.07
動物を轢いて逃げたらどうなる?飼い主がいた場合の対応も徹底解説
-
-
-
- 故障車のお役立ちコラム
- 2024.11.01
ハンドルを切ると異音がする原因と対処法について詳しく解説!
-