- 2024.05.31
廃車にする際の自動車税の還付金を受け取る手順や手続き、条件を解説!
「自動車税の還付を受けるにはどうすればいいの?」と疑問に思う方は多いでしょう。
還付は、運輸支局に行き「抹消登録」の手続きをすれば受けられます。
書類さえきちんとそろえておけば、還付の手続きはさほど難しくありません。
こちらの記事では、自動車税還付金のために必要な条件や手続きについて具体的に解説していきます。

そもそも自動車税(種別割)とは
自動車税は、4月1日時点で「三輪以上の小型自動車」「普通自動車(特殊自動車を除く)」の所有者として自動車検査証に登録されている人に課せられる、地方税のひとつです。
納付書は毎年5月に届き、5月中の納付が求められます。
自動車税還付金を受け取るには、この自動車税(種別割)の納付が終わっていることが大前提です。
(自動車税は減税にともない、令和元年10月1日より「自動車税(種別割)」と名称が変更されました)
税率
自動車税還付金の金額は、「いくら納付したか」によって異なります。
納付金額は排気量によって異なるため、自身の車について確認してみてください。
【自家用乗用車の場合】

※( )の税率は、令和元年9月30日以前に初回新規登録を受けた自家用乗用車に適用される税率
還付金の額が知りたい場合は、上記の金額をもとに1ヵ月の自動車税額を算出してみましょう。
その金額に「廃車した翌月~3月まで」の月数をかければ、いくら還付があるかわかるはずです。
たとえば納付額が3万6,000円の場合、1ヵ月の自動車税額は3,000円です。
廃車した翌月から3月までが4ヵ月である場合は「3,000×4」で「12,000円」が還付金額となります。
廃車をする際に自動車税が還付されるって本当?
自動車税の還付には、車の抹消登録を行うことが必要です。
普通車の登録情報を抹消する廃車手続きを行うと、その時点から自動車税種別割は課税されなくなり、廃車手続きが完了した翌月から3月までの残存期間分が月割り計算で還付されます。
例えば、7月に廃車手続きが完了した場合、8月から翌年3月までの税金が月割りで還付されることになります。
3月に廃車手続きを行った場合は、自動車税種別割の還付を受けることはできません。
また、住民税や事業税などの地方税を滞納している場合は、自動車税種別割の還付金が未納分に充てられ、還付を受けられない可能性があります。
抹消手続きの詳しいやり方は以下を参照してください。
軽自動車の廃車では自動車税が還付されない
軽自動車の自動車税(軽自動車税)については、普通車と異なり、月割りでの還付制度が存在しません。
軽自動車税は、普通車の自動車税とは異なり、排気量による税率の区分がなく、一律の年税として課されます。
軽自動車所有者は毎年固定の税額を支払う税制の設計上、年度途中で車を廃車にしても、その年度の税金は完全に課税され、月割り計算での還付が行われません。
たとえば、ある軽自動車の所有者が6月に車を廃車にした場合、その年の4月1日時点で既に課税された税金については返金されることはなく、翌年度の税金が免除されるだけです。
参照:国税庁公式
自動車税還付金を受け取るための2つの条件
自動車税の還付を受けるには、法律で定められた条件をクリアしなければなりません。
まず1つ目が、対象車の利用を停止する手続きをすること、そして2つ目が「税の滞納がない」ことです。
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
1.「抹消登録」すること
自動車税還付金を受け取るためには、還付を受ける予定の車の抹消登録が必要です。
これは管轄区の運輸支局へ行き、対象車の公的記録を破棄することです。
車の所有権そのものが破棄されるため、抹消登録後は公道を走ることができません。
抹消登録には次の2種類があります。
・永久抹消登録 ・一時抹消登録 |
まず、車を廃車にしてしまう場合は「永久抹消登録」を行います。
車そのものがなくなるため「永久に乗らない」というケースに適用されます。
一方、「いずれ車検をして乗りたい」「乗りたい人が見つかったら譲りたい」というケースでは「一時抹消登録」を行います。
抹消登録後また乗りたくなった場合は「中古新規登録」、所有車が変更する場合は「所有者変更記録申請」が必要です。
それぞれの状況に合わせた抹消登録を行いましょう。
2.地方税を完納していること
前述の通り、自動車税を適切に納付していない場合、還付は受けられません。また、自動車税以外の地方税について滞納がある場合も同様です。
税の滞納額によっては、「還付金ゼロ」ということも十分にあり得ます。滞納がある場合は、事前に納付を済ませておくのがベターです。
廃車に伴う自動車税の還付手続きの方法
自動車税還付金を受け取るには、管轄区の運輸支局での「抹消登録」が必要です。
運輸支局で抹消登録を行う際の手順を紹介します。
自分で「永久抹消登録」する場合
永久抹消登録を行う場合、管轄区の運輸支局に行く前に、次の書類をそろえておかなければなりません。
廃車の場合は15日以内の手続きが必要ですから、早めに準備しておきましょう。
・自動車検査証(=車検証) ・ナンバープレート(前後) ・印鑑 ・解体報告記録がなされた日、移動報告番号 ・車検証に記載されている所有者の印鑑登録証明書 (※車検証と印鑑登録証明書の住所が異なる場合、 変更の履歴が確認できる書類「住民票など」が必要) |
上記がそろったら管轄区の運輸支局窓口へ行き、次の手順で永久抹消登録を行いましょう。
1, 書類販売窓口で申請書(第3号様式の3)を購入する 2, 車検証の内容通り必要事項を記入する 3, 引取業者から連絡を受けた「移動報告番号」と「解体記録日」を記載する 4, 間違いなく提出できれば完了 |
振込の口座番号がわかるものも持参しておきましょう。
自分で「一時抹消登録」する場合
一時抹消登録する場合も、持参するものは「永久抹消登録」と基本的に同じです。
・自動車検査証(=車検証) ・ナンバープレート(前後) ・印鑑 ・車検証に記載されている所有者の印鑑登録証明書 (※車検証と印鑑登録証明書の住所が異なる場合、 変更の履歴が確認できる書類「住民票など」が必要) |
上記がそろったら管轄区の運輸支局窓口へ行き、次の手順で一時抹消登録を行いましょう。
1, 書類販売窓口で申請書(第3号様式の2)を購入する 2, 車検証の内容通り必要事項を記入する 3, ナンバープレートを返納する 4, 「手数料納付書」に印紙を貼る 5, 「一時抹消登録証明書」を受け取り完了 |
「過誤納金等還付通知書」を持って金融機関へ
抹消登録完了後、約1~2ヵ月程度で管轄区の税務署より「過誤納金等還付通知書」が郵送されます。
還付を受ける際はこちらと「本人確認書類」「印鑑」を持参して金融機関に行きましょう。
なお、税務署によっては振込を推奨しているところもあるようです。
管轄区の対応については、事前の確認をおすすめします。
払わなくていい?自動車税などの地方税を未納している場合は要注意
地方税は、自動車税、住民税、固定資産税など都道府県や市区町村に納める税金です。これらの税金は、それぞれの自治体の運営資金として重要な役割を果たしており、公共サービスの資金源となっており、未納にしていると、さまざまなペナルティが発生する可能性があります。
期限までに納税しなかった場合、延滞金が発生するほか、長期間にわたって税金を納めない場合、財産の差押えが行われることも考えられます。自動車税の還付を適切に受け取るためには、他の地方税も含めて、全ての税金を期限内に納めることが不可欠です。
自動車税を1年未満の期間で未納している場合
自動車税を期日までに支払わなかった場合、税額に応じた延滞金が課されます。具体的に、1ヵ月以内の未納であれば本来の税額に2.4%が加算され、それ以上の長期未納で8.7%まで増加します。
また、自動車税が未納の状態では車検を受けることができません。車検がないと公道を運転することが法的に禁止されており、違反すると重い罰則が適用される可能性があります。
自動車税を2年以上未納している場合
動車税が2年以上未納の場合、税務当局は財産差し押さえを行う権限を持ちます。これには車両だけでなく、給与や銀行口座も含まれる可能性があるので注意しましょう。
未納自動車税が2年を超えると、車両は「嘱託保存」の状態に置かれます。嘱託保存状態の車は、未納分の税金が全額支払われるまで、所有権の移動ができません。
車が嘱託保存になっているかどうかは、登録事項証明書で確認できます。この証明書は、普通車の場合は運輸支局、軽自動車の場合は自動車検査登録事務所で取得可能です。
参照:国税庁公式
地方税を滞納している場合
地方税を期限内に支払わない場合、滞納金が課せられ、滞納された日数に応じて計算され、支払うべき税金の額が増加します。
また自動車税の還付金があてがわれる可能性があるので、早めに納税してください。
滞納している税金の納付手続き
自動車税を滞納している場合、納付書があるかどうかによって納税の手続きが異なります。納付書がある場合は、以下のいずれかの方法で納付可能です。
- 納付書に記載されたバーコードを使ってコンビニエンスストアで納付
- 銀行や郵便局など指定された金融機関で納付
- インターネットバンキングを使用して納付
一方で、納付書を紛失した場合、管轄の都道府県税事務所または市区町村税務課へ連絡し、納付書の再発行の依頼が必要です。再発行を待つ時間がない場合は、直接税務署の窓口に行き、納税を行うことができます。
督促状が届いた場合は、すでに納付期限が過ぎており、延滞金が発生している可能性があるので、督促状に同封されている納付書を使用して、直ちに納税を行いましょう。
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戻ってこない?自動車税の還付金の返金タイミングはいつ?
「自動車税の還付金が戻ってこない」と不安に思う方もいらっしゃるでしょう。自動車税の還付は、抹消登録手続きが完了してから1~3ヶ月の期間を要することが一般的です。
還付金は、主に送金通知書や銀行口座への直接振り込みで行われます。送金通知書を利用する場合は、発行日から1年以内に指定の金融機関で換金する必要があります。
参照:国税庁公式
自動車税の種類について
2019年10月1日の税制改正により、従来の自動車税から自動車税種別割に名称が変更されました。
改正によって、自動車税は種別割と環境性能割の2種類に分けられ、それぞれの車両に応じた税率が設定されています。
自動車税種別割
自動車税種別割の税額は、自動車は乗用車、トラック、バスなど、その用途に応じて分類され、車両の排気量によって異なる税率が適用されます。
自動車を廃車にした場合、その時点で未使用の期間に対して税金が月割りで還付されます。ただし、その年の3月に廃車手続きを行った場合は還付がありません。
また、他の地方税を滞納している場合は、還付されるはずの自動車税が滞納分に充てられるため、手元に還付金が戻ることはありません。
自動車税種別割の税額一覧
乗用車(3、5または7ナンバー)の税率は以下の通りです。
総排気量カテゴリ | 営業用車(緑ナンバー)の税額 | 自家用車(白ナンバー)の税額 令和元年9月30日以前初回新規登録 |
---|---|---|
電気自動車 | 7,500 | 29,500 |
1リットル以下 | 7,500 | 29,500 |
1リットル超〜1.5リットル以下 | 8,500 | 34,500 |
1.5リットル超〜2リットル以下 | 9,500 | 39,500 |
2リットル超〜2.5リットル以下 | 13,800 | 45,000 |
2.5リットル超〜3リットル以下 | 15,700 | 51,000 |
3リットル超〜3.5リットル以下 | 17,900 | 58,000 |
3.5リットル超〜4リットル以下 | 20,500 | 66,500 |
4リットル超〜4.5リットル以下 | 23,600 | 76,500 |
4.5リットル超〜6リットル以下 | 27,200 | 88,000 |
6リットル超 | 40,700 | 111,000 |
自動車税種別割グリーン化特例の適用を受けない自動車の税率のみを示しています。車検証上の総排気量が小数点以下第2位まで0である場合、示された税額から変動する可能性があるため、正確な税額については都道府県の税事務所に確認が必要です。
低公害車の自動車税種別割の税額
低公害車の普及を促進するため、国は自動車税の減税措置を設けました。これにより、環境負荷の少ない車両への買い替えを促進し、総合的な環境保護を目指しています。
特に、電気自動車(EV)や燃料電池自動車(FCV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)などの環境性能に優れた車両は、最大75%の減税を受けることができます。
参照:国土交通省公式
13年を経過した普通車の自動車税種別割の税額
13年を経過した普通車に課される自動車税種別割は、環境保護の観点から設定された増税制度です。ガソリン車とLPガス車は、新規登録から13年が経過すると、自動車税種別割が約15%増加します。
ディーゼル車は、新規登録から11年経過すると税率が増加し、同様に約15%の増税が適用されます。車を廃車にした場合、廃車の日から次の年度開始日までの間の未使用期間に対して税金が還付されます。ただし、廃車手続きを行った月の翌月から計算されるため、手続きのタイミングに注意が必要です。
参照:国税庁公式
自動車税環境性能割
自動車税環境性能割は、車両の燃費性能に基づき、0~3%の税率で課税される地方税です。環境負荷の少ない車両ほど低い税率が適用され、燃費基準を満たす車両には大幅な減税が行われます。特に、2021年4月1日から2023年12月31日までの間に取得した自家用車は税率が1%軽減されます。
こ自動車税環境性能割の導入は、環境への負荷を減らし、低燃費車や低排出ガス車の普及を促進するためです。従来の自動車取得税に代わり、自動車税環境性能割が導入され、燃費性能に応じた課税が行われるようになりました。
燃費基準を達成した車両には低い税率が適用されるため、エコカーの購入を検討する際にはこの税制を有効に活用できます。税率や納付方法については、購入前にしっかり確認し、適切な手続きを行うことが大切です。
参照:東京都主税局
自動車税の還付に加えて、廃車買取でお得に廃車にしよう
廃車にして自動車税還付金をもらおうと思っている人は、永久抹消登録に必要な書類等をそろえて運輸支局に行きましょう。
還付があるまでに1~2ヵ月かかりますから、早めにスケジュールを立てておくのがベターです。
廃車を進める際には、車買取業者に依頼するのがおすすめです。業者に依頼すれば、廃車する車の買取を行っているほか、廃車手続きなども無料で代行してくれます。
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この記事の監修者
浅野 悠
「株式会社はなまる」小売事業部 事業部長。1987年東京都生まれ。小学生から大学生までの間レーシングドライバーを目指し数多くの大会に出場。20代で飲食店経営に携わったのち、野菜配達の仕事に就くも、幼少期からの車への魅力を忘れられず自動車業界へ。中古車査定士の資格を取得し、自動車に関する豊富な知識をもとに、おもに車に起きるトラブルの対処法や車の豆知識に関するコラムを執筆。
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