自動車の任意保険ってどんなもの？加入しておくメリットとは？ | 廃車買取のソコカラ

自動車の保険には加入義務のある「自賠責保険（自動車損害賠償責任保険）」と「任意保険（自動車保険）」の2種類があります。

「自賠責保険があれば任意保険は不要では？」と考える人も少なくありませんが、万一の事故の場合に自賠責保険だけではカバーできないケースが多いのも事実です。

任意保険の目的や適用範囲、事故の際の支払い項目について紹介します。

さまざまな保険会社が任意保険を提供している

テレビのCMやインターネットの広告で「自動車保険」をよく目にしますね。それこそが「任意保険」と呼ばれるものです。
保険適用範囲や特約がさまざまに異なる各種の保険が、保険会社ごとに提供されています。

任意保険は自賠責保険をカバーする目的で加入する

加入義務のある自賠責保険は、自動車を購入する際に必ず加入しなければなりません。また、加入していなければ車検も通りません。

一方で、任意保険はその名のとおり「任意で加入」する保険です。つまり加入せずとも罰せられることはなく、自動車を所有する人のうち約3割は加入していないともいわれます。

自賠責保険は自動車事故の被害者を救済することを目的としています。そのため、事故を起こした際は、相手（被害者）に対してのみ下記の金額が支払われることになっています。

・相手にケガをさせた場合（治療費・通院費・通院にかかる交通費など）：120万円まで
・相手を死亡させた場合（葬儀費用や慰謝料を含む）：3,000万円まで
・相手に後遺障害が残った場合（身体的・精神的）：4,000万円まで

つまり、自分がケガをした場合の治療費や自分の車の修理費用のほか、相手方からの上記以上の損害賠償請求についても、自賠責保険ではカバーすることができません。
そのため、それらに対して適用される任意保険に加入しておく必要があるのです。

交通事故を起こしてしまった場合に相手方へ支払う主な10の項目

事故で損害を与えてしまった相手方に対しては、次のような項目に対して支払いが必要となります。

・治療費：ケガの治療にかかった費用
・通院交通費：通院に利用した公共交通機関、タクシーなどの費用
・入院費：入院が必要になった場合に発生する費用
・付き添い看護費用：付き添い看護にかかる費用（近親者やヘルパーなどの手当て・給与など）
・休業補償：ケガの治療や入院によって仕事を休んだ日数に対する補償費用（主婦や求職中の失業者も含まれる）
・損失利益：事故の被害に遭わなかった場合に得られたであろう利益
・慰謝料：相手に与えた被害の大きさに応じた慰謝料
・葬儀費用：事故によって亡くなった場合の葬儀費用
・対物賠償費用：相手方の所有物（自転車・家屋・店舗など）に損害を与えてしまった場合の賠償費用
・その他：事故によって必要となった車いす、介護車両などの購入費、バリアフリー化、手すりの設置などの改築費用

軽いケガで済んだ場合や相手方に高額の慰謝料請求をされなかった場合は、これらの費用が自賠責保険だけでカバーできるケースがないとは言い切れません。ですが、多くの場合は、任意保険にも加入しておかなければカバーしきれないのが実情です。

自分側の支払い項目

自分が起こした事故で自分や同乗者がケガや死亡した場合も、前述と同様の費用が発生します。

ただし、すでに述べたように、自賠責保険は相手方に対してのみ支払われるものです。従って、自分が起こした事故では、自分や同乗者、自分の自動車などに対しては自賠責保険からは一切保険金が支払われません。

任意保険の7つの基本的な項目

任意保険は、自賠責保険とは異なり、適用項目や支払金額に決まりはありません。加入者の都合や考え方に合わせて選びます。
どの保険会社の任意保険についても、基本項目はおおむね次のとおりです。

・対人賠償保険：相手方（被害者）のケガ、死亡に対する補償
・対物賠償保険：相手方（被害者）の財産の損壊に対する補償
・搭乗者傷害保険：契約車に乗っている全ての人のケガ、死亡に対する補償
・人身傷害保険：自分・家族・搭乗者のケガ・死亡に対する補償
・自損事故保険：単独事故におけるドライバーのケガに対する補償
・無保険車障害保険：相手方（加害者）が保険非加入者である場合や当て逃げされた場合などの補償
・車両保険：契約車の損害に対する補償

特約やサービスはニーズに合わせて選べる

前述の基本的な保険項目以外にも、各保険会社はさまざまな特約やサービスを提供しています。代表的例としては、事故について弁護士に相談したり訴訟を起こしたりする場合の費用を補償する特約や、事故の際の対応を無料で行ってくれるサービスなどがあります。

任意保険で安心をプラス

自動車事故は、いくら気を付けても誰にでも起こりうる可能性のあるものです。安心して運転を楽しむためにも、自動車を所有する人は、任意保険への加入を検討してみましょう。