廃車にすると自動車税はいつ返ってくる?

自動車を廃車処分する際に発生する税金の還付金について気になる方も多いでしょう。廃車時は過剰に支払った税金や保険料の還付が発生する場合があります。しかし、仕組みを押さえておかないと、せっかくの還付金が受け取り損ねてしまうかもしれません。
今回は廃車時に発生する還付金の受取時期や、税金・保険料の還付で注意すべき点を解説します。
目次
自動車税の廃車還付金は手続き後1~3カ月で受け取れる
自動車税が還付される時期は廃車手続き(抹消登録)後1カ月〜3カ月が目安です。また、還付方法は指定口座への振り込みのほか、金融機関で換金可能な送金通知書を郵送で受け取る方法もあります。還付時期や受け取り方法は自治体ごとに異なるため、詳細は管轄の税務署に確認しましょう。
廃車時に還付される税金は2種類
自動車の抹消登録では2種類の税金が還付される可能性があります。
- 自動車税
- 自動車重量税
自動車税は毎年4月1日時点で自動車を所有している人に対して課せられる税金、自動車重量税は新車登録時や車検時にその自動車に対して課せられる税金です。どちらも一定期間の税金を一括で納付するため、自動車の抹消登録時に過剰納税分が月割で還付されます。
軽自動車・バイクは自動車重量税の還付のみ
排気量660㏄以下の自動車やバイクに適用される軽自動車税は年税のため、年度の途中で抹消登録をしても還付金は発生しません。軽自動車の廃車では自動車重量税の還付のみ発生することを覚えておきましょう。
廃車で還付される自動車税
自動車税は4月から翌年3月までの税金を一括で納付するため、年度の途中で抹消登録をした場合は手続き翌月から次の3月までの残月数に応じた還付金が発生します。
自動車税の納付金額
自動車税は所有する車の排気量に応じて納付額が変動する税金です。660㏄以下の自動車・バイクには自動車税ではなく軽自動車税が適用されますが、前述したように廃車時の還付はありません。
総排気量 | 2019年9月までに購入した車の自動車税 | 2019年10月以降に購入した車の自動車税 |
---|---|---|
1,000cc以下 | 29,500円 | 25,000円 |
1,001cc~1,500cc | 34,500円 | 30,500円 |
1,501cc~2,000cc | 39,500円 | 36,000円 |
2,001cc~2,500cc | 45,000円 | 43,500円 |
2,501cc~3,000cc | 51,000円 | 50,000円 |
3,001cc~3,500cc | 58,000円 | 57,000円 |
3,500cc~4,000cc | 66,500円 | 65,500円 |
4,001cc~4,500cc | 76,500円 | 75,500円 |
4,501cc~6,000cc | 88,000円 | 87,000円 |
6,001cc以上 | 111,000円 | 110,000円 |
軽自動車※ | 10,800円 | 10,800円 |
※廃車還付対象外
総務省,「2019年10月1日、自動車の税が大きく変わります」,(2022-01-29)
総務省,「平成28年度から軽自動車税の税率が変わります」(参照 2022-01-29)
自動車税の廃車還付金算出方法
廃車時の自動車税還付金は以下の式で算出します。
納付した自動車税の総額÷12カ月×抹消登録後の残月数※
※抹消登録が完了した翌月から次の3月までの月数
自動車税の廃車還付は手続き不要
廃車時の自動車税還付は特別な手続きなしで受け取れます。陸運局での抹消登録手続きと同時に自動車税の還付申請も合わせて実施するためです。陸運局の窓口で手続きを済ませた後は、案内に従い陸運局内の税事務所へ以下の書類を提出しましょう。
- 自動車税・自動車取得税申告書
- 登録識別情報等通知書
廃車で還付される自動車重量税
自動車重量税は、車検証の有効期間(新車登録時は3年間、以降は車検ごとに2年間)の税金を一括納付するため、廃車時は車検証有効期間の残月数に応じた税金還付が受けられます。
自動車重量税の納付金額
自動車重量税は自動車の重量に応じて課税額が変動する税金です。また、一定基準を満たした自動車にはエコカー減税が適用されるほか、新車登録から一定年数を経過した自動車は税負担が重くなる仕組みもあります。
車検時に納付する自動車重量税は以下のとおりです。
車両重量 | エコカー | エコカー(本則税率) | エコカー以外 | ||
---|---|---|---|---|---|
右以外 | 13年経過 | 18年経過 | |||
0.5t以下 | 免税 | 5,000円 | 8,200円 | 11,400円 | 12,600円 |
~1t | 10,000円 | 16,400円 | 22,800円 | 25,200円 | |
~1.5t | 15,000円 | 24,600円 | 34,200円 | 37,800円 | |
~2t | 20,000円 | 32,800円 | 45,600円 | 50,400円 | |
~2.5t | 25,000円 | 41,000円 | 57,000円 | 63,000円 | |
~3t | 30,000円 | 49,200円 | 68,400円 | 75,600円 |
カーコンビニ倶楽部,「廃車にした時の自動車税の還付はどうなる?お得に廃車するには?,(参照 2022-01-31)
自動車重量税の還付金算出方法
自動車重量税の廃車還付金は以下の式で算出します。
納付した自動車重量税÷車検証有効期間(月数)×抹消登録後の車検証有効期間(残月数)※
※抹消登録翌月以降の車検証有効月数
自動車重量税の還付は手続きが必要
自動車税と異なり、自動車重量税の廃車還付では自主的な手続きが必要です。具体的には陸運局で永久抹消登録や解体手続きを行う際に、永久抹消登録申請書または解体届出書と一体の還付申請書に必要事項を記入し窓口へ提出します。
なお、自動車重量税の廃車還付を申請できるのは該当の自動車を解体する場合に限られます。解体を伴わない一時抹消登録では自動車重量税の還付申請ができません。
税金以外で発生する自動車の廃車還付
税金以外でも廃車時の還付が発生する可能性があるのは以下の2つです。
- 自賠責保険
- 任意保険
自賠責保険は交通事故の被害者救済を目的として、全ての自動車に加入義務がある保険です。廃車時は保険期間の残月数に応じた還付金が発生します。
また、任意保険は自動車の所有者が任意で加入する保険の総称です。保険の規約によっては廃車還付が発生するケースもあります。自賠責保険、任意保険の廃車還付に付いては加入先の保険会社で詳細を確認しておきましょう。
自動車税の廃車還付の注意点
税金の廃車還付を申請する際の注意点を解説します。場合によっては還付金が受け取れなくなる可能性もあるため、しっかりとポイントを押さえておきましょう。
月をまたぐと還付金が減額される
廃車還付は月割で算出されるため、手続きが長引き月をまたぐと還付金が減額されてしまいます。特に廃車を業者に依頼する場合は手続きのスケジュールまで確認しておきましょう。
3月は廃車手続きが混雑する
3月は陸運局への廃車希望が集中するため、通常以上に手続きに時間が掛かる可能性があります。手続きが長引き4月に入ってしまうと新たに自動車税の納付義務が発生するため、余裕を持ったスケジュールで対応しましょう。
業者への廃車依頼では還付金の扱いを確認しておく
廃車手続きを業者に依頼する場合、発生する還付金を作業費の一部として徴収されるケースもあります。業者と契約する際は還付金の扱いを必ず確認しておきましょう。
【まとめ】
自動車の廃車の税金還付を確実に受け取ろう
自動車の廃車で発生する税金の還付は抹消登録後1カ月〜3カ月ほどで手元に戻ってきます。ただし、自動車重量税や自賠責保険の還付金は自主的に申請しなければ受け取れません。また、廃車を業者に依頼する際は、還付金の扱いを事前に確認するよう心掛けましょう。
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