デコトラの廃車体はどうなるのか?

大型トラックに装飾をちりばめたデコトラは、1970年代ごろに社会現象になるほどの人気でしたが、現在はブームも去り数も少なくなっています。
こうしたデコトラは改造を繰り返すことで一般の車と比べて寿命は長めとなる傾向がありますが、それでもいつかは廃車となるでしょう。
デコトラの場合、廃車になるとどうなるのか気になるところです。
今回はデコトラの廃車体がどうなるのかについて解説します。
目次
デコトラも廃車にするときは一般的なトラックと同じ
デコトラは映画「トラック野郎」シリーズをきっかけに大ブームとなり、当時は主人公にあこがれて運輸業界に入った人も多かったようです。
しかし、1980年代には改造車両の取り締まりを警察が強化したことや、1990年代には多くの企業で装飾トラックの出入りを禁止するようになり、デコトラのブームは終息していきました。
とはいえ、デコトラは今でも文化として個人間で売買されています。
経年劣化やその他の事情によってデコトラを廃車にする場合、他のトラックと比べて何か必要な手続きがあるのか気になるところですが、手続き自体は同じです。
ただし、デコトラを廃車して解体する場合は装飾パーツが多いことから解体費用が他のトラックよりも高くなることが予想されます。また、リサイクル料を支払っていない場合はそちらも必要です。
永久抹消登録と一時抹消登録の違い
トラックの廃車には、解体して自動車登録から抹消する「永久抹消登録」と、長期間乗らないまたは私有地でのみ乗る場合などの「一時抹消登録」があります。
永久抹消登録は、事故・水没などにより中古車として販売するのが難しく、二度とそのデコトラに乗らない場合に行われるもので、抹消登録時と同時に申請すれば重量税が還付される可能性があります。
一時抹消登録は、一時的に自動車登録を抹消するだけで、再登録すれば公道で運転できますし、抹消期間は自動車税の納付は不要です。
つまり、デコトラの廃車体はそのまま解体されるか、一時抹消登録して私道だけを走行するか、オブジェや休憩スペースなどとして活用されるなどの使い道があります。
デコトラの一時抹消登録に必要なもの9点
デコトラを廃車体にして活用するためには、一時抹消登録を行うことをおすすめします。
必要なものは以下の9点の通りです。
- 車検証
- 所有者の印鑑証明書
- 手数料納付書
- 一時抹消登録申請書
- 自動車税・自動車取得税・自動車重量税申告書
- 所有者の実印
- ナンバープレート(前後2枚)
- 事業用自動車等連絡書(緑ナンバーの場合)
- 所有者の実印が押印された委任状(代理人を立てる場合)
手数料納付書と一時抹消登録申請書は運輸支局内で、税関連の書類は運輸支局内の税事務所で受け取れます。
また、車検証の住所・名字などに変更がある場合は、住民票・戸籍謄(抄)本、または商業登記簿謄(抄)本が必要です。
デコトラを一時抹消登録する際の流れを5つのステップで解説
デコトラを一時抹消登録する場合の流れは以下の通りです。
- ナンバープレートを外し、運輸支局の返納窓口へ返却する
- 必要書類を管轄の運輸支局窓口に提出
- 一時抹消登録の申請書類一式を受け取り記入したのち、350円の手数料印紙を貼り、窓口に提出
- 登録完了後、一時抹消登録証明書を受け取る
- 税申告窓口で自動車税廃止の手続きをする
デコトラの廃車手続きが完了すると、自動車税を月割計算した還付金が受け取れます。
ただし、廃車手続きが2〜3月の場合は還付金はほぼありません。これは自動車税の納税義務が発生するのが4月1日時点の状態によるものだからです。
デコトラ廃車体の活用状態によっては保険加入も視野に入れるべき
デコトラ廃車体を休憩スペースやオブジェなどとして活用する場合などは、利用者がケガなどをする可能性もあるため、保険加入なども視野に入れておくべきでしょう。
また、多くの装飾パーツが腐食などで落下したりすることがないよう、定期的なメンテナンスも必要です。
【まとめ】
デコトラの廃車体は休憩スペースやオブジェとして活用されるのが一般的
デコトラは1970年代には社会的ブームとなりましたが、今では数も少なく文化として個人間で売買されるケースがほとんどです。
装飾パーツがふんだんに使われているデコトラを仕事で使うケースはほぼないでしょうし、車両本体の老朽化も進むことから廃車になることも珍しくありません。
廃車後のデコトラは解体されるか、一時抹消登録されて私道でのみ走行するか、休憩スペースやオブジェとして活用されるのが一般的です。
ただし、休憩スペースやオブジェとして活用する場合がメンテナンスが欠かせないため、維持費がかかることは把握しておきましょう。
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